2016年7月3日

有馬温泉の銀泉と金泉に癒やされる。なべっこに悪戦苦闘。


じゃらん」という旅行サイトに登録していると、時折、何らかのキャンペーンで、ポイントが付与されることがある。先日、2000ポイントがじゃらん用のポイントとして付与されていたので、2000円分のポイントとして使えるので、せっかくだから使うことにした。

とはいえ、2000円だから、何か豪勢な旅行をするには物足りない。じゃらんを検索していると、日帰り温泉というものがあったので、料金も手頃だから、「よし、日帰り温泉に行ってみるか」と決めた。

日帰り温泉といっても色々と種類があり、場所、施設など、選ぶ選択肢は多い。モチャモチャと数十分、ウェブサイトを探して、有馬温泉に決めた。大阪から近いし、電車やバスでもススッと行けそうだったので、有馬温泉へ日帰りで行くことにした。

場所を決めたら、次は移動手段。電車とバス、どちらにするか調べて考えたが、バスのほうが便利そう。電車でも行けるのだけれども、数回の乗り換えがあり、時間も運賃も高いので、大阪から有馬温泉に行くならばバスがいい。

大阪には大阪駅という便利な場所があって、大阪の交通ハブとして活躍している。有り難いことに、大阪駅から有馬温泉への直通バスがJRから出ている。有馬エクスプレスという名前の高速バスで、大阪駅の北側のバスターミナルから乗車できる。

大阪駅の中央北口。この先が大阪駅の高速バスターミナル。


大阪駅は大きくて、人も多いので迷いやすい場所なのだが、高速バスターミナルは駅の北側、梅田のヨドバシカメラの前にある。ヨドバシカメラに行けば、そこからバスターミナルが見えるので、迷いにくいとは思う。

有馬エクスプレスに乗って、初めての有馬温泉。さてはて、どうなったことか。






バスターミナルに到着。

電車と違って、有馬エクスプレスには早期申込の割引がある。通常運賃だと、大阪駅のJR高速バスターミナルから有馬温泉までは1,370円。しかし、乗車日の21日前までに申し込むと早割21というものが適用され、片道820円になる。往復でも1,640円だから、大阪駅から有馬温泉までの距離を考えれば格安だろう。しかも、片道約1時間で到着できるのだから、おそらく電車を乗り継いで行くよりも早いはず。

ちなみに、早割を使うときは、往路と復路を別々にしてチケットを買う必要がある。往復チケットもあるが、こちらは往復割引が適用されて、早割は適用されないので、早割を適用するときは2枚、別々に購入することになる。往復チケットだと2,470円なので、早割を使って往路と復路をバラバラに買ったほう(往復で1,640円になる)が安い。



バスターミナルには電光掲示板があって、何時に、どのバスがどの乗り場から出発するかが一覧で表示されているので分かりやすい。

見やすい電光掲示板。

もしバスターミナルの場所が分からなかったら、ヨドバシカメラまで行けばいい。バスターミナルはヨドバシカメラの目の前だから、ヨドバシカメラを目印にして歩いていけば迷わない。

右手がヨドバシカメラ。左に高速バスターミナル。


乗車口は全部で8つ。降車口は2つある。つい最近完成した東京 新宿にあるバスタ新宿に比べれば、大阪駅の高速バスターミナルはシンプルなもの。自動販売機、バスチケットの自動販売機、あとはコインロッカーに有人窓口でのチケット販売。設備と呼べるのはこの程度。

新宿界隈ほどではないが、大阪駅も色々なバスがハブ地として使っていて、バスの往来は多いけれども、バスタ新宿が登場する前の新宿駅ほど混沌とはしていない。

私が乗るのは9:00出発の有馬エクスプレス105号。当日は土曜日だったが、朝早くでも大阪駅に人は多かった。バスターミナルにも乗り込みを待つお客さんがそれなりにいたが、有馬温泉行きのバスに乗った人は、10人ぐらいだった。40人ぐらいは乗れるバスだったので、土曜日にしては空いている方だったんじゃないか。「有馬温泉ぐらいならいつでも行けるから今じゃなくてもいいでしょ」と考える人も少なくないだろうから、混雑するほどじゃない。

ネット経由でバスのチケットを購入したので、画面に表示されたチケットをPDFファイルとして保存し、それをUSBメモリーに入れて、コンビニのコピー機で予め印刷しておいた。スマホの画面を見せるだけではダメそうなので、面倒だが印刷しておく方がいい。


コンビニでコピーしたところも私のイチオシポイント。印刷するとなるとプリンターが必要だと反射的に考える人もいるだろうが、最近のコンビニはドンドン進化していて、コピー機も例外じゃない。USBメモリーやmicro SD、CDなどのメディアに文書ファイルを保存し、コピー機に入れれば、コンビニで書類を印刷できる。





プリンターを買うにはお金がかかるし、インクが切れるとインク代が、故障すると修理費、場合によっては買い替えもあり得る。プリンターを所有するコストは思っているよりも高くて、過去に1台、プリンターを買ったことがあるが、インク代はかかるし、1年ほどで故障したし、散々だったのでもうプリンターは買わないと決めている。





乗車時に印刷したチケットを見せて、バスに乗る。チケットは降車時に回収されるようになっているので、乗っている間はポケットやカバンにしまっておく。

9時ちょうどにバスは出発。バスは北に向かい、途中で新大阪駅のバス停にも止まったが乗客はいなかったので、すぐに出発した。高速バスだとしばらくバス停で待つように思えるが、乗客がいないと、路線バス並ににサッと出発する。とはいえ、予約制のバスだから、新大阪駅から乗る人がいるかどうかは事前に分かるので、乗ってくる人がいないと分かっているならば、サラッと停車するだけで十分ではある。

新大阪駅を出発した後は途中停車することはなく、有馬温泉まで直行する。この有馬エクスプレス105号は他のバスよりも停車地が少ないので、目的地までは随分と早く到着できる。9時に出発して、有馬温泉のバス停に到着したのが、確か10時ちょっと前、9時55分ぐらいだったか。途中で渋滞もなく、予定時間は1時間5分だったが、10分ほど早く到着できた。

有馬温泉のバス停は太閤橋のすぐ近くにある。ちなみに、太閤橋の太閤は豊臣秀吉のこと。この太閤橋周辺が有馬温泉界隈の中心地で、駅、バス停、コンビニと便利が良い。




バス停の降り場の対向車線側にはバス乗り場があるので、帰りのバスはそこから乗れる。

JRのバス停から有馬温泉駅までは歩いて2分ほどの距離。太閤橋の交差点を渡ればすぐに駅が見える。電話をホテルなり旅館にかければ、マイクロバスで迎えに来てくれるから、バス停から電話をかけてもいいし、駅から電話をかけても良い。私はバス停から歩いて、周辺の景色を見ながら駅に着いた後にホテルに電話をかけてバスに来てもらった。

日帰りで行くことにしたのは有馬グランドホテル。朝の10:30から夕方の15:30まで5時間と長い時間利用できるのが良かったし、有馬温泉といえば有馬グランドホテルというぐらい有名なところだったので、初めて行くならばここで間違いなさそうだと思えたので決めた。


太閤橋からの眺め。ひょうたんのような形が見える。



神戸電鉄有馬線の有馬温泉駅の改札を出ると、小さいバスターミナルがある。バスターミナルと呼ぶほどのものじゃないかもしれないが、マイクロバスが2台止まれるぐらいのスペースがあるぐらいの場所。

電話で「駅の前にいます」と伝えると、この駅前のバスターミナルまでマイクロバスで迎えに来てくれる。Arima Grand Hotelと書かれた茶色とベージュのバスなのでひと目で分かる。小さいバスだけれども座席は広めで乗りやすい。


エンジンをかけて止まっているときに随分と揺れるのが特徴だが、走りだすと揺れは収まる。駅の北側にある道を西へ進んでいく。緩やかな坂道になっていて、道幅は狭め。途中で左に曲がり、そのまま進んで道路に出ると、有馬グランドホテルの看板が見える。

駅からホテルまで2分程度。歩いてホテルまで来てもいいけれども、坂道なので夏場は汗だくになるし、好意で送迎バスを用意してくれているので、利用しない手はない。


JR高速バスのバス停。向こう側が大阪からのバス停。こちら側が帰りのバス停。



入口を入ると、目の前にエスカレーターがある。それに乗って上の階に上がると、左手にフロントがある。日帰り温泉プランもこのフロントで受付してくれるので、予約時の名前を言えば、緑色のチケットを渡してくれる。

このチケットは食事券と入浴券が繋がったもので、このチケットを地下2階の大浴場の受付、さらに9階の展望台浴場の受付で提示すれば、チケットのチェックボックスにチェックを記入してくれる。今回は昼食付きだったので、食事券も入浴券と一緒になって1枚の長細いチケットになっている。

到着したのが10時18分ぐらいだったので、地下2階の大浴場は10時30分から入れるため、フロント前の椅子に座って待っていた。周りを見渡すと、大きなガラス窓の向こうに中庭が見える。芝生やプールもある中庭で、フロント前の出入り口から外に出られる。

プールの水は空っぽ。まだ6月後半だから、プール開きにはちょっと早い。学校の体育の授業ならば、もうプールを開始しているだろうけれども、有馬グランドホテルのプールにはまだ水が張られていない。まだ6月というのもあるが、夏休みやお盆の時期にならないとプールに入る人は来ないから、水が入るのはせいぜい7月後半ぐらいじゃないか。

地下2階から9階までフロアがあるが、なぜか4階フロアがないのが気になる。1階、2階、3階ときて、次は5階。エレベーターでも4階のボタンは無いし、フロア案内のパンフレットでも4階フロアは記載されていない。

4という数字が不吉なのか。でも9階はあるし、うーん、どういう理由で4階フロアが無いのかは分からないが、私にとって有馬グランドホテルの謎の1つになった。

有馬グランドホテルの入り口。


4階の話はさておき、階段を降りて地下2階まで行くと、ひと気が感じられず、シーンとしている。朝の10時30分から温泉に入る人なんてそんなにいないから、人が少ないのは仕方ないか。

浴場の受付でチケットを提示し、チェックを入れてもらったら、タオルを受け取る。ちなみに、ハンドタオルやバスタオルは脱衣所に備え付けられていて自由に使えるようになっている。だからここでタオルを受け取る必要もないのだけれども、まぁ手続きの一環として透明の袋に入ったタオルが手渡される。

受付には歯ブラシと髭剃りもあって、使いたければここから持っていく。大浴場には歯ブラシと髭剃りは備え付けられていないので、必要な人はここで取っておくように。

受付を済ませて通路を進んでいくと、入口がある。靴を入れる場所にはUV殺菌するような薄紫の光があたっていて、そこに靴を入れると殺菌できるらしい。他にも鍵付きの靴ロッカーがあったので、私はそこに靴を入れた。

近所の銭湯と違って、脱衣所は電球色の間接照明が使われ、落ち着いた雰囲気がある。銭湯だと天井の直接照明が煌々と脱衣所を照らしてくるが、地下2階の脱衣所はそんな感じじゃない。ロッカーにはディンプルキータイプの鍵が付いていて、数は60ぐらいあったんじゃないか。

まだ時間は11時前。浴場に入ると、先客はカランのところに3人ほど。湯船に浸かっている人が6人ほどだった。土曜の朝から温泉に入る人なんて限られているし、宿泊客ならば「べつに今入らなくてもいいじゃないか」と朝に温泉には入らず部屋でユックリしているんじゃないか。

地下2階の大浴場には、室内風呂として、金泉、だんだん風呂(内湯)という2つの浴槽がある。だんだん風呂というのは、ひな人形のひな壇のように、2段構造になっているお風呂。ユニークなのは、浴槽の縁の上部分が斜めになっていて、お湯が浴槽イッパイに入っているような外観になるよう設計されている。まぁ、言葉で表現するのは難しいのだけれども、端までお湯が満たされていて、入っていると「温泉の湖」に入っているかのように感じる。どういうものかを知りたい方は、実際に有馬グランドホテルの大浴場に行って経験してみるといい。

地下2階の露天風呂の方には、水風呂、金泉(室内だけでなく露天にもある)、透明のお湯の温泉(立ち湯露天風呂)、この3つの浴槽がある。透明のお湯の方は立って入浴できるようになっていて、腰に負担をかけずに温泉に入れる。

サウナの入り口には、バスタオルと座るときに使うマットが用意されていて、それを取って中に入る。このバスタオルも棚にドッサリと用意されているので、セルフで利用できるようになっている。なお、サウナの温度は84度。

自然に囲まれた場所。


バスタオルは脱衣所に備え付けられていて、セルフで自由に使えるのが良いところ。ハンドタオルもあるので、タオルを持って行く必要は無い。この方式はいいと思った。

部屋に備え付けのタオルを大浴場まで持っていかないといけないホテルもあるけれども、脱衣所にタオルを置いておけば持っていく手間がないし、持ち帰る手間もない。使った後のタオルはボックスに入れておけば洗ってくれる。

他のホテルでも、脱衣所にバスタオルとハンドタオルを用意しておけば、利用者の満足度が上がるはず。手ぶらで大浴場まで行けるので便利。他のホテルでは、客室内にユニットバスがあるので、そこで使うからバスタオルを客室内にも用意しているが、大浴場にもタオルを置いておくと顧客満足度は上がるはず。

お湯の温度は熱すぎず、ヌルくもない。丁度いい湯加減。東京の銭湯は熱くて長湯ができなかったが、なぜあれほど熱いお湯にするのか分からないほど熱かった。それに比べ、有馬グランドホテルの温泉の温度はちょうどいい。39.5度ぐらいがユックリとお湯につかれる温度じゃないか。

さらに付け加えると、水風呂の温度もちょうど良かった。後から入る9階の展望大浴場にある水風呂はちょっと冷たかったが、地下2階の水風呂の温度は冷たすぎないので入りやすかった。

温泉も水風呂も、温度が大事であることに変わりない。温度は入浴者の満足度に直結すると言っても過言じゃないほど大事。

洗い場のカランには、馬油のシャンプーやトリートメント、さらにシェービングフォーム、お茶を使った洗顔フォームまである。コレでもかというほどの準備の良さに、そこらへんの銭湯との違いをハッキリと感じる。

長々とお湯につかって、気づけばもう12時。1時間以上も温泉に入り、サウナに入りと繰り返していたのかと。あまり長く入らなくても、後から9階の展望大浴場にも行くので、ここらへんで出ることに。

ドライヤーが置かれている洗面所の前の床には電気カーペットが敷かれていて、ほんのりと温かい。こんなところにマットが敷かれているのもおもてなし感があるが、さらにその下に電気カーペットが敷かれているのが高級ホテルらしいおもてなし。

備え付けのドライヤーはパナソニック製のイオニティ。洗面所の数は確か7ほどあったか。綿棒、トニック、洗顔フォーム、櫛もあって、至れり尽くせり。ドライヤーがパナソニック製のナノケアじゃないところがやり過ぎ感がなくて良い。ここでドライヤーをナノケアに変えてしまえば、「ここまでおもてなししちゃうの?」というぐらいになるが、まだそこまでじゃないのがちょっとホッとする。


サウナの温度は2つの大浴場で少し異なる。地下2階の大浴場にあるサウナは84度。一方、9階にある展望大浴場のサウナは91度。いちいちサウナの温度まで見ている人は少ないだろうが、9階のサウナの方が少し温度が高い。なぜこのような差があるのかは分からないが、気づいたところなので書いてみた。

サウナは高温タイプばかりなので、もっと低温のサウナ、例えば75度ぐらいのものがあってもいいんじゃないか。地下2階のサウナは75度から78度の低温サウナ(中温サウナか?)にして、9階のサウナは今までどおり高温タイプのサウナにしておく。こうすれば両者に違いが出て、「じゃあ、両方の大浴場に行くか」という気持ちになる。

水風呂は、地下2階の大浴場の方はちょうどいい温度だった。サウナを出たところで入れば気持ち良いぐらい。一方、9階の大浴場にある水風呂は冷たかった。まぁ、水風呂だから冷たいのは当たり前なのだけれども、冷たすぎるのはダメだし、ヌルい水風呂もイヤ。水風呂にも丁度いい温度があるはずなので、地下2階の大浴場ぐらいの温度ならば快適だと感じると思う。


太閤橋。豊臣の家紋が彫られている。



地下2階の大浴場を出たのが12時15分。静かな廊下を通って、昼食を食べるために2階までエレベーターに乗る。この時に「あれ? 4階が無いぞ」と気づいたのだ。エレベーターの操作パネルを見ていると、3階の上は5階になっている。「4階はどうしたんだ? お客さんは入れないフロアなのか? それとも、もともと無いのか」などと色々考えながら2階に到着。

昼食は和食の小懐石。先に出てきたのがノンアルコールのシャンパン。まぁ、お昼だからノンアルコールなのは当然か。とはいえ、お酒を飲まないので、アルコールインのシャンパンを出されても困るから、ノンアルコールのシャンパンは嬉しい。

昔、『シャッセ』という微炭酸の飲料があったけれども、あれと同じ感じの飲み物だった。甘くて微炭酸の飲み物。色は白ワインのような薄い黄金色。

前菜はじゃがいものスープ(ビシソワーズだと思う)、手まり寿司、何かの小鉢など数品。あとは、刺し身に、これまた小鉢で色々と料理が小さい陶器に盛られていて、なんとも上品な感じ。さらに、1人鍋(内容は寄せ鍋)もあり、ブルーの燃料(なべっこという固形燃料)を燃やして熱するタイプ。

鍋を食べた後は、残り汁で雑炊。なべっこが思いのほか長時間燃焼したものだから、途中で火を消すのに苦労した。鍋を熱するときも、燃料の大きさは半分ぐらいで足りたんじゃないか。あまりに長くグツグツするものだから、途中でフーフーと息をかけて強引に火を消したぐらい。

雑炊を作るときには、また新しいなべっこが用意されて、鍋の下に入れられた。確かに、雑炊を作るには火をつけないといけないからなべっこが必要なんだけれども、先に使っていたなべっこが新しいなべっこの隣にあって、新しい方の火が古い方のなべっこに引火し、火力が2倍になるという想定外のハプニングが起こった。

雑炊もグツグツと煮えて出来上がったのに、なべっこは2つ揃って、ダブル火力を発揮している。今度も息をフーフーして火を消そうとしたのだが、なかなかしぶとい火で、息を吹きかける程度では消えない。しょうがないので、割り箸の反対側を使って、なべっこをヒックリ返して消そうと試みた。しかし、火力は弱まったものの、依然として火を放つなべっこ。


これがなべっこ

なべっこの火があんなにシブトイなんて今まで経験したことがない。なべっこは何度も見たことがあるけれども、料理ができあがる頃には火が消えているもの。しかし、今回のなべっこは料理ができても、まだ半分ぐらい燃料が残っていて、「こりゃあ、ちょっと燃料が大きかったんじゃないか?」と思ってしまうほど。

火の始末はそれでいいとして、懐石料理を食べる機会なんてそうそう無いので、珍しさとキレイな盛り付けで、味も申し分なかった。

雑炊の後はデザートとデミコーヒー。メロンと、スイカを四角にカットしたものがデザートだった。典型的なデザートだとシャーベットとかアイスクリームが出るが、フルーツを出してくれるのがやはり良いホテルという感じ。デザートはやはりフルーツがいい。コーヒーは普段飲まないけれども、小さいカップでせっかく出てきたコーヒーだから、苦いものが苦手でも飲むことにした。

さて、昼食を終えたのが午後の1時20分。9階の展望大浴場はすでに入れるようになっているので、すぐにまた温泉に行くかというところだが、ちょっと休憩。せっかく有馬グランドホテルまで来たのだから、ホテルの中を散策してどんな感じなのかを見て回った。

フロントがあるフロアには外に出れば中庭があり、中にはおみやげ店、ゲームセンター、あとは喫茶店もあったように思う。ゲームセンターの前には椅子に座ってテレビを見れる場所もある。有馬温泉駅の周辺にもおみやげ店はあるので、ホテルでおみやげを買ってもいいし、駅の周辺で買うのもいい。

フラフラと休憩していると、午後2時を過ぎたので、じゃあ、そろそろ9階に行こうかと思い、エレベーターで移動。9階に到着すると、大きなガラス窓から外が一望できる。

受付で緑のチケットを渡す。地下2階の大浴場、さらに昼食も済ませたので、緑のチケットはもう必要ないので受付で回収される。ここでも、受付時に透明の袋に入ったタオルが手渡される。





地下2階の大浴場と同じだが、脱衣所にハンドタオルとバスタオルは用意されているので、タオル類は持っていく必要はない。そのため、受付のタオルも、無くてもいいものなのだけれども、タオルを渡さないと不安に感じるお客さんもいるだろうから、渡し続けているのかもしれない。

靴を靴箱(鍵付きの靴箱がある)に入れて、脱衣所に入ると、大きな窓があって明るい。地下2階の脱衣所には窓がないので、間接照明の落ち着いた明るさが特徴だが、9階の脱衣所は外からの光と、窓から見える景色がキレイ。

服を入れるロッカーも地下2階の大浴場と同様に鍵が付いているので安心。ここにもウォータークーラーがあり、その横には紙コップが備え付けられている。直接飲むんじゃなくて、まずは紙コップに入れてから。徹底していると感じる。

大浴場に入ると、大きい室内風呂があり、奥には金泉がある。サウナは入り口を入ってすぐ左にある。敷マットとバスタオルはセルフで用意されている。これは地下2階のサウナと同じ。サウナの温度は91度でちょっと暑め。

カラダを洗うカランは、地下2階の大浴場よりも多く、30箇所ぐらいあったんじゃないか。椅子と桶は木製のもの。シャンプーやトリートメントは馬油を使ったもので、さらにお茶の洗顔フォームもあり、地下2階の大浴場とこれも一緒。

露天の方には、金泉と銀泉が1つずつある。金泉は地下2階にも9階の展望大浴場にもあるが、銀泉は9階の大浴場にある露天風呂に限られる。

銀泉というとすんごい温泉のように感じるが、いわゆるラドン泉。透明のお湯で、下からブクブクと気泡が浮かんでくるもの。金泉と銀泉を入り比べできるのが贅沢だが、私は銀泉の方が入りやすかったように感じる。

金泉は黄土色のお湯で、トローンとした質感。いかにも温泉という感じのお湯で、カラダに効きそうな感じがした。一方、銀泉はサラッとしたお湯で、匂いを嗅ぐと温泉っぽい感じがして、お湯の質感はサッパリ系。金泉をミソラーメン(色もソックリ)だとすると、銀泉は塩ラーメンみたいな感じ。

明るい時間に入ったので、浴室内に自然光がタップリと入って、照明を極力使わず、優しい明るさだった。地下2階の大浴場というと、窓がない密閉感のある浴室を想像するところだが、露天風呂の天井は空へ吹き抜けになっていて、自然光が入るし、風も吹いてくる。天気は小雨で、パラパラと降ってくる雨がお湯の水面に当たり、波紋を広げているところに風情を感じる。

カンカン照りの暑い日ではなく、かといって土砂降りの雨が降っているわけでもない。涼しい風が吹いて、パラリパラリと雨が落ちてくる。そんな日だった。

午前11時前から温泉に入るなんてなかなか経験できることじゃないが、初めての有馬温泉としては、この上ない満足感がある温泉だった。朝から温泉に入る人は少ないのか、私が地下2階の大浴場に行ったときは、入浴している人は8人ぐらいだった。

午後2時過ぎに9階の大浴場に入ったが、ここでも入浴している人は10人ちょっと。明るい時間に温泉に入る人は多くないのか、やっぱりお風呂なり温泉は暗くなってから入りたいのか。まぁ、好みは色々だろう。

有馬温泉界隈には宿泊施設が多くあり、入浴だけの銭湯もあるので、他の場所でも温泉を楽しめるのだが、日帰りプランで有馬グランドホテルに来たのは正解だった。あれだけ広くて、贅沢で、優雅な場所で、悠々と温泉に入れるなんて、他の場所じゃできないだろう。

チェックアウトの時間は15時30分。時間のギリギリまで温泉に入って、温泉から出たのが15時15分。

9階には烏龍茶が飲める機械が置かれていて、ボタンを押すと紙コップがコロンと落ちてきて、それをお茶の出口の下に置き、ボタンを押す。すると烏龍茶がグィーンという音とともに出てくる。ペットボトルで飲む烏龍茶とは違った味だったが、温泉から出た直後に飲むと美味しく感じる。


エレベーターに乗って下に降り、まだ居続けたい気持ちを残しつつ、玄関口へ。ホテルに来るときに乗ってきたマイクロバスは15分おきぐらいにやってくるので、好きなタイミングで乗ると、駅まで送ってくれる。一時停止している時にやたらと揺れるのが特徴なバスで、これは忘れないと思う。

駅までバスで送ってもらい、その時点で時間は15時40分。帰りのバスは16時50分出発だから、まだ1時間ほど時間がある。パラパラだった雨もシッカリと降りだして、折りたたみ傘を取り出した。

この先におみやげ屋がたくさんある。


太閤橋を渡り、有馬御苑を右手に見ながら道を進むと、お土産物屋が立ち並ぶ道がある。緩やかな坂になっていて、傘をさした人が行き交うにはちょっと狭い。

6月25日、梅雨もそろそろ終わりそうな時期で、暑くなる頃合いだが、この日は雨がシトシトと降っていて、ちょっと肌寒いぐらい。いや、温泉に入った後だから、これぐらいが丁度いい涼しさとも感じる。

おみやげ屋が多いのは湯元坂というところ。


温泉街ということもあって、温泉まんじゅうと炭酸せんべいを売っているお店が多い。温泉まんじゅうも炭酸せんべいも、過去に食べたことがあるので、珍しくもなんともないけれども、「せっかく温泉に入りに来たんだし、買っちゃうか」と思い、買う人も少なくないはず。こんなことを書いている私だけれども、おみやげらしきものは何も買わなかった。

「せっかく有馬温泉まで行ったのに何も買わなかったの?」と思うだろうが、だって、大阪から有馬温泉なんていつでも行けるじゃないか。大阪駅からバスで1時間で到着しちゃうんだから、思い出もなにも無い。

おみやげと言うならば、この温泉の記憶なり有馬グランドホテルでの記憶なり、バスの記憶なり、色々とある。モノを買うだけがおみやげじゃない。今回は、思い出や記憶をおみやげにしておくことにする。

帰りのバスを待つ。

ウロウロしてバス停に戻ると、時間は16時30分。バスが来るまでまだ20分ある。朝9時のバスで大阪駅を出発して、16時50分のバスで帰ってくる。大阪から日帰りで有馬温泉に行く方法としては、おそらくベストじゃないか。朝から温泉に入って、お昼を食べて、午後の3時30分までまた温泉。その後は、太閤橋周辺をブラブラして、バスに乗って帰ってくる。何とも充実した日帰り有馬じゃないか。



ノラリクラリと書いていたら、いつの間にか超長文になってしまったので、有馬温泉の話はここまでで終わりにしていく。



日帰りで有馬温泉に行くには旅行パッケージを申し込むのがお得。私が行った有馬グランドホテルの日帰りプランも6,000円程度から用意されているので、初めての人もサクッと行きやすい。




私が申し込んだプランはこれ