2015年9月28日

docomoのSIMロック解除。ただし書きに利用価値あり。



ケータイ各社が2015年5月以降にSIMロック解除へ本格的に対応して、念願だったiOS端末でもロック解除ができるようになった。

解除の条件は通信会社らしく横並びなのだが、docomoだけはちょっと違いがある。


2015年5月以降に発売された機種の手続き | お客様サポート | NTTドコモ2015年5月以降に発売された機種の手続き | お客様サポート | NTTドコモ

その違いとは、180日を経過しないと他2社はロック解除に応じないのだが、docomoの場合は例外ルールがある。
ただし、対象回線におけるSIMロック解除実績注意4があり、かつ前回のSIMロック解除受付から6か月以上経過している場合は、端末購入日から6か月経過していない場合でもSIMロック解除の手続きが可能です。
注意4 回線契約期間中に受付したSIMロック解除が対象です。
上記ウェブサイトに掲載されているただし書きを読むと、過去にロックを解除し、そこから6ヶ月を経過していれば、機種を新調してすぐにロックを解除できると書かれている。

このただし書きについて考えていると、中々興味深いことが分かってきた。


ちなみに、過去の解除実績を要求しているので、新規契約とMNP契約の場合は、上記ただし書きを適用できない。ということは、必然的に機種変更の場合に適用されるルールとなる。

docomoがロック解除を受け付ける条件。

素直に考えると、端末が新しくなったのだから、購入から6ヶ月経過後にロック解除するのが妥当なところ。旧端末でロック解除したとしても、それはあくまで旧端末での処理であって、新しく購入した機種にまで旧端末での処理を引き継ぐのは何だか不自然。不自然とは感じるものの、docomoではただし書きでそのように処理しているので、それに対応するのが利用者としての振る舞いだろう。

ただし書きを読んでも、大したことは書いていないように思えるが、新端末を購入してすぐにSIMロックを解除できるとなると、利用者にとって随分と有利な条件だ。

解除してから6ヶ月経過すればいいだけ。1年後にはまた新しいiPhoneが発売されるだろうが、その時には6ヶ月を経過しているだろうから、この場合も即日SIMロックを解除できるわけだ。機種変更に限定されるが。

機種変更で端末を手に入れないといけないので負担が大きいが、ただし書きを適用し続ければ、常にSIMフリー状態で端末を使える。ロック解除から6ヶ月は時間を空ける必要があるものの、iPhoneの販売サイクルは1年なので、新端末を購入して6ヶ月を経過すれば機種変更してすぐにSIMフリー化できる。

ただ、事前に解除実績を作っておかないといけないという手間はあるが、iPhone6Sから解除するには、Androidスマホでの解除実績を作っている必要がある(iPhone5S、5Cはロック解除できないので)。あえてロックを解除して使っている人は少なかったはずだし、まさか今回のようなただし書きが設けられるとは予測できなかったので、機種変更してすぐにロック解除できた人は少ないんじゃないか。アップグレードプログラムなんかよりはずっと有利じゃないだろうか。

月々サポートが付いて、回線契約付きのSIMフリー端末と考えれば悪くない。さらに、金利0%で24回の分割払いができる。ちなみに、Appleローンだと12回払いまでは金利0%だが、それよりも支払い回数を増やすと金利が発生する。また、ロック解除済みとなれば、使用済みのiPhoneをネットオークションなどで売る場合にも価値が少しばかり上昇する可能性がある。

このルールがあるならば、SIMフリーモデルを購入せず、あえてドコモで機種変更をしている方がお得なのかもしれない。私は機種変更でスマホを手に入れるのは好きではないが、ただし書きを利用してiPhoneに機種変更するならば、実質的にSIMフリー端末を購入した場合と同じなので、悪くはない。

一般に機種変更はお得な選択肢ではないものの、購入してすぐにロックを解除できるiPhoneならば機種変更する価値はある。ただ、docomoがこのルールのまま運用するかどうかは分からず、将来時点でただし書きを削除してくる可能性はある。

とはいえ、このただし書きは対SIMフリー端末への仕掛けだとすれば、docomoは良く考えていると思う。アップグレードプログラムなんかよりも、ずっとスマートなロックイン手法だ。SIMフリー + MVNOという組み合わせで使わせないように、購入後すぐにSIMフリー化させ、月々サポート付きの自社回線を使ってもらう。

さらっと書かれたルールだが、奥が深い。