2017年12月24日

賢いのかアホなのか。AmazonのEcho Dotを使ってみた感想。


招待制で購入できるEcho Dotですが、2017年の12月1日に招待メールが来て注文できるようになり、翌日2日に届いたので、実際に使ってみました。







箱の中身は?


内容物は、

1.Echo Dot本体。
2.電源アダプター(出力は9W)。
3.micro USBケーブル(長さ1.5m。スマートフォンやタブレットで使用しているものでも代用可能)。
4.説明書。

以上4点です。

Kindleのときもそうだったが、余計なものが無いスッキリした内容で好印象。




本体の外観、ボタンなど。


本体の重さは163g。スマートフォンとほぼ同じぐらいの重量です。

直径83mm。高さは31mmです。ポケットに入るぐらいの小型サイズです。

本体の裏面はゴム材質のものが使われていて、滑り止めとなっています。

本体の上面がマイク、裏面にスピーカーがあります。

ボタンは4つあり、ボリュームの増減を操作するボタン、マイク機能を遮断するボタン、白丸マークが付いたアクションボタン、これら計4つです。

なお、アクションボタンには突起が付いています。白い部分が少し突き出ていて、指で触ると、これがアクションボタンだと分かります。アクションボタンを押せばEcho Dotを制御できますから、このボタンに凸を付けたのは視覚障がいがある方に嬉しい配慮です。

本体の後ろ側には、micro USBケーブルを挿し込むコネクター、さらに有線イヤホンを挿し込むジャックがあります。



バッテリーは内蔵されていない。


これだけ小さいと、バッテリーが内蔵されていると反射的に思ってしまい、箱から出した直後にアクションボタン(白丸マークが付いたボタン)を長押ししてしまいました。

「あぁ、バッテリーは入っていないんだな」と気付き、電源を供給するケーブルを差し込んで起動させました。

普段からバッテリー内蔵の製品に慣れてしまって、ついEcho Dotにもバッテリーが入っていると考えてしまいました。

付属の電源アダプターは9Wのもので、Fire TV Stickで使われているものと外観が似ていますが、あちらは5Wの電源アダプターです。電源アダプターのサイズもEcho Dot用の方が7mmほど縦幅が大きいです。

ちなみに、iPhoneの電源アダプターは5W、iPadの電源アダプターは12Wです。

では、5Wの電源アダプターだと動かないのかどうか。iPhoneの5W電源アダプターにEcho Dotを接続してみたところ、不安定な挙動を示すことなく動作しました。


また、テレビのUSBコネクターに接続しても使えるのか試してみました(AQUOSテレビ 24インチ LC-24K9に接続)。不安定ながらEcho Dotは起動しますが、「エコー」と呼びかけても、反応が途中で遮断されます。起動しているが、コールを受け付けて処理できない状態になります。

40インチや50インチぐらいの大型テレビになれば、流れる電気の量がもっと増えてEcho Dotが動作するのかもしれませんが、不安定な電流で使用するとEcho Dotが故障する可能性もありますから、テレビのUSB電源を使うのはオススメしません。

なお、PCのUSBコネクターに接続した場合は、Echo Dotは問題なく動作します。また、USBハブ経由でも動作を確認しています。



PCに接続しても本体ストレージは認識されない。


スマートフォンなどのデバイスをケーブル経由でPCに接続すると、中のストレージがデスクトップなどに表示されますが、Echo Dotをmicro USBケーブルでPCに接続しても中身は見えません。

PCから電源を供給するだけの仕様となっています。




起動のための時間は59秒。


本体には電源をON/OFFするためのスイッチはありません。電源ケーブルに接続すると起動し、ケーブルを外すとOFFになります。

電源に接続してから、利用可能になるまでの時間は59秒でした。キリの良いところで、起動に必要な時間は1分と考えてください。

通常通りに動作しているときは青色のランプが点灯し、設定関連の作業をしているときは橙色のランプが点灯します。さらに、マイク機能をオフにしたり、インターネットに接続していない場合は赤色のランプが点灯します。

Wi-Fi回線への接続設定が終わっていると、起動して30秒ほどでネットワークに繋がり始めます。とはいえ、実際にEchoを使うには起動から1分は必要です。





有線イヤホンを繋いで、自分専用のEcho Dotに。


有線イヤホンを繋いで、自分専用のEcho Dotにできないかやってみました。

iPhone用のイヤホン(イヤホンジャックに差し込める古いタイプ)を取り付けてみたところ、Echo Dotからの音声がイヤホンから聞こえるようになります。

Echo Dotを手に持って、トランシーバーのような感じで使うのもアリです。

Alexaのレスポンス音声が自分だけに聞こえますし、コールするときも小さい声で伝えれば、自分専用のEcho Dotとして使えます。

iPhoneのイヤホンには音量ボタンとマイクが付いていますが、このボタンとマイクが機能するのか試したところ、反応しませんでした。イヤホン付属の音量ボタンではEcho Dotの音量を変更できません。さらに、イヤホン側のマイクに「エコー、、、」と呼びかけてもEcho Dotは反応してくれません。




Bluetoothスピーカーや無線イヤホンも接続可能。


Echo Dot本体のスピーカーから出る音の音質は、例えるならばCDラジカセぐらいです。聴いていると懐かしい感じで、海水浴場でラジオを聴いている雰囲気です。クラシカルで、これはこれで味わいがあって好きです。

もっと良い音で聴きたい方は、Bluetooth接続できるイヤホンやスピーカー、ヘッドホンを使うと良いでしょう。本体のスピーカーが貧弱でも、有線もしくは無線で機器を接続できるため、音質への不満はありません。

Echo Dotの設定画面にはBluetooth機器を接続する項目がありますから、そこから好みの出力機器に接続できます。

イヤホンを接続すれば、大きな声で「アレクサ、今日の天気を教えて!」などと言って、恥ずかしい思いをせずに使えます。Echoを紹介するAmazonのビデオみたいに爽やかで活発な使い方を苦手とする方には、イヤホンを付けて使うスタイルをオススメします。





Echo Dot本体はBluetoothスピーカーではない。


ワイヤレススピーカーのような外観ですが、Echo Dotをスピーカーとして使うことはできません。スマートフォンなどのBluetooth設定からはBluetooth機器として認識しませんから、音を出す出力先として指定できません。

Echo Dotはスマートフォンなどと同様にコンピューター本体ですので、スピーカーそのものにはなれません。

先程書いたように、有線イヤホン、Bluetoothスピーカーやヘッドホンなど、外部に音声を出力する機器を接続すれば、そこから音は出ます。しかし、Echo Dotをスマートフォンなどのスピーカーとして使うことはできません。

スマートフォンやPC、タブレットのように、自律的に動作するのがEcho Dotです。そのため、スピーカー専用機にはならないのです。




本体から出る音の音量。イヤホンやスピーカーから出る音の音量。


本体だけで音楽などを聴いた場合、イヤホンやスピーカーを接続して聴いた場合を比較すると、音量が違います。

本体側のスピーカーでは小さい音であっても、イヤホンを接続すると随分と大きい音に変わります。

イヤホン、ヘッドホン、スピーカーなどを接続する際には、予め音量を小さくしておくことをオススメします。




モバイルバッテリーを接続して使う。


モバイルバッテリーから電源を供給してEcho Dotが動くかというと、動きます。

テレビのUSB電源だとまともに動きませんが、モバイルバッテリーだと通常通りに動作します。

Echo Dotにイヤホンを付けて、モバイルバッテリーから電気を取り、スマートフォンのテザリング機能でネットに接続させる。ちょっと準備が面倒くさいですが、これで持ち運びできるEchoになります。



ヒソヒソ声でも反応する。


大きな声で「エコー」と呼ばなくても、普段の会話程度の声量、さらに耳元で囁く程度のヒソヒソ声まで反応します。

人間だと「えっ?」と聞き返すぐらいの小声でもキャッチするものですから、時折怖くなるほどです。

ただ、Echo Dotは気分屋なのか、小声どころか十分に聞こえるだろうと思える声量でコールしても反応しないときがあります。そういうときは、もっと大きい声でコールするか、本体のアクションボタン(白丸マークが付いたボタン)を押すと反応してくれます。




ウェイクワードは4種類。


音声入力を受け付け始めるためのウェイクワードは、初期設定では「Alexa」となっています。他にも、Amazon、Echo、Computerがあります。

私はEchoに設定しています。最も短く楽に発音できるため、これを選んでいます。「エコー」と伸ばさずに、「エコ」でも反応してくれます。

呼び出しを取り消すときは、「エコ」と呼んだ後、「キャンセル」と言えばコールを取り消してくれます。




中国語とスペイン語が無いのにドイツ語があるという不思議。


設定画面から言語を選択できますが、選択肢が何だか不思議です。

日本語は当然としても、他に選択できるのが英語(アメリカ英語、イギリス英語、インド英語、カナダ英語)とドイツ語、この2つだけ。オーストラリア英語も世の中にはありますけれども、Echo Dotでは対応していないのですね。

英語がこれだけバリエーション豊かに揃えられているのも不思議ですが、中国語やスペイン語を入れずにドイツ語を入れているのが不思議というか、もはや謎です。

ちなみに、タイムゾーンは、アジアだけでなく、アフリカ、南極、インド洋、ヨーロッパなど種類が多く用意されています。また、標準時間も20種類ほど用意されています。

設定できる言語は実質3種類しかないのに、タイムゾーンや標準時間はあれだけ選択肢が多いのはアンバランスな感じです。






ニュースを聞く。


「エコー、ニュース」と言えば、NHKのニュースを流してくれます。

流れるのは1時間単位のニュースで、例えば10時30分にニュースをコールすれば、10時のニュースが流れます。

ちなみに、10時2分に「エコー、ニュース」とコールすると、まだニュースが出来上がっていないためか、9時のニュースが流れます。

ニュースが終わると、Echo Dotが天気を伝えてきます。ニュースの後は、Echoに設定された地域(Alexaアプリで確認できます。利用者の居住地が設定されています)の天気がセットで流れるようになっています。

なお、この地域情報は変更可能です。初期設定では、Amazonアカウントの住所情報がそのまま使われています。



2つのサウンド。


タイマーやアラームをセットして、指定の時間が到来すると音が鳴ります。

ちなみに、タイマーは「1分後にタイマーをセットして」と言うとセットできます。一方、アラームは「明日の午前7時30分にアラームをセットして」と言うとセットできます。

この音なのですが、タイマーをセットしたときの音、アラームをセットしたときの音はそれぞれ違います。

まず、タイマーのサウンドは、「シンプルタイマー」というサウンドに固定されていて変更できないようになっています。後日、ソフトウェアアップデートで変更できるようになるかもしれませんが、2017年12月時点では変更できません。

設定にサウンドを変更する項目がありますが、そこで変更できるのはアラームのサウンドです。タイマーのサウンドは1種類に固定されていて変更できないようです。

タイマーと違い、アラームのサウンドは16種類から選択できます。

アラームが鳴ったら、「エコー、とめて」とコールするか、白丸マークが付いたアクションボタンを押すと音が止まります。




とにかく停止させたいとき。


「エコー、とめて」

このワンフレーズで何でも止まります。

音楽もアラームも消して、とにかく無音状態のニュートラルにしたいときは「エコー、止めて」と言えば止まります。

音楽を聴いていたときは、止めた後に、「エコー、曲を再開して」と言うと続きから再生してくれます。なかなか賢いヤツです。




FM802がFM Yame(福岡県の八女)になる。


「エコー、FM802を聴かせて」と言うと、「TuneInでFM Yame」と反応し、TM Yameのラジオを流すんです。

何をどう解釈すれば、FM802(大阪のラジオ。「ハチマルニ」と読む)がFM Yame(福岡 八女のラジオ)に変わるのか、私にはサッパリ分かりません。

ちなみに、FM802は大阪で聴ける放送で、FMラジオの中では最も有名なチャンネルです。

では、「エコー、TuneInでFM Yame」とコールしてみるとどうなるか。「FM トメ というステーションは見つかりませんでした」と答えます。何度聞いても、「FM トメ」という謎の反応をするんです。「ヤメ」と言うと「トメ」と解釈します。FMラジオであるとは認識しているようですが、FM トメと解釈されては、どうしようもありませんね。

こういうトンチンカンな反応を楽しめるのもEcho Dotの良いところです。

妙に気が利く反応をするときがあれば、なぜこの程度のことを聞き分けないのかと思えるときもあります。




Fire TV Stickのリモコンをペアリングできるわけではない。


Alexaアプリの設定画面に、「デバイスのリモコンをペアリング」という項目があります。

Echoにリモコンをペアリングできる機能なのですが、この設定ページを開くと、リモコンの画像が表示され、そのリモコンがFire TV Stickのリモコンとよく似ています。

「なぜFire TV Stickのリモコンをペアリングするんだ?」と思いつつ、よく分からずペアリング作業をしてみたところ、ペアリングできない。

調べてみると、ここでペアリングするリモコンは、Fire TV Stickのリモコンではなくて、Alexaデバイス専用のリモコンとのこと。

設定画面で表示されるリモコンの画像がFire TV Stickのリモコンに似ていて、私以外にも誤解する人がいるんじゃないかと思えるほど。

とはいえ、Fire TV StickのリモコンをEcho Dotにペアリングしてもどうしようもないのですから、冷静に考えればペアリングできないのは当たり前です。

ペアリングできるのは、Echo Dotを含むAlexaデバイス専用のリモコンですので、ご注意ください。特にFire TV Stickを利用中の方は。



目覚ましアラームとして使うには勿体無い。


アラームをセットすれば、目覚まし時計のような使い方もできるのですが、Echo Dot本体をずっと電源に接続しておかないといけません。

電池で動く目覚まし時計よりも何だか電気が勿体無い感じがして、寝ているときはケーブルを抜いて電源を切っています。




楽に使えるSkillは好まれる。


Skill(スキル)とは、スマートフォンでいうところのアプリのようなものです。色々な機能を付加するためにアプリをインストールするように、EchoではSkillという機能というか能力のようなものを後から付け加えると、新しい動作ができるようになるというわけです。


「エコ、ニュース」と言えば、NHKのニュースを流してくれる。
「エコ、ラジオ」と言えば、AmazonのPrimeラジオを流してくれる。
「エコ、天気」と言えば、設定した地域の天気を教えてくれる。

これらの機能は標準搭載されています。このように利用者がラクをできるSkillならば歓迎されるでしょう。

文字を入力する手間を省きたいから音声入力でコントロールしているのであって、面倒さを感じさせると、使っている意味がなくなります。

例えば、航空会社のSkillや出前を注文できるSkill。こちらから細かく音声で指示を出さないといけないとなると、面倒くさく感じます。スマートフォンで入力すればサッと終わるようなことでも、音声で何とかしようとすると時間がかかります。

ワンフレーズで気の利いたことをしてくれると便利です。しかし、アレコレと伝えないと、然るべき結果を返してくれないならば、便利さは感じられません。

細かい指示をしないといけない場面では、やはりPCやスマートフォンを使うほうが早い。