2017年8月18日

使ってみた。air by crazybabyワイヤレスイヤホン。


クラウドファンディングで出資者を募集していたワイヤレスイヤホン、air by crazybaby。2016年の12月頃にファンディング案件としてMakuakeなどでサポーターを募集していた。私がこのイヤホンの存在に気付いたのは、2017年の5月で、すでにクラウドファンディングでの出資も終わっていて、もう参加できない状況だった。

そのため、Amazonで販売が開始されるまで待ち、やっと8月中頃になって購入できた。クラウドファンディングで出資した人も7月、8月に受け取った人が大半のようなので、後から購入しても手にする時期は変わらなかったということか。

5月頃には、すでにケーブルレスのイヤホンはすでにいくつも販売されていて、私も他社のワイヤレスイヤホンを使って、ワイヤレスの便利さを体感していた。

今までのワイヤレスイヤホンというと、スマートフォンなどの端末にはケーブルで接続していないけれども、左右のイヤホンがケーブルで接続されたものが主流だった。

左右が繋がったワイヤレスイヤホン
左右が繋がっているので、本当の意味でのワイヤレスではないけれども、これはこれで良いところがあり手放せない。

ケーブルで左右が連結されているので、左右のペアリングでモタモタすることはない。air by crazybabyのようなTrue Wirelessイヤホンだと、片方をペアリングして、その後にもう片方をペアリングするという手間がかかる。

また、ボリュームボタンが付いているのも良いところ。イヤホン側にボリュームボタンが付いていないと、音量調節が上手くできず、大音量で音が流れて困ることがある。その点、ボリュームボタンが付いているワイヤレスイヤホンの方は安心


さて、air by crazybabyの方はどうかというと。先に結論を書いてしまうと、音は良い。音質には不満は無く、音楽を聴けば、音が立体的で、実際に自分がコンサートホールやライブ会場にいるかのような感覚を覚えるほど。

しかし、スマートフォンなどの端末との接続に関しては残念なところが多い。不安定というか、プツプツと音が途切れやすく、接続周りには不満がある。


では、air by crazybabyの使用感について詳しく書いていこう。






まず、パッケージの内容物は、


  1. air本体(充電用カプセルに入った状態)。
  2. 説明書類(説明書、ステッカーなど)
  3. 充電用ケーブル USB Type-C(長さは200mm。micro USBケーブルではない)。
  4. 黒色イヤーピース(小、中、大、合計3セット)。
  5. 半透明の本体カバー(小、中、大、合計3セット)。


以上5点。

化粧箱はiPhoneの箱のように固い箱に入っていて、外観もよく似ている。

外箱の雰囲気はiPhoneに似ている。

説明書もiPhoneに似たパッケージになっていて、さらにステッカーまで入っている。こういうステッカーはどこに貼るか悩むので、入っていても使わずに終わる。剥がすときに困るため、シールの類が好きではない。

使い道が無いシール。

充電時に使うACアダプターは同梱されていないので、スマートフォンやタブレット、デジタルカメラの充電器を流用する。また、充電用ケーブルは、よく利用されるmicro USBケーブルではなく、リバーシブルタイプのUSB Type-Cケーブルが同梱されている。micro USBケーブルだったら何本もあるが、USB Type-Cケーブルとなると、同梱されていた短いケーブル1本しか持っていない。

同梱のUSB Type-Cケーブル。カプセルに差し込んで充電で使う。

充電器は手持ちのものでOK。



いずれType-Cケーブルが主流になって、手持ちのケーブルも増えるだろうが、今は1本しかないので大事に使わないと。

パッケージ全体(上記の内容物が全て入った状態)の重さは283g。air本体の重さは左右合わせて9g。airが入った状態のカプセルは82g。イヤホン本体は片方で5g弱なので軽い。重いと感じることはなく、付けていても負担感はない。

充電用カプセル。金属製なので少し重みがある。


同梱されている半透明の本体カバーは、本体を保護するだけでなく、イヤーピースも付いている。そのため、このカバーを使う時、黒いイヤーピースは不要なので外す。運動など汗をかく場面でイヤホンを使うならば、この半透明カバーを付けておくといい。小サイズがair本体にジャストサイズで、中サイズと大サイズを取り付けると、カバーと本体の隙間がガバガバな感じなので、付けるならば小サイズがオススメ。中と大は無しにして、小が2個(スペア用を含めて)あれば十分だと私は思う。また、カバーと付けると、電気接点も覆われるので、カバーを付けたままだと充電できない。



電源を入れる時は左側から。


air本体には、左右それぞれにスイッチが1つずつある。ロゴマークの部分がボタンになっていて、そこを長押ししたり、カチッと押したりして操作する。ボタン類はこのスイッチのみで、ボリュームボタンなど他のものはない。

右側であれ、左側であれ、ボタンを長押しすれば電源が入るが、右側から電源を入れるとBluetooth接続できない。「右側だけスイッチをONにすれば、右のイヤホンを単独で使えるんじゃないの?」と思うところだが、右側イヤホンから電源を入れると、全く使い物にならない。Bluetoothペアリングができないし、スマートフォンなどの端末側でもairを認識しない。

ゆえに、airを使いたいときは、まず左側から電源をONにする。これは重要な点で、説明書にもハッキリ書いていないところ。左側イヤホンがメインとなっていて、右側イヤホンは、左側の電源が入り、それが動作していることが前提となっているらしい。ゆえに、右側イヤホンだけだと使いものにならないのだと思われる。

「端末 -(接続)-  左イヤホン -(接続)-  右イヤホン」接続図を書けばこういう形になる。右側は左側を経由して間接的に端末に接続しているので、左側が先に端末へ接続されていないとどうしようもない。

本来ならば、右からであれ左からであれ、どちらから電源を入れても同じように使えるべきだが、そうはなっていないのが残念なところ。





左側だけ使うか。それとも両方使うか。選択肢はこの2つ。




左側から電源を入れると、スマートフォンやタブレットなどの端末側で「Air by crazybaby」という機器名が表示される。ペアリングするには、この機器名を選ぶだけ。パスワードやペアリングコードなどは入力不要。

この手順で左側イヤホンを端末に接続する。左イヤホンだけを使いたい場合は、このまま使用してOK。

左右をペアで使いたい場合は、左側のペアリングが完了した後に、右側の電源を入れる。そうすると、早ければ2-3秒、遅くとも10秒ほどで左右が連動して音が出るようになる。ただ、場合によっては、いつまでも接続されず、どうしようもないときもある。そういうときは、電源を入れ直すと接続できるので試してみて欲しい。

また、過去に左イヤホンを接続したにも関わらず、左側イヤホンの電源を入れても端末と接続できない現象も発生している。そういう場合は、一度、端末とのペアリングを解除して、再度ペアリングすると接続できるようになる。

なお、Bluetoothで接続している機器は「Air by crazybaby」1つだけなので、「Air by crazybaby_R」だとか「Air by crazybaby_L」というように左右で機器名が分離していない。表示されるのは左側イヤホンだけで、機器名も1つというわけ。

操作時には、「Power on」、「Power off」などの人の声は出ない。他社のワイヤレスイヤホンだと、操作時に人間の声が一々うるさいが、このairはシンプルな操作音だけなので好印象。

バッテリーが減り、充電が必要になると、物が落ちるような効果音(「ドゥルルルン」という音)がイヤホンから流れる。効果音を文字で表現するのは難しい、、。ここでも人の声でアナウンスは流れない。

耳に取り付けた感じとしては、耳の窪みにキレイに嵌まる装着感で、動いて外れるという不安感は無い。

左側の電源をオフにすると、自動的に右側もオフになるため、右側イヤホンだけを単独で使うことはできない。左側だけを単独で使うか、左右をセットで使うか、この2通り。

左右がペアで動作している場合は、右側の電源をオフにすると左側も自動でオフになり、左側の電源をオフにすると右側も自動でオフとなる。電源を切るときは左右が連動するので、片方だけを切るというわけにはいかない。

電源を切り忘れた場合は、何も操作せず放置すると、3分ほどで自動で電源がオフになるので安心。



Bluetooth接続する端末は1つに限る。


Bluetooth機能を持った機器は多いが、他の機器でBluetoothをオンにしている状態で、イヤホンの電源をオンにしてしまうと、今使いたい端末に接続せず、他の機器に接続してしまう。

どういうことかというと、例えば、利用しているスマートフォンが2台あって、どちらもBluetoothをオンにしていると、直近で接続していたスマートフォンへ先にイヤホンが接続されてしまう。つまり、接続を他の端末に持って行かれてしまうわけ。

そのため、イヤホンを使わないときは、Bluetooth機能をオフにしておき、使うときだけオンにする方が良い。



カプセルとイヤホンはマグネットでピタッと接着する。


充電については、カプセルにair本体をはめ込んで充電するようになっている。

カプセルとイヤホンの電気接点がマグネットでピタッと接着する仕掛けになっているので、うまく充電できないということはない。

カプセルの窪みにポンとイヤホンを放り込む感じに扱っても、マグネットで吸い付けられるため、充電できてしまう。丁寧に電気接点を合わせて、、などと神経質なことはしなくてもOK。

カプセルを開閉するときは、開け口を少し回してから引き出すようにはなっているものの、どの位置であっても、とにかく引っ張れば開く。開閉用のインジケータがカプセルに印字されているが、意味をなしていないので、無視しても差し支えない。

引っ張って開ける。押し込んで閉める。単純にこれだけで大丈夫。




動作を確認した端末


  • Mac(OS 10.12.6)
  • iPhone6S(iOS 10.3.3)
  • iPad air(iOS 10.3.3)
  • SH-02E(Android OS 4.1.2)
  • ISW11M(Android OS 2.3.4)
  • Amazon Fire TV Stick


上記、6つの端末で動作を確認した。

SH-02Eは2012年11月に発売された古いAndroidスマートフォンで、Android4系でアップデートが終了した端末。このような古いスマートフォンでもairを接続して使える。

また、ISW11Mは2011年10月発売のAndroidスマートフォンで、Android2系だが、こちらでもairを接続して利用可能。

あまり需要はないだろうが、Fire TV Stickでも接続できる。ただし、音量調整ができない(イヤホンにボリュームボタンが無いのが原因。テレビのリモコンやFire TV Stick付属のリモコンなどでは調整できない)ため、超大音量でイヤホンから音が流れる(音が大きいが、音割れしないのは流石)。接続はできるが、実際は使い物にならない。





プツプツと音が途切れやすい



air by crazybaby最大の欠点がコレ。

端末からイヤホンが離れると、プツプツと音が途切れやすくなる。音楽を流したまま、1階から2階へ移動してみたところ、接続が切れることはなかったものの、プツプツと頻繁に音が途切れる。

他社のワイヤレスイヤホンだと10mほど離れても音が途切れないが、airの場合は端末とイヤホンとの間の接続がデリケートなのか、音が途切れやすい。

ワイヤレスだから、離れれば通信が切れやすいのは当然なのだが、他のワイヤレスイヤホンに比べてair by crazybabyは切れやすいと感じる。

また、耳を手のひらで塞ぐだけで音が途切れるのも気になる。イヤホンから音が流れているときに、耳を手で塞ぐようにするとこの現象が発生する。これも他社のワイヤレスイヤホンでも同様に起こるが、起こりやすさという点でair by crazybabyの方が上のように感じる。

端末とイヤホンが近くにあると、音の途切れはほとんど起こらないが、1階と2階のように距離があると、接続の安定感がガクッと落ちる。ここまで離れて使用する機会はあまりないと思われるが、音の途切れやすさを知るにはこういう使い方もしてみる必要がある。

ジッとして動かずに音楽を聴いている場合ならば音は途切れないが、ちょっと体を動かすと、プツン、プツンと切れる場合がある。

音質には満足しているが、音の途切れやすさには不満。

他社製のワイヤレスイヤホンでも上記と似たような症状はある。この点は確かだ。しかし、air by crazybabyの方が音が途切れやすいように感じるのも確かで、特に右側イヤホンは音切れが起こりやすい。

外での利用でも音が途切れやすく、歩いているときでさえ、まともに音が流れるのはメインの左側だけ。右からもたまに音が流れるが、頻繁にプツプツと音が切れるので、外で使えるのは左だけという感じ。


音質には満足している。これは間違いない。音楽を聴いていると、ライブ会場やコンサートホールで聴いているかのように音に立体感がある。音楽を聴くときは、いつもよりもボリュームを大きめにすると、このイヤホンの音の良さが伝わるので、ボリュームをアップして音楽を聴いてみて欲しい。

しかし、接続の安定感がイマイチなのが不満。ここが改良できれば言うことないイヤホンになるが、ここは本当に残念。


air by crazybaby