2014年7月11日

学校にエアコンは必要か否か。暑さで根性試し?



千葉市、小中学校エアコン却下 議会「耐える能力必要」
http://www.asahi.com/articles/ASG6T5QTYG6TUDCB01G.html


 請願書は「扇風機では限界を超えた暑さに太刀打ちできない。学習環境を整え、学習に集中できるように」などと、熱中症予防策としてエアコン設置を求めていた。 
 千葉市教委の試算では、対象となる計175校の教室に必要なクーラーは2800台分で約76億円。本会議に先立って請願を審査した12日の教育未来委員会では、自民党議員が「環境への適応能力をつけるにはある程度、耐える能力を鍛えることも必要だ」と発言。共産党を除く全会派が「老朽化したトイレの改修を優先すべきだ」などを理由に反対に回っていた。 
 請願は市民団体「新日本婦人の会千葉支部」が6月定例市議会に提出。市民の署名活動を続け、現在、約1千人分が集まっている。小中学生の親で請願手続きにかかわった楠本三佳さん(39)は「昔と今では環境が全く違い、暑さが教室にこもりやすい。子どもが熱中症になってから設置を検討しても遅い」と話している。


 私が学生の頃、小学校、中学校、高校もエアコンはなかった。5月に入ると、そろそろ春も終わりに近づき、暑くなってくる。そのため、学校では、下敷きをウチワ代わりにしてパタパタしていたのを思い出す。

 ウチワを持っていけばよかったのかもしれないが、下敷きでウチワの機能を兼用にすれば荷物が減るからか、ずっと下敷きで顔を扇いでいた。そんな状態が5月から9月の後半ぐらいまで続くのだから、良い環境で学習していたとは言えない。



 
 政治家の方が「環境への適応能力をつけるにはある程度、耐える能力を鍛えることも必要だ」と発言したようだけれども、確かに暑い環境に適応できれば耐える能力を向上させることも可能かもしれない。しかし、耐える能力を鍛えたいならば、他の方法の方がいいんじゃないか。

 例えば、クラブ活動でキツイトレーニングを実施するとか、体育の授業時間にハードなスポーツをやってみるとか、計算ドリルや漢字ドリルを延々と解き続けるなど、色々とある。あえて暑い教室でダレるような状態を作り出し、生徒の忍耐力を引き上げることにこだわらなくてもいいだろう。

 エアコンを設置しても、設定温度を28度や29度に設定すれば寒いというほどには冷えないだろうし、扇風機やサーキュレーターも組み合わせれば節電もできて快適に学習できる。


 大阪の学校でも、確か2005年とか2006年ぐらいだったか、エアコンが設置されるようになって、私が小学生や中学生だったころはなかった文明の利器が導入されていった。羨ましいと思いましたけれども、もう20年ぐらい前とは夏の暑さが変わっていて、昔ならば耐えられる暑さでも、今ではもう耐え難いぐらいの暑さになっているので、エアコンを設置しても贅沢とは言えない。


 強い精神を身につけるという目的も分からないでもないけれども、20年前ならばまだしも、2014年の今となっては、窓を全開にしても涼しいとは感じれず、むしろ蒸し暑さを増す場合すらある。暑いと集中力は当然に下がるし、下敷きのパタパタ音は止むことがないし、算数の問題なんて解けないし、英語なんて聞きたくもない。そんな悪循環に陥るのは明らか。


 気温が34度とか36度の日はエアコンの設定温度を28度に設定しても十分に涼しく感じる。外気温とエアコンの設定温度の差が大きいほど涼しく感じるもので、28度の設定温度だから暑いとか、29度だから効き目が無いというものでもない。

 冷房はちょっと暑いかなというぐらいの弱い設定がベストで、扇風機やサーキュレーターでさらに調節して使うのが今では賢いエアコンの使い方とされている。女子の中には冷え性の人もいるだろうから、ひざ掛けを持ってくるとか、カーディガンを着るのもいい。



 エアコン無しで根性を鍛えるという発想は、2014年の今ではもうやめるべきでしょう。