2014年9月27日

auは旧プランを残すか、それとも新プランへ全面移行するか。




2014年の9月現在、音声通話を定額で利用するのが主流になりつつある。初夏頃に、docomoがカケホーダイを発表して、最初に音声通話の定額サービスを始めたところ、他の通信会社も追随して、新プランとして音声通話の定額メニューを用意してきた。

docomoは2014年8月末で旧料金プランの受付を終えて、それ以降は新プランのみを扱うようになった。9月後半の時点では、新プランの契約者が1,000万人ぐらいに達する状況で、さも好調な感じがするが、実際に利用している人はカケホーダイのみを契約しているケースが大半ではないかと思う。音声のみの契約か、それとも音声 + データのセット契約か、この内訳は公表されていないので分からないが、前者の方がおそらく全体の7割ぐらいに達しているのではないかと思う。

特に、法人契約のケータイだと、通話が主体なので、カケホーダイのみのプランに切り替えるとお得。今までだと、通話スタイルに応じて、従量制でプランが用意されており、そこから選ばないといけなかったが、今は1本化されていてシンプルで選びやすい。電話だけで毎月5,000円や7,000円を支払っているビジネス利用者には魅力的な料金プラン。




auも他社と同様に新プランで音声定額メニューを用意しているが、旧プランを受け付けつつ、新プランも同時に受け付ける二正面作戦を展開している。旧プランはLTEプランの従量制メニュー、新プランはカケホで定額メニュー、この2つから利用者は好きな方を選べる。

auの新料金 カケホとデジラ | auauの新料金 カケホとデジラ | au

あえて新プランへ全面移行しないところがdocomoと違うところで、選択できる状態にして、いわゆるA/Bテストを実施しているんじゃないか。どちらのプランが選択されやすいか、LTEプランを選択した人の使い方、カケホを選択した人の使い方、データ契約の有無や内容、などを調査し、旧プランをどうするかを検討している。これが2014年9月の現状ではないかと思う。

旧プランの受付期限は、2015年の2月末までとauのウェブサイトに掲載されていたが、2014年の7月か8月頃に、その部分に関しては消されていて、終了未定に変わっている。テレビCMでも、ウェブサイトでも、新プランを前に出して宣伝していて、新プランで契約すると、au WALLETのポイントが付くキャンペーンも実施している。営業上は新プランを積極的に推しているが、実際に契約する人はどちらのプランを選んでいるのかを知りたいところ。

もし、新プランの受付が好調ならば、旧プランの受付を予定通り2015年の2月末で終えてしまっても良いように思えるが、受付の終了時期が未定になってしまったので、想定よりも旧プランのLTEプランを選ぶ人が多いのかもしれない。

各種の通話アプリがすでに充実しているし、SNSのメッセージ機能、メール、SMSなど、電話以外の通信手段が多々ある状況で、どれほどの人が通話定額を選ぶのか。仕事でケータイを使う人は、通話が主体なので、定額の通話サービスを選ぶのは合理的。毎月、電話代で3,000円以上支払っていた人は、迷いなく通話定額プランを選ぶので、この人達が新プランの契約者数を増加させている。

ただ、データ通信が主体の人にとっては、通話以外の手段で連絡するので、音声定額プランは不要。私も、スマホを使うようになり、電話をかける頻度は下がった。以前のケータイはネット接続するには速度が遅いし、画面も小さいので、電話でしか使わなかった。SMSやおサイフケータイは使っていたものの、ブラウザーを動かしてウェブサイトを見るには貧弱な端末なので、通話が主な用途だった。

auがLTEプランをどうするのか。2014年9月時点では分からないけれども、LTEプランとカケホを選択できるようにしておくのがいいんじゃないか。docomoの場合は、「docomoのネットワークで通話定額になった」という点に価値があり、auやSoftBankのネットワークで通話定額になっても、docomoと同様の価値を示すのは難しい。今でも、「docomoならば繋がる」と考えている人も多いので、その安定感や安心感に対する価値は他社よりも上のはず。そのため、同じ音声定額であっても、docomoとそれ以外という位置付けになり、docomoの音声定額ならば使うけれども、他社の音声定額は要らないという人がいても不思議じゃない。

docomoが新プランに一本化したので、auは2つのプランを選べることをアピールすれば差別化しやすいのではないかと思う。