2014年10月20日

Apple SIMとSIMフリー端末との違いは?



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2014年の10月にApple SIMという機能が発表され、この機能を使うと、SIMカードの抜き差し無しで通信回線を切り替えられるようになるらしい。

今までだと、通信回線を切り替えるには、SIMカードを取り出して、通信会社ごとに発行されたSIMカードを入れ替える必要がったが、その手間を省けるようになるとのこと。

このApple SIMについて初めて知ったとき、「SIMフリー端末と同じじゃないの?」と思ったが、どうも考え違いのようだ。通信会社の回線を横断できるとなると、SIMフリーの端末と似ているが、通信回線の切り替えがキモなのではなく、SIMカードが不要という点がキモなのだ。



Apple SIMは、docomoのポータブルSIMと似ているところがあり、SIM認証の部分を端末から分離している。厳密にはApple SIMは端末内でSIM認証を行うのだろうけれども、SIMカードが必要ないという点で、SIMの部分を分離したと考えられなくもない。

スマホやタブレット、PCを使う場合には、あまりApple SIMの利点を感じられないはず。SIMカードの抜き差しを頻繁には行わない人が多いし、複数の通信会社を横断して使いたい人も多くない。だから、回線をスイッチできるという点にあまり魅力を感じないと思う。

しかし、SIMカードを搭載できない端末を使うときにはApple SIMは効果を発揮する。例えば、Apple WatchにApple SIM機能が搭載されれば、Wi-Fi回線だけでなく、LTE回線も使えるし、通信会社ごとのSIM認証を通過できるので、通信会社ごとに展開している独自のサービスにもアクセスできる。

SIMカードが入らない端末とApple SIMが組み合わさったとき、Apple SIMは本領を発揮するはずだ。

通信キャリアの壁を壊すだけならば、SIMフリー端末を発売するだけで足りる。Apple SIMは、通信キャリアの壁を壊すために作られた機能ではなく、SIMカードを入れられないApple WatchにSIM認証機能を付加するために作られたと考えるのが妥当だろう。