2017年6月19日

個人宅に宅配ボックスを置きたくない理由。駅に宅配ボックスを置くという案について。


2017年6月19日から、ヤマト運輸の配達時間が変更になり、

1:「12時~14時」の時間帯は廃止される。
2:「20時~21時」→「19時~21時」に変更される。

さらに、再配達の受付時間が1時間ほど短縮される。

http://www.kuronekoyamato.co.jp/ytc/info/info_170317.html
宅急便のサービス内容の変更について | ヤマト運輸

この程度の変更ならば利用者としては、私は困らない。ただ、配達する荷物は増えているのだから、これに対する何らかの対処策は必要だ。


不在時に配達された荷物を受け取る「配達ボックス」が注目を集めているが、あれを自宅に置くのはなかなか厄介だ。


まず、ボックスを買わないといけないし(1万円ほどかかる)、玄関付近にボックスを置くスペースも必要になる(マンションやアパートだと置き場所が無い)。さらに、ボックスが丸ごと荷物と一緒に盗まれるという可能性もある。

宅配ボックスをポーンと置いておけばそれでいいかというと、事はそう簡単じゃない。


そこで、私が考えるのは、駅に宅配ボックスを置くという方法だ。





駅の改札周辺はスペースが広く取られている傾向があり、その場所に宅配ボックスを置いて運用するわけだ。

現状では、駅には有料ロッカーが置かれているだけなのだが、使われていないボックスも多い。常に満杯にはなっておらず、使われていても数か所程度。あれを宅配ボックスに入れ替えて、運用したらいいのではないか。従来の有料ロッカー数を3割、宅配ボックスの数を7割という風に入れ替える。

ロッカーを改修する作業は必要だが、駅に宅配ボックスがあるのは便利だろう。

個人でボックスを購入しなくてもいいし、駅にボックスがあるので設置スペースを用意する必要はない。さらに、駅からボックスを盗み出すのは困難なので、盗難の心配もない。

24時間開いているとまではいかないが、朝の4時30分頃から夜の24時頃までは駅は開いているので、取りにいけないということにもならない。この点はコンビニと較べても遜色ない。


「コンビニで受け取れば?」という考えもあるが、コンビニだと人が動かないといけないので、コストがかかる。さらに、コンビニだと受け入れる数にも限度がある(店舗のスペースが狭い)。


費用はどうするかというと、宅配ボックスを置くための場所を鉄道会社がレンタルする。さらに、ボックスを設置する費用も鉄道会社が負担する。

じゃあ、鉄道会社はどうやって費用(場所代とボックスを設置、運用する費用)を回収し、収益を得ていくのか。


駅の改札を出た場所に宅配ボックスがあるので、運送会社の配達員はそこに荷物を入れる。荷物を入れるときに、荷物番号や認証コードを設定し、ボックスにそのデータを送る。QRコードでまとめて送信してもいいだろう。設定が終わると扉はロックされる。

お客さんの方は、駅に行き、ボックスの読取機にQRコードをかざす。QRコードは運送会社から送られてくる(メールやアプリ経由で)ので、それを使う。QRコードで認証すれば、扉が開き、荷物を取り出せる。もし不安ならば、追加で暗証番号などを設定する(不在連絡があった後に、利用者側で追加設定する)ようにしてもいい。他にも、マイナンバーカードのICチップを使って本人認証するのも良さそう。


荷物を入れた記録。荷物を取り出した記録。どちらもボックス側には記録されるので、ボックスの使用料金を、運送会社か荷物を受け取ったお客さんのどちらか、もしくは両方から支払ってもらえばいい。

仮に、1回使うと、料金が100円ならば、お客さんが荷物を受け取るときに、QRコードで認証し、その後に100円を投入すると扉が開くようにする(お金を支払う必要があるので、他人が盗み出す可能性が少し減る)。そして、その100円は鉄道会社の収益になる。この収益で、場所代、ボックスの設置・運用の費用を賄っていくわけだ。

個人で宅配ボックスを購入すれば1万円ほどの出費になるし、置く場所や盗難対策もあって、コストはそれなりにかかる。それに比べて、駅の宅配ボックスならば、1回で100円だし、使うときだけしか料金は発生しない。さらに、駅だったら監視カメラもあるだろうから、個人宅の玄関前よりも安全なのは間違いない。また、人が多いので衆人環視による防犯効果も期待できる。

運送会社にボックス代金を負担させる方法もあるが、現状でも収益面で苦しい状態なので、利用者側に1回100円を負担させるのが妥当なところだろう。ただ、再配達を減らせるという便益を運送会社は享受しているので、その点を考えて、運送会社にも1回100円の使用料を請求してもいいとは思う。


1回の使用料がどれぐらいならば、どれぐらいの期間で損益分岐点を超えられるのか。

駅に置くならば、1駅あたり50とか100ぐらいのボックスを用意できるだろうし、複数の駅で合算すれば1,000とか2,000の数になる。数が多ければ規模の経済性を発揮して、1ボックスあたりの費用も少なくなる。となれば、仮に、1ボックス10,000円で設置するとして、1回の使用料として200円(利用者から100円。運送会社から100円)を得られるとすれば、1ボックスを50回使ってもらえれば損益分岐点に到達できる。

50回で壊れる程のシロモノではないだろうから、1回の料金を100円に設定しても、100回使えば、それ以降は利益が貯まっていく。

実際に設置するとなると、ボックスにQRコードの読取機や通信モジュールを入れ込むので、ボックスの設置費用は10,000円よりも高くなるだろうが、実現は十分に可能な案だと思う。


駅に宅配ボックスを置けば、鉄道会社はボックスの賃料収入が入るし、運送会社は再配達が減る。さらに、お客さんはアクセスしやすい駅で荷物を受け取れるし、宅配ボックスにかかる費用も減らせる。