新型のiPhone8が発表されて、auではピタットプランをiPhoneでも選択できるようになった。
ピタットプランというのは、テレビCMでも宣伝されているが、大雑把に言うと、毎月1,980円でスマホを使えるというもの。他社のテレビCMでも、イチキュッパ(1,980円)とアピールするサービスがあり、それと競った形の料金プラン。
ただ、毎月1,980円という部分だけに意識が向いてしまうと、他の部分に気が回らなくなる。確かに、auのピタットプランは月1,980円で利用できるプランなのだけれども、それ以外の費用も考慮しておかないと、「あれ? 1,980円で使えるんじゃないの?」と期待ハズレな結果になる。
新しく発売されるiPhone8でピタットプランを選べば、どれぐらいお得なのか。はたまたお得ではないのか。この点について考えてみよう。
「1,980円ポッキリ」ではない。
「わー、月額1,980円でスマホが使えるんだ〜!」とコーフンするまえに、まずは冷静に料金なり費用を考えてみましょう。
まずは端末代金から。
iPhone8 64GBモデルの端末価格は91,440円。これを2年間、24回分割で購入すると毎月3,810円となる。さらに、毎月の割り引きである毎月割は、iPhone8の場合、1ヶ月で2,670円。
本体代金と毎月の割り引きを相殺すると考えれば、iPhone8の本体価格は実質で27,360円。
では、料金プランでピタットプランを選ぶと毎月の料金はどうなるか。
1回5分まで定額通話が可能なスーパーカケホと月1GBまでのデータ通信ができるプランで月1,980円になったとしましょう。
確かに、毎月の通信料金は1,980円で間違いないけれども、そこに端末代金が上乗せされることを忘れてはいけない。しかも、ピタットプランを選択すると、毎月の割り引きである毎月割が適用されないため、iPhone8の本体代金、91,440円は別途で支払う必要がある。
そのため、実際に支払う毎月の料金は、1,980円 + 3,810円 = 5,790円となる。
ケータイを契約するときは、機種を購入し、通信契約もセットで締結する場合がほとんどなので、多くの方は毎月1,980円だけでは使えない。
ピタットプランに毎月割が付かないのは、料金が安く設定されているため。毎月の料金を安くする代わりに、割り引きである毎月割は適用されないというわけ。つまり、毎月の通信料金は安くなるけれども、スマホの本体代金は全額自己負担になる。
ここまで読めば、勘の良い人だと気付くはず。従来の料金プランであれ、ピタットプランであれ、両者にさほどの差はないということを。
ピタットプランには毎月の割り引きである毎月割が付かないため、毎月割が適用されない機種、もしくは毎月割の額が少ない無い機種でこのプランを選ぶのが賢明。ちなみに、iPhoneには毎月割が付きますし、その額も多いので、ピタットプランを選択して毎月割を放棄するのはもったいない。
iPhone8を契約し、ピタットプランを選択すれば、毎月の料金は5,790円。
では、ピタットプラン以外のプランを選んで、毎月割が適用される場合はどうか。
スーパーカケホとデータ定額5GBを選択すると、毎月の料金は7,000円。ここに毎月割が2,670円適用され、4,330円。さらに、端末の分割代金が3,810円なので、8,140円となる。また、データ定額5を選択すれば、スマートバリューで1,410円が割り引きされるので、最終的な料金は6,730円。
ピタットプラン(スーパーカケホ + データは1GB)は、毎月5,790円。
従来の料金プランであるスーパーカケホ + データ定額5だと、毎月6,730円。
両者の料金差は、約1,000円。
これを大きいと考えるか、小さいと考えるかは人それぞれだが、データ枠が5倍になって料金差が1,000円ならば、従来プランの方が良いと私は思う。
割り引きが適用される時点を組み替えただけ。
毎月の料金がリーズナブル。その代わりに、スマホの購入代金は利用者が全額負担。これがピタットプラン。
一方、毎月の料金は高めになっている従来プラン。しかし、スマホの購入には割り引き(毎月割)が付く。
どちらを選んでも、2年間のスパンでは誤差程度の差しかないし、要するに割り引き時点を組み替えただけなので、朝三暮四な仕組みとも言える。
ピタットプランではスマホの本体代金は全額自己負担。
毎月支払うiPhone本体の分割代金があるため、実際は毎月1,980円だけの支払いでは足りなくなる。
だから、毎月1,980円ポッキリで使えると思い込むと、想定外の料金に驚くはず。
持ち込み新規契約ならばピタットプランを選んでもいい。
機種購入を伴わない新規契約ならば、ビッグニュースキャンペーン(1年間、毎月1,000円割り引き)が適用される。そのため、SIMフリーのiPhone、他社のiPhoneのSIMロックを解除したものをauショップに持って行って「持ち込み新規で契約したいんですけど」と伝えればいい。
ちなみに、機種変更の場合は機種を購入する必要があるので、持ち込み機種変更ではビッグニュースキャンペーンは適用されない。
このように、持ち込みで新規契約して、ピタットプランを選択すればリーズナブルにiPhoneを利用できる。また、持ち込みであるため、端末代金を支払う必要はない(すでにiPhoneの購入代金を支払い済みと仮定)。
他には、au MNP購入サポートが適用された機種にもピタットプランがオススメ。購入サポートが適用されると毎月割は適用されないので、この場合はピタットプランで毎月の料金を抑えてスマホを使うのが賢明。
毎月1,980円でスマホが使える、と鼻息を荒くするのもいいが、スマホの本体代金がどうなるのかもチャンと把握しておくことをオススメする。