2017年7月14日から受付が開始されるauの格安プラン(なのか?)だが、KDDI側はお得な料金プランとして発表したものの、利用者側としては得なのかどうか。ちょっと考えてみた。
7月に入ってから、auが新料金プランを発表するとの情報が流れていたが、「驚くほどのものではないだろう」と予想していたが、実際の中身を見ると、その予想通りだった。
ただ、契約のしかたによってはお得になるケースも考えられるので、どういう形でこのauピタットプランを利用するか検討してみる。
まず、今回の新プランは2種類ある。
auピタットプラン、auフラットプラン、この2つ。いずれも通話とネットがセットになったプランで、ネットだけ、通話だけというプランとは違う。
まず、ピタットプランから
前者のピタットプランは、まず1回5分の通話が無制限のスーパーカケホがあり、データ通信は最大で20GBまで高速通信が可能なプラン。なお、20GBを超えると低速化する。
データ量に応じて料金が変わり、
1GBまで:月2,980円(スマートバリュー適用時:-500円)
2GBまで:月3,980円(スマートバリュー適用時:-500円)
3GBまで:月4,480円(スマートバリュー適用時:-1,000円)
5GBまで:月5,480円(スマートバリュー適用時:-1,000円)
20GBまで:月6,480円(スマートバリュー適用時:-1,000円)
という5段階で変化する。これはユーザー側で選ぶ必要はなく、実際の使用量に応じて料金が自動で変わる。b-mobileにおかわりSIMというサービスがあるが、あれとほぼ同じだ。
スーパーカケホの月額料金が1,700円なので、その分だけピタットプランから引くと、
1GBまで:月1,280円
2GBまで:月2,280円
3GBまで:月2,780円
5GBまで:月3,780円
20GBまで:月4,780円
という料金になり、これが実質的なデータ料金となる。
ちなみに、レギュラーメニューのデータ定額の料金は以下の通り。
データ定額1:月2,900円
データ定額3:月4,200円
データ定額5:月5,000円
データ定額20:月6,000円
(参考:https://www.au.com/mobile/charge/smartphone/plan/s-kakeho/)
ざっくりと比較すると、ピタットプランだとだいたい毎月1,000円ぐらい安い。
ここまでの情報だと、「おっ! auピタットプランは安いな」と感じてしまうが、まだ判断するのは早い。
なお、通話プランはスーパーカケホ限定ではなく、カケホとシンプル(従量制の通話プラン)も選べる。カケホは月額2,700円、シンプルだと月額1,200円(スーパーカケホのプランとシンプルのプランとの差額から計算)。
次は、フラットプラン
フラットプラン20(スーパーカケホ + データ20GB)とフラットプラン30(スーパーカケホ + データ30GB)、2種類がある。
フラットプラン20:月6,500円(スマートバリュー適用時:5,500円)
フラットプラン30:月8,500円(スマートバリュー適用時:7,500円)
ピタットプランを20GBまで使うと6,480円。フラットプラン20だと6,500円。両者に差はほぼない。毎月の使用量に応じて料金が増減する点を考えれば、ピタットプランの方が良いと思える。
さて、この新プラン、選ぶべきか
ざっくりと見た感じだと、悪くないプランのように思えるし、むしろ今の料金プランよりも安くなりそうに感じる。
では、ここからは気になる点を書いていこう。
毎月割が適用されない。
ピタットプラン、フラットプランを選択すると、毎月の割り引きである毎月割が付かない。例えば、iPhoneを購入すると、だいたい2,700円ぐらいの割り引きが毎月付くのだけれども、これがなくなる。新料金プランで割り引きがあるので、その代わりに毎月割がなくなるというわけだ。この点だけで考えると、毎月割の割り引きが新料金プランの割り引きに変わっただけとも思える。
iPhoneを購入する際には新料金プランを選べない
iPhone 7/iPhone 7 Plus/iPhone 6s/iPhone 6s Plus/iPhone SE/iPhone 6/iPhone 6 Plus/iPhone 5s/iPhone 5c/iPhone 5の購入を伴う新規契約および機種変更時には本プランおよびビッグニュースキャンペーンは対象外です。(料金プラン変更のみの場合はご加入いただけます。)これは、料金プランを説明するページに小さい赤文字で、書かれている内容。iPhoneを購入する際にはピタットプランやフラットプランは選べない。ただし、すでにiPhoneを契約していて料金プランだけを変えるのはOK。
料金プランの変更は可能だが、先程書いたように、この新料金プランに変えると、毎月割がなくなってしまうので、この点は要注意。
持ち込み新規契約ならばキャンペーンが適用される
毎月、1年間、1,000円を割引するビッグニュースキャンペーンだが、機種変更と新規契約(MNPも含む)が対象となる。ただし、機種変更の場合、機種を購入する必要があり、持ち込み機種変更は対象外になる。
一方、新規契約の場合は、機種を購入する場合はもちろん、持ち込み新規契約もキャンペーンの対象となる。
機種変更(注1)・新規契約(他社からお乗りかえ含む)(注2)と同時に「auピタットプラン」もしくは「auフラットプラン」にお申し込みの場合、翌月から1年間ご利用料金から毎月1,000円を割引致します。
注1)機種のご購入を伴わない場合は対象外です。
注2)機種のご購入を伴わない場合も対象です。
ピタットプランを選ぶと終わってしまう割引特典。 https://www.au.com/mobile/charge/basic-charge/application/# |
毎月割が終了してしまうのはもちろん、学割、年末年始のスマバリ増額キャンペーン、のりかえ割など、契約時に適用されたキャンペーンが終了してしまうという副作用があるのでこの点も注意。
フラットプランを選ぶと終了してしまう割引特典。 | https://www.au.com/mobile/charge/basic-charge/application/# |
どういう人にオススメ?
例えば、SIMロックを解除したiPhoneやSIMフリーのiPhoneを、持ち込みで新規契約して、今回の新料金プランとキャンペーンを適用するのが1つの選択肢。
iPhoneを購入する場合は対象外になるが、機種を購入しない持ち込み新規契約ならば今回の新料金プランもキャンペーンも適用できる。
あとは、毎月割が付かない機種を購入する場合にもオススメ。au MNP購入サポートが適用されると毎月割が付かないが、購入サポート対象の機種に今回の新料金プランを適用できるならば、これはお得。
ただし、au MNP購入サポートと今回の新料金プランを併用できない可能性もあるので、この点は注意。
要するに、毎月割や各種キャンペーンなどが適用されない状況でケータイを契約する場合には、今回の新料金プランを選ぶのがオススメ。他方、毎月割が付いて、さらに学割なども適用されるならば、従来の料金プランのままで維持する方が賢明だ。
割引する時点を組み替える施策なので、この割り引きを選ぶならば、その割り引きは無しよ、という朝三暮四な仕組みになっている。