2015年11月4日

秋の嵐山。レンタサイクルに乗るよりもバスがいい。1日500円で乗り放題。


11月というと秋であり、紅葉の時期であるので、そこかしこでモミジを見れるようになる。今日は11月4日、北海道の北部や東部では早くも紅葉シーズンは終了し、雪が降って冬モードに突入している。

関西方面ではこれから紅葉の時期になるのだが、京都の嵐山へモミジを見に行こうと思っている人も多々いるはず。私も今まで7回、紅葉シーズンの嵐山へ行ったが、そろそろ勝手が分かってきた。

1回や2回程度では知ったとは言えないが、7回も行けば、どこでモミジを見るのがいいのか。どうやって移動するのがいいのか。電車を使うか、自転車を使うか、バスを使うか。そういう事情も分かってくる。

自転車で嵐山まで。上桂付近。

初めて嵐山に行ったのは2007年の12月。地下鉄と阪急線を乗り継いで、阪急嵐山駅まで行き、そこから渡月橋、嵐山公園、大河内山荘の前の竹やぶ、トロッコ列車の駅、ここらへんをウロウロしたぐらい。初めてで勝手が分からないので、どうしても渡月橋周辺を散策するだけで終わってしまう。

もちろん、遠くまで行かなくてもモミジは見れるから、立ち止まって首を回すだけでいい。渡月橋の上から見る、紅く染まった嵐山の山肌は確かにキレイだ。写真を撮影するにもいい場所なのだが、人が多いので立ち止まれないし、人が多いと風情も何だか劣る気がする。




だって、紅葉というものは、人がガヤガヤしているお祭りのような環境で味わうものじゃなくて、もっと静かでシーンとした、オトナの雰囲気で味わうものじゃないだろうか。まぁ、10月末の渋谷のようにハロウィーンをお祭りにして楽しむ人がいるぐらいだから、賑やかな場所を好む人には物足りないだろうが、肌寒くて、しんみりとした秋を感じるのが秋の京都だと思う。

嵐山へは電車で行く人が大半だろうが、方法は電車だけではない。自家用車、バス、自転車、徒歩など電車以外の手段でやってくる人もいる。とはいえ、電車で行くのが最も簡単なのだけれども、同じことばかりするんじゃぁ面白くない。

「移動手段に面白さなんて求めていない」と言っているようでは味気ない。別に仕事で嵐山へ行くわけじゃなく、秋の嵐山を感じるために行くわけだから、合理的なことばかり考えていてはいけない。

去年、2014年は、いつもとは趣を変えて、自転車で嵐山まで行くことにした。とはいえ、大阪から嵐山まで自転車で行くわけじゃない。そこまでやったら、もはやトレーニングだ。片道150kmぐらいはあるだろうから、自転車競技部や競輪の選手ならばそういう経路を自転車で走破するだろうが、フツーの人には無理なこと。

自転車で松尾大社まで来た。ここですでに後悔していた。

順序はこうだ。大阪駅から梅田駅に行き、そこから阪急京都線に乗って桂駅まで移動する。「大阪駅と梅田駅は同じなんじゃないの?」と思うところだが、ちょっと違う。2つの駅はほぼ同じ場所にあるものの、JRは大阪駅という名称を使うが、市営地下鉄や阪急線では梅田駅という名称を使う。

とはいえ、大阪駅も梅田駅も場所はほぼ同じなので、あえて使い分ける必要は無いのだけれども、鉄道会社ごとに使い分けがある。

阪急京都線に乗るだけならば梅田駅でなく、地下鉄などから乗り換えてもいいのだけれども、梅田駅は始発駅なので、確実に席に座れる。特急列車で始発駅から席に座れれば、ラクに目的地まで行ける。そのため、あえて梅田駅から阪急京都線に乗るというわけ。

特急列車に乗って悠々と桂駅まで移動して、嵐山へ行く人はここで阪急嵐山線に乗り換えるのだけれども、私は桂駅からレンタサイクルで嵐山まで行くことにした。Google Mapを見れば、阪急京都線 桂駅から嵐山まで大して離れていないように思える。「あぁ、これぐらいならば自転車ですぐに行けそうだ」と地図だけを見て楽観視していたものだから、後で後悔することになる。

大覚寺のモミジ。
地図を見る時は、縮尺や距離をそれなりに把握できるものの、あくまで概算だ。地図を見てフンフンと納得するのと実際に自転車で道を進むのとでは、月とスッポン、ナスとメロンぐらい違いがある。

1日420円で電動自転車を桂駅で借りて、嵐山までレッツゴーと出発した。初めて電動自転車に乗ったが、思っていたよりもラクじゃない。モーターやバッテリーが付いているため、自転車そのものが重く、電動アシストをオンにしていればそれなりにラクに進めるが、オフにすると地獄だ。

パナソニックの電動自転車だったが、何だかクセのある自転車で、思うようにアシストしてくれない。自転車が自動でどれぐらいアシストするかを判定するようになっていて、早く漕ぐとアシストを弱め、ユックリと漕ぐとグッとアシストしてくる。

「こりゃあ、失敗したなぁ、、」と気づくまでさほど時間はかからなかった。普通の自転車じゃなく電動自転車に乗れば、スイスイと目的地の嵐山まで行けるだろうという目算はあったものの、現実は目算通りにはならないもの。

北西に向かって自転車をこぐが、松尾大社あたりでもう何だか嫌になってきた。何で自転車に乗って行こうと思ったのか。自分の浅はかさが恨めしかった。420円を払って、自分で自転車を漕いで、しかも時間もかかる。景色を見ながらという利点はあったものの、あまりに割に合わない選択だった。

もちろん、自転車に乗ったのは気まぐれではなく、渡月橋周辺だけをウロウロするのはもう飽きたので、もっと遠くの方まで行きたかったから。徒歩だと、どうしても嵐山公園、トロッコ列車の駅ぐらいまでしか行かない。

最近まで知らなかった、というか調べなかったのが主な理由なのだが、京都には大阪と同じように市バスが走っていて、嵐山にも市バスが走っている。さらに、1日乗り放題の乗車券が500円で販売されている。ということは、420円で自転車をレンタルして寒くシンドイ思いをしなくても、乗れば運んでくれる便利なバスに500円で乗り放題なのだから、こちらのほうが断然にイイ。

2015年時点で嵐山エリアも均一エリアに含まれており、1日乗車券でバスに乗れる。バスの路線図がゴチャゴチャして見にくいけれども、頭を動かして、どこからどこまで乗るかを調べれば、悪くない選択肢になる。少なくとも、自転車で桂駅から嵐山まで来るような愚かな選択はしなくなるはず。

嵐山駅の前にもレンタサイクルのお店があり、ここで自転車を借りることもできるのだが、ここは観光地なので料金がグッと高くなる。確か1日1,000円ぐらい。バスに500円で乗れるのに、わざわざ高いお金を支払って、労力を費やし、時間を浪費するようなこともない。

嵐山駅前でレンタサイクル。
土日祝日と11月は900円まで料金を引き上げて需要を抑制しているところが上手なところ。いつも同じ料金だと借りたい人が借りれないので、こういう価格調整はキチンと実施するべき。差別だと感じる人もいるだろうが、需要が旺盛であるならば、価格を引き上げるのは当然のこと。

11月は特別料金に。
駅前で自転車を借りれるとしても、やはり自転車ではなくバスの方が賢い。経済的にも、時間的にも、バスのほうが有利なので、移動は徒歩かバスがいい。

乗車券は1日使えるから、嵐山の後に、金閣寺に行くもよし、京都市内に行くもよし、東山や清水寺まで行き紅葉づくしにするのもいい。詳しくは路線図を見てもらうとして、京都の主だったところはほぼカバーできているので、細かく動くならば一日券を使ってバスに乗るのが賢明。

ゴチャゴチャしているが、便利な京都のバス。

大覚寺もバスで行けるので、そこから直指庵まで歩くのもいい。もっと北までバスで行ければいいが、大覚寺よりも北となると、道幅がせまく、畑が広がっているようなところなので、大覚寺が限界だろう。

去年、初めて直指庵まで自転車で行き、中に入ったが、それはもう紅葉の絶景地。ここまで雑誌の取材は来ないのか、メディアで紹介されているのを見たことが無いが、ここは1回来ただけで私のお気に入りになった。

大覚寺の中。

阪急嵐山駅から歩くと、直指庵まではおそらく40分ぐらいかかるだろうが、大覚寺から歩くならば、15分ぐらいだと思う。これぐらいならば身体を温める運動だと思って、歩いて行ってもいい。ちなみに、大覚寺の前はバスターミナルのようになっていて、トイレもある。

直指庵のモミジ。ボリュームが多い。

直指庵。モミジ乱舞。

現状では、嵐山を移動する際にはバスを選択するのがベスト。ただし、11月の土日祝日には交通規制がありバスも少し不便になる。最も混みあうのが渡月橋周辺。特に渡月橋の北から長辻通の混雑がすごい。

11月の土日祝日は交通規制が実施されるものの、公共交通機関であるバスは多少であるが例外扱いしてもらえるが、それでも渡月橋と長辻通はスイスイと通れない。

11月後半は交通規制される。
http://www.pref.kyoto.jp/fukei/kotu/kisei_k/rinji_kisei/documents/sagaho27_2.pdf

できるならば、21-30日まで、土日祝日には行かないように。嵐山の駅前からバスに乗って北へスムーズに行けないので不便。

長辻通は昼過ぎに歩行者天国になって、自転車も押して通るようになる。自転車でスイスイと道を通っていると、歩行者天国だと言われ、押して歩くことになった。東側の通りならば自転車でも通れるので、昼過ぎに長辻通を通りたいときは、東側の通りへ迂回するといい。

今年は、市バスに乗って、嵐山の北の方、清滝まで行く予定。

山奥にある清滝。
さすがにここまで歩ける人はいないだろうし、山の中なので良い感じの紅葉も見れるはず。