2015年9月8日

宇治植物園のおうじちゃま。パイナップルの子供。巨大な蓮池。


6月末、春も終わりそろそろ夏が本格的に始まろうとする時期、京都の宇治市にある宇治植物園(宇治市植物公園)まで行ってみることにした。これを書いているのが9月7日なので、すでに夏は終わろうとしている頃だ。夏の終わりに夏が始まった頃の話を書いているのだから、呑気にも程がある。

大阪から宇治まで行くには京阪電車が便利。京阪というと、大阪の中心部、淀屋橋や京橋と、京都の中心部である祇園四条や清水五条を繋ぐ鉄道と思われているが、メインの路線とは別に京阪宇治線という路線が京阪にはある。中書島まではメインの京阪線に乗り、そこで京阪宇治線乗り換えて、終点の宇治まで移動できる。

大阪の中心から京阪電車で宇治まで行けるとなると、京阪電鉄はなかなか気が利いた鉄道会社だ。大阪の京橋から400円で宇治まで行ける。いつも思うが、京阪電車の運賃の安さは他の鉄道と比べても2歩ぐらい先を行っている。京橋から宇治まで60kmほどあるが、それを400円の運賃で電車に乗れるのだからありがたい。

大阪から宇治駅までは1時間。


しかも、京阪では特急料金は無料。鉄道会社によっては、特急は別料金が必要で、特急券を別途購入して乗車しないといけないところもある。昔々、西武新宿線で特急に乗った時は特急券が必要だったのを覚えている。外観は新幹線のような車両で、所沢から新宿までノンストップで走り抜けた。特急は追加料金無しで乗れると思い込んでいたものだから、社内で特急券が必要だと知り、車掌さんから特急券を購入した。社内も新幹線のようなデザインで、埼玉の所沢から東京の新宿まで一直線で移動できるので、特急券が必要なのは納得できる。確か、30分もかからず新宿に到着したように覚えている。



快適だったし、便利だったし、早かったし。特急券を買うだけの価値はあった。しかし、特急に乗るために特急券が必要という感覚は大阪人には馴染みにくい。新幹線の特急券は確かに分かるが、新幹線以外で特急券が必要なのは、大阪だと南海電鉄のラピートが馴染み深い。


京橋駅に到着したのが12時33分、そこから特急列車に乗って13時29分には宇治駅に到着できた。特急に乗ると、大阪と京都の近さを感じる。バンバンと途中駅を通過し、枚方駅や樟葉、中書島など主要な駅だけに停車するので、大阪の中心から京都の中心まであっという間だ。

中書島で降りたのは初めてで、いつも京阪の乗るのは、三条や四条に行くときぐらい。特急に乗ると、京橋駅と枚方駅の間が長く感じる。まぁ、停車する駅と駅の間としては最も長い距離なので時間を長く感じるのは当然ではあるが、無停車で20分ぐらい乗り続けると少しばかり疲れる。新幹線の乗車時間は長いので慣れているが、新幹線以外の電車で駅に停車せず長く乗っていると妙に疲れる。

京阪宇治駅は建物が凝っている。コンクリート造りの駅舎で、鳥の巣がたくさんある。ツバメか何の鳥かは忘れたが、宇治駅に行った時は頭の上に注意が必要。鳥の落とし物が落下してくるかもしれないので、上を意識しながら歩く必要がある。外から駅に入る隙間がイッパイ空いているし、雨をしのげるので、巣を作るには良い場所なのかもしれない。

コンクリート造りの駅舎。

鳥の巣が多い。
宇治駅の前はターミナルになっていて、タクシーやバスが入り込みやすい。宇治線の終点が宇治駅なので、ここからどこかに行ったり来たりするために乗り入れているバスも多い。

Google Mapで見ると、駅から植物園まではさほど遠くなく、歩いてでも行けるだろうと思ってしまうが、現地は坂道が多く、歩くと30分ぐらいはかかるだろう。繁華街の中にあるのではなく、ちょっと辺鄙な場所に植物園はあるので、ここは素直にバスに乗るといい。

ウェブサイトの案内では、宇治市植物公園まで行くには240系に乗るように案内されているが、240A系でも植物園には行ける。ウェブサイトには240系としか書かれていないので、Aが付いていたらダメなんじゃないかと思ってしまっていたが、実際は240A系も植物園まで行く。240Aも240系に含まれていると考えて無理はないので、240Aでも植物園まで行けるのは不思議じゃない。

宇治駅のターミナル。


駅から植物園までの運賃は230円。普段からバスに乗らないと、いざ乗るときになって乗り方で戸惑う。電車だと乗る前に目的地までの切符を買うのだが、バスの場合は乗ってから支払うので、事前に料金を知るのが難しい。距離が遠くなれば運賃も高いのが普通だし、かといって運賃表のようなものはバス停に掲示されていないし、電車ばかり乗っている人間には混乱のモトだろう。

最近は距離にかかわらず均一の運賃で乗れるバスが多く、宇治駅から乗ったバスも230円均一のバスだった。

バスに乗り込む時に整理券のようなものを取る必要があるものと、取る必要がないバスがあって、これも混乱の原因となる。距離に応じて運賃が発生するバスは整理券が必要で、均一運賃のバスでは整理券が必要ない。このように理解してほぼ支障ない。

あとは、運賃を支払うときに小銭がない場合は、運賃箱のところで両替できる。これもバスによく乗る人には当たり前なのだが、あまりバスに乗らない人は戸惑うはず。

宇治川。上流の天ヶ瀬ダムが開放されていて流れが強い。

今はバスでもICカードを使えるので、面倒なことで混乱するのが嫌ならば、それを使うのがいい。運賃がいくらか、整理券はどうするのか、両替はできるのかなどと考える必要は無いので、電車だけでなくバスもICカードで一本化するのが安心だ。

240Aでも植物園まで行くと知らなかったものだから、バス停で240のバスが来るまで待っていた。長々と20分ぐらいは待ったんじゃないか。バス停にある掲示版をよく見ると、240Aでも植物園を通るように表示されているので、「もしかしたら240系というのは240Aも含むのか?」と考え始めた。そんな矢先に、240Aのバスが来たので、運転手に「このバスは植物園まで行きますか?」と聞くと、「行きますよ」とのこと。

チケットと入場時にもらえる案内図。


う〜ん、バスは難易度が高い。乗り慣れていないと、240Aは240系には含まれないんじゃないかとショーモナイ思考を巡らし混乱する。言わせていただくと、バス停の掲示はもっと情報を多くして欲しい。せめて均一運賃ならば、「均一運賃 230円」というように掲示に表示しておいて欲しいし、経路図も隙間をもっと空けて見やすい方がいい。

宇治市植物公園の入口に向かう通路。フラワーブリッジというらしい。

入口はこの先。

宇治駅から出発し、バスが住宅街を抜けると、植物園に到着。当日の天気は曇り。今にも雨が降りそうだったので折りたたみの傘を持っていったが、植物園に着いたときはまだ降っていなかった。

入園料は500円。入口には入園券の自動販売機があるので、そこでチケットを購入し、入口で半券をもいでもらう。

みずべ。確かに水辺に行くとこんなことをする人がいる。

入口を抜けて階段を降り、まっすぐ進むと温室があるが、ここでは熱帯の植物が育てられている。6月末となるとすでに外は暑いのだけれども、温室の中に入るとさらにムシムシして、植物も多々あるものだから蚊も多い。

温室の入口。


一箇所に立ち止まって写真を撮っていると、あっという間に蚊に刺される。蚊に刺されると書いたが、大阪では「蚊に噛まれる」と表現する人は多い。「あぁ、蚊に噛まれた」と反射的に言うのだけれども、蚊は噛むような口はないし歯や牙の類もない。細い針で人間が気づかないうちに刺して血を吸う。ということは、噛むではなく刺すと表現する方が正しい。

まぁ、噛まれたと表現しようが刺されたと表現しようが、痒いものは痒いのでドッチでもいい。

巨大な植物。

いかにも熱帯系な植物達。

宇治市には他の町と同じようにゆるキャラが存在する。その名も「チャチャ王国のおうじちゃま」。名前を見ると、冗談のように思えるが、冗談ではなく本当にゆるキャラとして存在する。

宇治ゆるキャラ決定しました!!!/京都府ホームページ宇治ゆるキャラ決定しました!!!/京都府ホームページ

最近というか、数年前からだが、ゆるキャラインフレが起こっている感じが否めない。全国津々浦々でゆるキャラが登場し、テレビでも連日、どこかのゆるキャラが紹介される。今ではゆるキャラといえばふなっしーというぐらいポジションが固定されてしまったが、3年ぐらい前まではくまモンやひこにゃんなどと群雄割拠な情勢だった。

緑色のバナナ。スーパーではお目にかかれない。
温室内には他にも数えきれないほどの植物が育てられていたので、好きな人は一度見に行ってみるといい。カカオの木、レンブの実など、まぁ多種多様な植物が所狭しとつめ込まれている。来客は多くなかったので、快適に観れると思う。

植物園の入口を入って、階段を降りた1階にレストランがあるが、ここはめったに営業しておらず、お客さんが多い日だけお店を開けている。私が行った時もお店は閉まっていたので、食べ物は事前に準備して持ち込む方がいい。

パイナップルの子供。小さい頃からすでにビジュアルは完成されている。


温室から出て歩くと、水が流れている広場が目に入る。水が流れているというのは、要するにカナールというやつ。川というほど大きなものではなく、道の真ん中に水が流れる溝が設けられている。

これがカナール。
写真に写っているが、奥のほうに写っているキャラクターが宇治市のゆるキャラであるおうじちゃま。これは絵ではなく、植物を並べて描かれていて、遠くから見ていると分からないが、近くで見ると黄色や赤色などの植物を配置してキャラクターを描いていると分かる。

先の広場には休憩所や自動販売機もあるので、晴れている日にはそこでお弁当でも食べれば気持ちいいだろう。この日は曇りで今にも雨が降りそうだったので、休憩している人はほとんどいなかった。

カナールの反対側から。この下におうじちゃまがいる。
この植物園には池があり(修景池という名前)、その池に大量の蓮が植えられている。

蓮の花の向こうが池。池の水が見えないほど大量の蓮が植えられている。開きかけの蓮の花も風情があっていい。
「池の手前にも蓮の花があるの?」と勘の良い人ならば気づくが、池を覗きこまなくても蓮を鑑賞できるように、植物園の人が池から蓮をピックアップして、通路に置いてくれている。

池には柵があるので、どうしても遠くからしか見れない。そのため、近くでも蓮の花を見れるように、水を張った大きな容器に蓮の花を植えて、それを池の周りの通路脇に置いているというわけ。だからこんなに近づいて写真も撮れる。

蓮の池に近づく。

蓮の花を見ていた15:30頃になると、雨が降り始めた。使わないで済むかと思っていた折りたたみ傘の出番がやっと来た。せっかく持ってきたのに、雨が振らないとなると、単なる重い荷物でしかないので、むしろ降ってくれて有り難いぐらいだった。

開園時間は午前9時から午後5時までなので、5時少し前まで園内をウロウロし、植物園を出て、京阪宇治駅行きのバスに乗って帰ることにした。

中には入らず、平等院の入口近くまで。
当日は、宇治駅に戻ったら平等院にも行こうかと思っていたが、すでに宇治駅に着いた段階で16時45分頃だったので、平等院の中に入れるのは17時までだから、平等院の近くに行くだけで済ませることにした。











平等院


宇治川
鵜飼の時期
あの日は宇治川の流れが早かったし、ダムからの放水もあった
おそらく実施されなかったんじゃないか。