2014年2月18日

洗剤なしで洗濯できる洗濯機を思い出す。


随分と昔のことだけれども、三洋電機が発売した洗剤なしで洗濯できる洗濯機を最近思い出した。SANYOのAQUAというモデルの洗濯機で、水を電解水にして汚れを落とすという珍しいものだった。

洗濯には、洗濯機と洗剤がセットであって、切っても切れない関係のように思っていたけれども、あの洗濯機が登場して「えっ? 洗剤なしで選択できるの?」とビックリしたのを覚えている。

SANYOの主張では、洗濯には2種類あって、「汚れたから洗う」洗濯と「着たから洗う」洗濯があるらしい。洗剤を使わない洗濯機は後者を対象にしているのが特徴。とはいえ、洗剤を一切使わないというわけではなく、普通に洗剤を使って洗うモードも用意されていたので、洗剤なしでしか洗濯できないというシロモノではなかったことは書いておく必要がある。




洗剤メーカーの反発


この洗濯機に対する洗剤メーカーの抵抗はなかなかのもので、わざと汚れた服を洗ってみたり、洗剤を使わなければ服が傷みやすくなるとか、匂いが取れないとか、色々な反対キャンペーンがあった。

洗剤を使わずに洗濯するとなれば、洗剤業界の反発は当然のもの。洗濯機メーカーと洗剤メーカーは二人三脚、夫婦のような関係で歩んできたのに、いきなり「おまえは要らん」と言われたように感じるもの無理はない。


服を洗濯するのは汚れた時だけとは限らない。SANYOの言うように、着たから洗うという場面は多い。見た目には汚れていないけれども、1回着たから洗おうという判断。これは至って普通。例えば、寝るときに着たTシャツを翌朝に洗うとか、顔を1回だけ拭いたタオルを洗うとか、2回ほど手を拭いたハンカチを洗うなど、見た目には汚れていないものを洗うことはよくある。

だから、あえて洗剤を使わなくても、電解水だけで洗ってしまうこともできるので、「じゃあ、洗剤なしの洗浄モードを作ってみようか」とSANYOの人は思い立ったのだと思う。



「洗剤なし」という名称以外ならばイケたんじゃないか?


「洗剤なし」という名称を使うのではなく、「カンタン洗濯」とか、「クイック洗濯」という名称を使って、簡易な洗濯ができるという切り口ならば良かったんじゃないか。今更だけれども、そう思う。

あからさまに洗剤なしと表示するのではなく、水で洗う簡単な洗浄だとマイルドに説明していれば、なんとかゴマかせたんじゃないか。

電解水で洗うカンタン洗濯モード、水で洗うクイック洗濯、こういう名称ならば、洗剤メーカーも「あぁ、そういう機能ができたんだなぁ、、」と過ごしてくれたかもしれない。

「洗剤なし」としてしまうと、「な、な、何だってぇぇ!?」とおもむろに椅子から立ち上がり、徹底抗戦の布陣を敷いてしまう。



電解水で消毒するのは悪くないんじゃないか


病院に置かれているネチョネチョした殺菌ジェル。あれがどうも好きになれない。外からのバイキンを病院に持ち込ませないためだから仕方ないのだけれども、あのヌルヌル感はイヤだ。

酸性の電解水には殺菌効果があるみたいだから、その水で手の殺菌ができたらいいだろう。水道水から酸性の電解水を作って、病院に来た人にその水で手洗いしてもらえば、殺菌ジェルのネチョネチョ、ヌルヌルに悩まなくて済む。

とはいえ、これまた、洗剤を使わない洗濯機のように、殺菌ジェルやアルコール、手洗い洗剤を作っている人からすれば抵抗するネタになってしまう。

水で殺菌するのも悪くないとは思いますけれども、世の中はそんなカンタンにコトが運ばないものなのかもしれません。