ネット経由で操作できる家電製品。
ザックリいうと、それがIoT(「あいおーてぃー」と読む)。
スマートフォンでプラグのスイッチを入れたり、
切ったりできるのが
『TP-Link WiFi スマートプラグ HS105』
という製品。
今回、実際に製品を入手して使ってみたので、
その使用感を紹介する。
内容物は、
- Wi-Fiプラグ本体。
- かんたん設定ガイド。
- 保証書。
以上3点です。
Wi-Fiプラグ本体の大きさと重さ。
プラグの大きさは、縦が40mm、横が66mm、厚さが37mmです。
重さは83gです。
接続できるのは2.4GHzのアクセスポイントだけ。
Wi-Fi用のアクセスポイントには2.4GHzと5GHzの2種類がありますが、
スマートプラグが接続できるのは2.4GHz帯のアクセスポイントだけです。
なお、対応しているWi-Fi規格は、IEEE 802.11b/g/n です。
多量に通信する機器ではありませんので、
通信速度よりも確実に接続できる2.4GHz帯の方が都合が良いです。
そのため、5GHz帯に接続できなくても支障はありません。
起動してWi-Fiに接続するまでの時間は7秒。
プラグの電源が入って、Wi-Fi回線に接続するまでの時間は、
計測してみたところ、7秒でした。
パソコンを起動すれば、速くても1分ほどかかりますし、
スマートフォンも起動して使用可能になるまでに1分ほどかかります。
それらに比べて、電源を入れてネットワークに接続するまでの時間が7秒というのは、申し分ないほどの速さです。
初期設定は専用アプリから。
「Kasa Smart」というアプリを使用します(以前は「Kasa for Mobile」という名称だった)。
このアプリで初期設定を済ませ、その後、プラグ本体を遠隔操作でコントロールするときもアプリ経由となります。
iOS版ではiPhone用のアプリがあり、iPad用のアプリはありません。
2018年4月時点では。
アプリをインストールした後は、メールアドレスとパスワードを登録してアカウント(TP-Link ID)を作成します。
その後、メールで認証リンクが届きますので、リンクをクリックするとアカウントの作成が完了します。
Wi-Fiプラグを電源コンセントに挿し込むと、スマートフォンのWi-Fi設定画面に、「TP-Link_Smart Plug_E701」と表示されているアクセスポイント(E701の部分は端末ごとに異なる場合があります。私のプラグはE701でした)がありますので、それに接続します。
なお、アクセスポイントに接続するためのパスワードは不要です。
これでスマートフォンとWi-Fiプラグが接続されます。その後は、Kasa for Mobileアプリに戻り、設定を完了します。
設定が終わった後は、他のWi-Fi回線なり、LTEなどのモバイル回線に接続してもOK。
これでスマートフォンからWi-Fiプラグをコントロールできるようになります。
スマートWi-Fiプラグでできること。
- 単純にネットワーク経由でスイッチをON、OFFする。
- スケジュールを設定して、スイッチをコントロールする。
- おでかけモードを設定し、指定時間内でスイッチをランダムにON、OFFする。
- タイマーを使って、指定時間にスイッチをONにするかOFFにする。
できることは大きく分けてこの4つです。
なお、Google HomeやAmazon Echoと組み合わせれば、
さらに他の操作も可能になります。
Google Home Mini チョーク(グーグル ホーム ミニ チョーク)
ちなみに、私はAmazon Echo Dotと組み合わせて使っています。
Kasa Smartアプリの画面にスイッチボタンが表示されていますので、これをタップすれば、任意でプラグをON、OFFできます。スイッチがOFFの時はボタンが灰色に。スイッチがONになるとボタンは緑色になります。
プラグ本体にも電源ボタン(指で押せる)があり、このボタンを押してONとOFFを切り替えることも可能です。
本体の電源ボタンでスイッチを入れて、その後、Kasa Smartアプリ経由でスイッチを切るという操作もできます。もちろん、この逆も問題なく可能です。
4のタイマー機能は、時間と分を指定し、指定した時間に電源をONにするかOFFにするかを選べます。指定時間に電源を入れるだけでなく、切ることも可能です。
コンセントに挿し込んでタイマーダイヤルを回して使う製品がありますが、4のタイマー機能はそれらの製品と同じ性能を発揮します。クーラーや電気毛布、灯油ファンヒーターの電源を切るような使い方ができます。
2のスケジュール機能は、4のタイマーを複数組み合わせられるものです。
例えば、
1.15:08に電源を入れる。
2.15:51に電源を切る。
3.16:10に電源を入れる。
4.17:20に電源を切る。
5.17:44に電源を入れる。
6.18:00に電源を切る。
これら6つのオーダーを1つにまとめてセットできるのがスケジュール機能です。
4のタイマーは1オーダーだけ処理できるものですが、2のスケジュール機能は複数のオーダーをまとめて受け付けてくれます。
3のお出かけモードは、開始時間と終了時間を指定すると、その時間内で、ランダムに電源をON、OFFします。
例えば、
開始時刻を21:00。
終了時刻を5:00。
このようにセットすれば、21時から翌日5時までの8時間の間に、電源をONにしたり、OFFにしたりを自動で繰り返します。
また、電源がONになっている時間、OFFになっている時間もランダムになり、ONが12分、OFFが7分、その後のONが13分というように、Wi-Fiプラグ側で自動で決定されます。
不在中、部屋のフロアランプをランダムで点灯したり消灯することで、人がいると思わせるような使い方ができます。防犯用の機能ですね。
Amazon Echo Dotで操作したとき。
Amazon EchoDot経由でプラグを操作する場合、
Wi-Fiプラグに、例えば「ランプ」という名称付けておく(設定画面から機器の名称を変更できます)と、
「エコー、ランプを点けて」と言えば、
パチンとスイッチが入って、ランプが点灯します。
(ちなみに、私の場合、フロアランプに接続しています)
「エコー、ランプを点けて」
↓
フロアランプが点灯
↓
エコーが「はい」と返事する。
という流れで動きます。
ランプを点灯させた後、エコーが「はい」と返事します。
消灯する場合も、
「エコー、ランプを消して」
↓
フロアランプが消灯
↓
エコーが「はい」と返事する。
という流れになります。
自宅内Wi-Fiだけでなく、外出先からケータイでも操作可能。
Wi-Fi回線が届く自宅内だけでなく、外出先からもスイッチをコントロールできます。
外に出て、ケータイのモバイル回線(4GやLTE)に接続した状態で、Kasa Smartアプリを起動し、スイッチボタンをタップすれば、電源を入れたり切ったりできます。
また、コンビニなどの公衆無線Wi-Fi経由でもプラグを操作できます。
極端な例だと、大阪の自宅にある照明器具の電源を北海道から切るなんてことも問題なくできます。
「壁のコンセント -- スマートWi-Fiプラグ -- 延長電源タップ」
例えば、このように接続しておけば、延長電源タップの方でスイッチを切り忘れても、Wi-Fiプラグの方でスイッチをOFFにできますから、二重に安全です。冬だと、コタツの電源を切り忘れることがありますが、中間にWi-Fiプラグを接続しておけば安心できます。
Kasa Smartアプリの画面を見れば、電源が入っているか、切れているかも見えます。コタツのスイッチが切れているか、エアコンの電源が切れているか、テレビの電源が切れているか、アプリを見れば外出先から一発で分かります。
電気が通っていれば、アプリの電源ボタンが緑色になっています。逆に、電気が切れていれば、電源ボタンは灰色になっています。
アプリの反応は良い。
コントロール用のKasa Smartアプリの操作感は良好です。
自宅内で快適に操作できますし、外出先からケータイ回線を経由しても接続するまで遅く感じることは無いです。
外に出て、自宅のフロアランプをON、OFFしてみましたが、遅延はほとんどなく、自宅内で操作しているのと変わりないです。
差し込み部分がNプラグ。
この製品の残念なところは、ココ。
壁や床のコンセント、または延長コードにスコンと挿し込むだけで使えるのですが、プラグの差し込み部分がN極性に対応したものになっています。
つまり、差し込み部分が右と左で大きさが違います。N極対応の左側が大きく、右側は小さくなっています。
そのため、差し込み先の電源タップやコンセントによっては、取り付けられない場合があります。
コンセントには2種類あり、左の差込口が少し大きくなっているN極対応のものならば取付可能ですが、左右の差込口が同じ大きさになっているものだと取り付けできません。
コンセントの規格は全て同じで1つだけと今まで思っていたのですが、N極対応のものがあると初めて知りました。
購入前に、取り付け箇所のコンセントがどのような形状になっているか、確認してください。
そもそも、N極プラグにする必要があったのかどうか。左右が同じサイズのプラグでは不都合だったのか。この点で疑問が残ります。左右の差込口が同じサイズのプラグの方が汎用性が高いですから、N極プラグではない方が私の好みです。
ここがこの製品に対する唯一の不満点と言っていいところです。
1個使い始めると、もっと使いたくなる。
遠隔操作で電源をON、OFFにするだけの単純なものですが、使っていると便利に感じてきます。
プラグが1つだけしかないと、延長電源タップと組み合わせて使うのですが、もっと細かく電源を制御したい場合は、必要なだけWi-Fiプラグを用意する必要があります。
2018年4月時点では、まだ1つあたりの価格が高いですから、1つ2,000円ぐらいになれば3個なり5個なり数を増やして使いたいです。
LED電球も登場した当初は1個で4,000円ほどの価格でしたが、今では1個500円ぐらいで購入できるようになりました。IoT製品も、2018年の時点ではまだ少し高価ですが、数年経てばリーズナブルなものになるだろうと思います。
スマートWi-Fiプラグを使わず、全ての家電製品の電源プラグにWi-Fi機能が内蔵され、それをスマートフォンで制御(電源のON、OFFを切り替え。スイッチが入っているかどうかの確認など)できるようになれば、さらに便利になるでしょうね。
スマートプラグ HS105