2016年6月19日

データ定額1に毎月割が実質的に適用されたようなもの。iPhone SE イチキュッパキャンペーン




対 Y!mobile用のキャンペーン。


月額1,980円でiPhone SEを使える『iPhone SE イチキュッパキャンペーン』をKDDIが始めた。

スーパーカケホとデータ定額1を組み合わせ、さらに、iPhone SE イチキュッパキャンペーン割り引きとスマートバリューを組み合わせると、通信料金が月額1,980円になるというカラクリ。

1,980円といえば、テレビCMで有名なY!mobileの料金プランと同じだ。ワイモバイルのワンキュッパ割を適用し、スマホプランSを選べば、月額1,980円になる。ただし、ワイモバイルの方は、1年間だけ月額1,000割り引き(2,980 - 1,000 = 1,980円)が付くのに対し、auのiPhone SE イチキュッパキャンペーンは割り引きが2年間継続する。

Y!mobileと正面から勝負するために用意されたキャンペーンと言うべきもので、テレビCMでワンキュッパ、ワンキュッパとアピールしているから、じゃあ、こちらはコレで迎え撃つか、と。


結論を先に書けば、今回のiPhone SE イチキュッパキャンペーンは、「データ定額1に毎月割を適用したようなもの」なので、お得なのは間違いない。

では、Y!mobileと比較しつつ、毎月割が適用されないはずのデータ定額1に「毎月割が適用されたようなもの」とはどういうことか説明していこう。





「Y!mobileの月額1,980円」と「auの月額1,980円」。両者の違いは?



両者の違いは5点ある。

1.割引期間の違い。
2.取り扱っている端末の違い。
3.固定回線の要否の違い。
4.通話プランの違い。
5.毎月の割り引きの有無。


まず、1の割り引き期間の違いは、上で書いた通り、Y!mobileは1年間。auは2年間の割り引きがある。

次に、2の取り扱い端末については、ワイモバイルの方ではiPhone 5Sが販売され、auではiPhone SEがキャンペーンの対象になっている。見た目は両方共よく似ているが、iPhone SEの方が2世代先行しているので、性能はグッと上だ。

3の固定回線だが、Y!mobileは固定回線を契約していなくても割り引きが適用されるが,auの方はスマートバリューが適用される必要があるので、対象となる固定回線の契約が前提となる。

4の通話プランは、どちらも似たようなものと思えるが、少し違いがある。Y!mobileの方は、1回10分の通話を300回まで、基本料金の範囲内となる。一方、auのスーパーカケホは、1回5分の通話が回数制限無しで利用可能。

毎月の割り引きだが、Y!mobileはスマホプランSでも月額割引がある(2016年6月時点で約1,500円)。一方、auの方は、データ定額1を選択すると毎月割が適用されない。そのため、通信料金では1,980円だが、そこに端末代金が上乗せされる(au版のiPhone SE 16GBモデルだと、分割代金は月に2,370円)ので、実際に支払う料金は4,000円を超える場合もある。

機種代金については、下取りを利用する、さらにauのクーポンを使う、さらに販売店独自の割引などもあれば、iPhone SEの本体価格はかなり安くなるはず。



キャンペーンはお得なのか?


iPhone SEを月額1,980円で使えるというのは、通信料金だけで考えれば確かなのだが、そこに端末代金が上乗せされるので、この2つを込みで計算すれば、お得感は微妙なところ。

月に1GBまでしかデータ通信できない点は大丈夫か。スマホ単体でネットを利用しているならば、何とか大丈夫な通信枠だけれども、音楽やビデオ、テザリングを利用するとなると、おそらく足りない。

1回5分の通話については、これはまず大丈夫。仕事で電話を使うならば、ちょっと通話時間が足りないか。

Y!mobileはiPhone5Sで月額1,980円だから、iPhone SEをキャンペーン対象にしているauの方が端末では魅力的。また、半年後にはSIMロックを解除できるので、格安SIMで使うこともできるようになる。この点でも、auのキャンペーンに魅力がある。



データ定額1に毎月割が適用された状態に。


キャンペーンを利用するかどうかは、毎月の割引、毎月割が付かないのをどう考えるかが分岐点になる。2016年6月時点で、iPhone SEには毎月1,920円の割引があるが、データ定額1だとこの割引が適用されない。データ定額3以上を選択すれば、この割引を適用できる。しかし、キャンペーンの条件では、データ定額1を選択しないといけないので、キャンペーンの割引(1,986円)を選択するか、毎月割(1,920円)を選択するか、悩むところ。

ここで、キャンペーンの割引である1,986円を、実質的に毎月割と同じものだと考えれば(割引額もほぼ同じ)、データ定額1に毎月割が付いた場合と変わらなくなる。今回のキャンペーンは、Y!mobileに対抗する意味もあるが、データ定額1のプランに対して実質的に毎月割を適用できるようにしたとも考えられる。データ定額1に毎月割を付けるためのキャンペーンだと言ってもいいぐらい。


「キャンペーンの割引 ≒ データ定額1へ毎月割を適用」と考えれば、今回のiPhone SE イチキュッパキャンペーンはお得と結論すべきだろう。