2016年7月12日

無料で使える大阪府立図書館のWi-Fi 利用方法と使用感、改善して欲しいところ。


大阪の東大阪と中之島には府立図書館があり、無料で使えるWi-Fiサービスも用意されている。


公衆無線LANというのが正式な名称だが、「無料Wi-Fi」と表現するほうがおそらく馴染みがあり分かりやすいはず。

東大阪の府立中央図書館は4階建てで、いずれの階でも無線のWi-Fiを利用できる。スマホやタブレットも接続できるし、PCでもWi-Fiを使える。

先日、中央図書館に行き、実際に無線LANを使ってきたので、使い方や使用感、改善して欲しい点を紹介する。






使い方は?


この手のサービスを使うときはカウンターで何らかの手続きが必要なんじゃないかと思うだろうが、何の手続きも要らない(ただし、自分で手続を完了できる場合に限る)。

スマホのWi-Fi機能をオンにして、「WLAN-FREESPOT」というアクセスポイントを選ぶ(スマホの画面に自動で表示される)。そうすると、メールアドレスを入力する欄が表示されるので、普段から使っているメールアドレスを入力し送信する。ここで使うメールアドレスはGmailなどのフリーアドレスでもいいし、独自ドメインのメールアドレス、あとは格安SIMなどの業者から用意されたメールアドレスでもいい。

ここで注意があって、ネット接続できる通信機器は最低でも2台必要になる。

どういうことかというと、例えばPCを府立図書館のWi-Fiに接続する場合、PC側でWLAN-FREESPOTに接続し、メールアドレスを入力する。その後にメールが返信されてくるが、そのメールはモバイルネットワークに接続されているスマホなどで受け取る必要がある。

メールアドレスを送信した段階では、PCはまだネットワークに接続していないのでメールを受信できない。そのため、PCとは別途でケータイなどが必要になる。

返信メールには、Wi-Fiに接続するためのIDとPasswordが書かれているので、それをPCの画面上に表示されたフォームに入力して認証する。そうすると、PCがネットワークに接続できるようになる。

しつこく書くが、PC1台だけだと認証手続きを完了できないので、ネットワークに接続できない。もしPCしか持参していない場合は、2階のカウンターで(東大阪の府立中央図書館の場合)IDとPasswordを代行発行してもらえる。

この認証作業は簡単だが、スマホを持っている場合でも、あえてカウンターでアカウントを発行してもらう方が早いかもしれない。

1.Wi-Fiをオンにする。
2.WLAN-FREESPOTに接続する。
3.メールアドレスを送信する。
4.返信メールに記載されたIDとPasswordを画面に入力して認証する。

Wi-Fiを使うまでの手順は上記の通り。




Wi-Fiのスペック。


無線の規格は、IEEE 802.11b/g/n。2.4GHz。
暗号化方式は、WPA-PSK [AES]。
IPアドレス設定方式は、DHCP。
無線ネットワーク名は、WLAN-FREESPOT。
ネットワークキーは、FREESPOT。

スマホでWi-Fiに接続するときはネットワークキーは不要。PCでWi-Fiを利用するときはネットワークキーを入力する必要がある。

通信速度は、感覚では固定回線にWi-Fi経由で接続している場合に近い。ソフトウェアアップデートをやってみたが、1秒あたり10MBぐらいのデータが流れてくるので、アップデートで回線を使っても支障ないぐらいの速さだった。

速めのADSLぐらい。
とある日の午前中に測定してみたところ、12.378Mbpsだった。公衆無線LANとしては上々の速さで、実際に接続して使っていると、コンビニで用意されているWi-Fiよりも速いように感じる。





Wi-Fi機能があれば、何でも接続できる。


図書館の無線LANなので、その場所に合ったふさわしい使い方をしないといけないので、ゲーム機を接続するのはヤメておく方がいい(接続しようと思えばできるだろうが)。

先ほどはPCを無線LANに接続する場合を想定していたが、スマホやタブレットも問題なく接続できる。

iPhoneでもiPadでも、Androidスマホでも、何でもOK。もちろん、MacBookでも接続できるし、Windows10のノートパソコンでも大丈夫だ。

ただし、先ほど説明したとおり、認証作業を済ませるまではネットワークに接続できないので、iPhone1台だけ(他のスマホでも同様)、もしくはPC1台だけでネットに接続したい場合は、2階のカウンターに行ってアカウントを発行してもらうように。

iPhone1台だけだと、メールアドレスを送信するところまではできるのだが、返信メールの内容を確認して、IDとPasswordを入力しようとすると、一度画面を移動しないといけないので、入力用のフォーム画面が消えてしまい、また最初のメールアドレスを入力するところからやり直しになる。

そのため、スマホ1台しか持っていない状況で無線LANに接続したい場合は、カウンターでアカウントを代行発行してもらわないと、いつまでもWi-Fiを使えない。



VPN経由でデータ通信できない。


無線LANを利用する際の注意事項として、「公衆無線LANの特性上、セキュリティは万全ではありません。セキュリティ対策は自分で」と案内されているので、いつもどおりVPNをオンにしてネット接続しようとしたが、ウェブページを読み込んでいる状態がずーっと続き、いつまでもページが表示されない。

VPNのロケーションを日本に変えて接続しても、ウェブページは表示されない。

もしかしてVPN接続経由だとデータが流れないようになっているのかと思い、VPN機能をオフにしてウェブページを読み込んだところ、アッサリと表示された。

公衆無線LANを使うときはVPN経由で接続するのが基本になっているので、これが使えないとなるとちょっと困る。

セキュリティ対策をするように要求しているのに、VPN接続を使えないようにしているのは何だかおかしくないか。Wi-Fiのセキュリティといえば、まずはVPNだし、公営のWi-FiやコンビニのWi-Fiを使うときもVPN接続を使うのが当たり前。

何らかのなりすましで使う可能性を心配しているのか、悪いことに使う人がいるかもしれないと警戒しているのか、理由は分からないが、大阪府立図書館の無線LANを使うときにVPNをオンにしているとデータが流れてこない。

Wi-Fiのセキュリティが万全ではないと理解し、セキュリティ対策を講じるように利用者へ要求しているにもかかわらず、VPN接続でネット接続できないのは何だかヘンな感じ。



VPNに関する部分は改善して欲しいとしても、通信速度はスマホやPCで使うには十分だし、図書館内もスペースが広く取られていてゆったりとしているので長時間の利用でも快適。

ただし、PCを充電するコンセントがあるデスクは数が限られていたはずなので、PCを持ち込む場合は充電を済ませておいたほうがいい。



図書館の利用環境はどんなものか


公営の図書館というと、小さくて狭い、さらにデスクや椅子も少なくて、どうも使いにくい。そういうところが多いが、大阪府立中央図書館は、例えるならばちょっとした大学図書館ぐらいの大きさ。座席数としては、ざっと200人分ぐらいはあるんじゃないだろうか。デスクや椅子の数も多いし、一部のデスクには電源コンセントもあって、PC用の電源として使える(利用ルール上、ゲームの充電はダメ)。

無料でWi-Fiを使えるし、広い。公営の図書館でここまでの規模と設備となると、大阪では他に無いんじゃないか。

ただ、夏時期のエアコンの温度設定は高めで、おそらく28度に設定されている。そのため、男性だとちょっと暑いと感じるので、団扇を持って行くといい(とはいえ、汗をかくほど暑くはないが)。一方、女性ならば、寒くなく丁度いい温度設定なので快適に利用できるはず。