2016年1月10日

コスモタワー展望台からの眺望。エンジョイエコカードが大活躍。ガランとした超高層ビル。


クリスマスまであと数日の12月19日、クリスマス感が盛り上がってくるちょうど良い時期だが、上からイルミネーションを見てみたかったのと、まだ行ったことがないという理由でWTCの展望台へ行くことにした。

上からクリスマスイルミネーションを見る。
WTCと書くと何だかカッコいい感じだが、今は大阪府の咲州庁舎として使われているビルだ。地上55階、地下3階というトンでもなくゴージャスな建物だが、現地に行くと人は疎らで、ネコに小判どころかアリに小判な雰囲気を感じる。


愛称はコスモタワーなのだけれども、WTCと言われたり、WTCタワーと言われたり、咲洲庁舎と言われたり、名称が色々あるのが特徴。まぁ、どの名称でもモノは同じだから、好きな呼び方で良い。

今回も、例によってエンジョイエコカードを使い、バスと地下鉄を乗り継いでコスモタワーまで行くことにした。土日祝日対応のエンジョイエコカードならば600円。たった600円で大阪の市バスと市営地下鉄が1日乗り放題になる魔法のカード。

魔法のカード。大阪市内を散策するならば必須のアイテム。
バスに1回乗ると210円。地下鉄に4駅ほど乗れば300円ぐらいにはなるだろうから、大阪市内をウロウロするならば、バスと地下鉄が乗り放題になるエンジョイエコカードはとてもお得。もし、大阪に来て観光するならば、エンジョイエコカードは必携アイテムと言っていい。

まずは、大阪市営地下鉄中央線に乗って、コスモスクエア駅まで行く。せっかく乗り放題のカードがあるのに寄り道しないのは勿体無い感じがするが、コスモスクエア駅近くにあるなにわの海の時空館を見ておきたかったので寄り道無しとした。

風が強く、海面が荒れていた。



ここで突如としてなにわの海の時空館が登場したが、なにわの海の時空館が何なのかは検索してみて欲しい。WTCにせよ、なにわの海の時空館にせよ、大阪府と大阪市が創りだした負の遺産だが、今では遺跡のようなものとして扱われている。

何かのお菓子のような形。表面はガラス張り。

2013年には閉館し、開館している時には1度たりとも行ったことが、私が時空館の存在を知ったのが2013年の10月、ちょうど大阪マラソンが開催された日だった。2013年の3月に閉館したので、7ヶ月ほど遅かったわけだ。

その頃はチラッと遠くから外観を見て近くには行かなかったが、今回はすぐ近くまで行って見てやろうと考え、あえてコスモスクエア駅で降りた。

近くに行くと、「これ、どうやって中に入るんだ?」と不思議に思えた。中に入るには橋のようなものが必要だろうが、橋らしきものは無い。さらに言うと、橋を架けていた痕跡も無い。では、どうやって中に入ったのか。

まさか泳いで入ったわけではないし、船を使ったというのも陸地と建物の距離を考えると大袈裟。

近づく手段がない。
考えても分からなかったので、ネットで検索すると、どうやら近くの建物から地下通路を通って建物の中に入る設計らしい。確かに、この近くに半円型の建物があって、時空館と何らかの関連性がありそうだったので、その建物の地下に通路が設けてあり、そこを通るとドームの中に行けるのだろうと想像した。実際に行ったことがないので、どんな地下通路なのかは分からないし、ドームの中も知らないが、今でも写真は残っているので、開館当時の雰囲気ぐらいは感じ取れるかもしれない。

なにわの海の時空館からさらに西側を見る。写っているのは地面ではなく手摺。
ベンチに座って時空館を眺めていると、随分と奇抜な格好をしている人たちが視界に入ってきた。町中で見る人のイデタチとは違って、普段は着ないような服を着た人。髪の色が青色とか灰色のヒトたち。それも1人や2人ではなく複数。

「この辺りで何が起こっているんだ?」初めはなぜああいう格好の人がウロウロしているのか分からなかったが、後で分かったことは、ATCでコスプレイベントが開催されていたということ。

コスプレイベント 「acosta! (アコスタ)」コスプレイベント 「acosta! (アコスタ)」

コスプレというと、反射的にオタクだナンダとネガティブなイメージが付きまとうが、コスプレイベントに参加している人を見ていると、想像しているよりは健全な感じ。コスプレイヤーとカメラマンがペアになって、あちらこちらで撮影している場面に遭遇するが、スマホを四六時中いじくり回しているよりはコスプレの方が健康的な気がする。

ATCというとまたカッコいい感じだが、WTCの兄弟のような建物で、商業施設がイッパイ集まったショッピングモールのような場所である。

時空館の近くにあった木製の船。

時空館に寄って、ATCに入って、結構な寄り道をしているが、本来の目的であるコスモタワーの展望台に行くことは忘れていない。あえて一気に行かないのは、展望台からの景色を考えてのこと。あまり明るい時間に行っても雰囲気がイマイチだろうから、夕方から夜に切り替わるぐらいの時間に行けばいい感じの景色を観れるだろうという計算があった。


展望台へのチケットを購入する際にエンジョイエコカードを提示すると、100円割り引きになり、個人でも団体料金と同じになる。当然だが、当日の日付が入っているエンジョイエコカードを提示する必要があり、何も印字されていないのはダメ。

大人510円のところ、当日に利用しているエンジョイエコカードを受付で提示すると、410円に割引される。ちなみに、エンジョイエコカードにはコスモタワー展望台以外にも割引特典がある。

大阪市交通局|1日乗車券「エンジョイエコカード」等提示割引施設一覧大阪市交通局|1日乗車券「エンジョイエコカード」等提示割引施設一覧

通天閣や梅田スカイビルの展望台、あとはスパワールドなども割引の対象になっている。たった1日では思ったほど色々な場所には行けないけれども、エンジョイエコカードがお得であることは間違いない。

コスモタワー1階の床。見えにくいが、床にLEDライトが埋め込まれている。

床のLEDライトが光る。
床のLEDライトを見たのが16時38分だったので、もうそろそろ展望台に行くにはいい時間だ。12月の中頃だと、17時頃になると空が一気に暗くなってくるので、明るい空から暗い空に切り替わる時間帯に、展望台から外を見てみたかった。

受付を抜けていくと、受付の人がいて、チケットの半分をもいでくれる。チケットもぎりなんてもう映画館でしか経験しないような時代になったが、ここではまだ残っている。

入場券の半分。運営を委託されたアクティオ株式会社の印が押されている。割の文字は、おそらくエンジョイエコカードを使った割り引きになっていることを意味している。

高速エレベーターを降りた先の通路。ここは52階。この先にエスカレーターがある。
高速エレベーターは52階まで。そこからエスカレーターで53階に上がり、さらに53階から展望台フロアまでロングエスカレーターで上がっていく。

展望台フロアは三角形になっていて、全ての方角を見渡せるようにガラス張りで造られている。

下に見えるのがATC。コスプレイベントの会場でもある。さんふらわあフェリーはこの後、九州へ行く。

海遊館の近くにある観覧車も見える。16時55分。

徐々に暗くなってきた。17時5分。展望台フロアには座る場所もある。

一気に暗くなった。17時11分。先ほどの写真からわずか6分程度でここまで暗くなる。

こういう夜景を見ると、展望台に来た価値を感じる。17時11分。

明るさと暗さが交差する時間帯。

柱には方角が印字されているところが親切。写真は東。
展望台フロアの中央部にカフェがあるが、ここの椅子には自由に座れる。何かを注文しないと座ってはいけないという思い込みがあるが、ここのカフェは何も注文しなくても座るだけならばOK。ただし、飲食物の持ち込みはNG。テーブルは10卓ほどあり、椅子はだいたい40ほどあるので、座れないことは無いはず。

フロアにはボックスシートがあるが、まぁカップルのためのシートではあるものの、誰でも座れる。2人分のスペースがあるシートで、予約とかそういう手続きは不要であって、1人で座ってもいい。ただこのシート、若干古いというかボロいというか、年季がはいっている。ウェブサイトの写真では分からないけれども、近くに寄って見れば分かる。

16時45分に展望台に到着し、そこを出たのが18時38分。約2時間弱ほど展望台フロアにいたことになる。来客は少なかったので、ジックリ、ユックリとあの三角形のフロアを合計で4周ぐらい回った。

到着した時間が丁度いいタイミングで、夕方から夜に切り替わる時間帯に展望台フロアにいたので、良い景色を見れた。真っ昼間に来てもいいし、真っ暗になった時間に来ても良いけれども、明るさと暗さの境目を見るにはやはり夕方に来る方が私の好み。

持ち込んだ双眼鏡を使って景色をみていたら、驚くべきことに富田林市にあるPLの塔が見える。コスモタワーから富田林市までは相当な距離があるが、あんなに遠い場所にある塔が見えるとは予想していなかった。せいぜい「あべのハルカスとか通天閣ぐらいは見れるかな」という程度の気持ちだったが、予想以上に遠くまで見れる。

梅田のスカイビルはもちろん、あべのハルカス、緑色の明かりで目立っていた通天閣。PLの塔は空が暗くなると見えなくなったが、明るい時間ならば双眼鏡を使うと見える。周りのビルに阻まれているからか、意外と大阪城は見えなかった。

晴れた日だと淡路島や徳島まで見えるらしいが、いや〜そこまで見れるのかどうか。やや疑問の余地がある。


入居テナントの状況。33のテナントスペースのうち、埋まっているのは7件。大阪府が使っているスペースを除く。ATMが2件入っているので、それも除くと5件。
歯科医院が2件。ローソン。とんかつ屋。弁当屋。この5件が入居テナントだが、33件中5件ということは、入居率は20%を下回っている。

コスモタワーは立派な建物だけれども、なにせ人がいない。当日は土曜日だったのに、本来ならばこの手の施設には人がごった返すところ、1階にいた人はざっと20人ぐらい。展望台フロアにいた人も20人ぐらいだったか。あれだけ大規模な建物に土曜日なのに100人もいないとなると、なかなかキツい感じ。

商業施設は、規模の経済性を発揮すれば人がドンドンと集まるが、そうでない場合は人が加速度的に離れるのが特徴。

シッカリ造られているように思えるが、地震で揺れやすいのが問題になった。いかにもシッカリした造りに見えるが、見た目では分からない。
コスモタワーは耐震工事がされて、確か53階だったか、ビルの模型が展示されていて、ボタンを押すと揺れる仕掛けになっていた。2つの模型ビルがガラスケースに入っていて、ボタンを押すと模型に揺れが伝わる。左の模型が以前のコスモタワーで、右には制震構造で補強したコスモタワーの模型がある。左の模型は波のように揺れて、右の模型は揺れるものの、揺れをうまく吸収するような構造になっていた。

建物の下部にはゴツい梁が根を張っていて、いかにも地震に強そうな外観だけれども、見た目では分からないものだねぇ、、。