2014年2月3日

「就業規則の本はムズカシイ」というイメージをどう払拭するか。




就業規則と聞くだけで、「あぁ、何か難しそう」、「あぁ、見たくない」、「あぁ、読みたくない」そう感じるとしたら、あなたは正常な人間です。

会社にある就業規則を読んだ人というのはどれくらいいるのでしょう。好き好んで就業規則を読む人なんて、いないんじゃないか。私はそう思います。




大量にある就業規則の本



就業規則に関する書籍は、Amazonで検索すれば、もう大量にあります。あまりに多すぎて、どれを読んだらいいのか迷うぐらい。

就業規則の本に興味がある人というと、社労士の人、総務や人事の人、あとは労働関連の行政機関で働いている人ぐらいでしょうか。他にいるとすれば、専門外だけれども、就業規則の整備をしないといけなくなった社員さんも含まれるかもしれない。

いざ、就業規則のことを知るために本を探しても、どれがいいのかサッパリ分からない。手当たり次第に見てみても、読みにくかったり、分かりにくかったり。なかなか当たりに巡り合わない。そんな人もいるでしょうね。


「分かりやすい、読みやすい」これがポイント



専門的な書籍で最も重要なのは、分かりやすくて読みやすいこと。

ちょっとでも分かりにくいと感じたら、もう読みたくなくなる。
ちょっとでも読みにくそうと感じたら、もう本を閉じちゃう。

専門書はそういうもの。

「分かる人だけ読んでくれればいい」もちろん、そういう考え方もある。しかし、就業規則を作ったり変更したりする人は、必ずしも知識がある人だけとは限らない。

専門外なのに、やむを得ず就業規則の整備にとりかかる人にとって適した本はどれなのか。そういう需要も結構多いように思う。

社労士でも、読みにくい本や分かりにくい本はイヤですから、たとえ就業規則に関する本であっても、パラパラっと見て、「これはヤメておこう」、「これは良さそう」と判断して選別している。


会社で働く人にオススメできる就業規則の本



私は社労士ですから、「就業規則に関する本ならばコレがいい」とオススメできる本はあります。

ただ、オススメする際の基準は、「分かりやすくて読みやすい」この1点です。

読んでもらえなければ本は役に立たないですから、まず読んでもらえる内容かどうかが大事。

ここで、「分かりやすい本や読みやすい本はレベルが低いから、あまり役に立たないんじゃないか」そう思う人もいるかもしれない。

「分かりやすさや読みやすさ」と「書かれている内容の質」は必ずしも連動するわけではない。

ムズカシイことを難しいまま伝える人は普通だが、ムズカシイことを分かりやすく伝える人は玄人。専門書を分かりやすく、読みやすく書くのは簡単ではなく、もしそうできている本があるならば、それは良い本です。


『就業規則のつくり方 -会社と従業員を守るルールブック- (総務の仕事 これで安心)』は、就業規則の本の中では珍しく分かりやすく書かれている本で、労務管理に関する知識をあまり要求せず、手に取りやすく書かれている。

「就業規則のつくり方」という題名があまりに平凡で、さもつまらない感じが漂うけれども、実際の中身は書き手ではなく読み手本位で書かれている。


  • 「当日申請」「退職時」「再雇用時」の年次有給休暇の注意点。
  • 「復職」の判断方法を明記する。
  • 「試用期間」の役割を明確にする。

など、労働時間、休日、休憩、服務規程など、退屈な目次がズラズラっと並んでいる本とは違って、読み手の立場で目次が作られているのも好印象。





就業規則のつくり方 -会社と従業員を守るルールブック- (総務の仕事 これで安心)