http://www.news24.jp/articles/2015/05/27/07275960.html
27日正午頃、茨城県桜川市の中学校で理科の実験中に硫化水素を発生させた後、生徒2人が気分が悪くなったと訴え病院に運ばれた。
警察などによると、27日正午頃、桜川市の市立岩瀬西中学校で中学2年生のクラスの理科実験の過程で硫化水素が発生し、生徒2人が気分が悪くなったと訴えた。生徒2人は一旦、保健室で休んだ後、病院に救急搬送され血液検査などを受けたが、異常はなかったという。
学校によると、実験はイオウと鉄の混合物から硫化鉄を作るもので、その際に毒性のある硫化水素が発生するため、担当の教師は換気や、実験後は速やかに隣の教室に移動するといった安全対策をとっていたという。
中学校の宇佐美徹校長は、「同じようなことが起こらないよう徹底したい」とコメントしている。
中学校の頃、理科の授業で実験があり、上記の事例と全く同じ実験を経験した。確か、中学2年だったか、硫黄と鉄の粉末を試験管に入れて、それをガスバーナーで加熱し、硫化鉄を生成するというものだった。上記の中学校と条件はまったく同じだ。中学校、2年、理科、硫黄と鉄、硫化水素、おそらく実験の方法も同じだったんじゃないか。
実験授業の前に、実験の手順などが説明されるが、その段階でニオイが発生すると言われていたが、実際に実験で発生したニオイはそれはそれは強烈だった。よく言われるように、腐った玉子の臭いらしく、吐き気がするほどの臭さ。ところで、腐った玉子の臭いを嗅ぐ機会は今まで無く、玉子は調理した後すぐに食べてしまうので、腐った玉子の臭いを実際に鼻で経験したことはないが、それでも「腐った玉子の臭い」と言われて違和感は無かった。
理科室の窓を開けて実験をしたものの、それでも臭くて、窓という窓、ドアというドアの全てを開放して臭いを外に出したのをよく覚えている。あまりにもニオイがキツイものだから、理科室の上の階にある美術室までニオイが達して、美術を担当する先生からクレームが来たほど。
気分が悪くなった人や救急搬送された人はいなかったが、当時は窓を開けていれば大丈夫という程度で、隣の教室に移動するほど大袈裟な対策はしていなかった。昔と今では人の価値観が変わってきて、硫化水素で気分が悪くなったなどと騒ぎになれば、モンスターPTAが学校にやってきて、「どうなってるんですか?」、「そんな危ない実験なんかして、何かあったら誰が責任を取るんですか?」とギャンギャンと言われるのがオチ。
硫黄の粉末と鉄の粉末を加熱して硫化鉄を生成させる実験は、ずーっと昔からあって、私が中学生の頃も同じように硫化水素が発生していた。だから、この実験は特別なものではないし、換気をしていれば危険でもない。この手のトラブルが公になると、すぐに「そういう実験はやらなくてもいいんじゃないか?」、「必ずしも理科の授業でやらなくていいだろう」などとしたり顔で言う人がいるが、学校は普段の生活では経験できないことをやる場所だから、必要かどうかで判断されたら、学校そのものが必要無いと言われかねない。
昔の学校もずいぶんと息苦しい雰囲気だったが、今の学校に比べたらまだまだ自由な方だったのかもしれない。