2016年3月17日

月300円で解約金不要というのは、解約金を分割払いさせる仕組みだ。



auも「2年縛り」月300円で違約金不要の新プラン、6月導入。ソフトバンクに続き


2年契約でケータイを契約すると、毎月の料金がリーズナブルになるが、一方で、2年時点で自動的に契約が更新され、また新たな2年契約が始まる仕組みになっている。

手続きを失念したり、解約時期を間違うと、2年契約の解除料が必要になる。そのため、「2年を経過したら自由に解約できるようにして欲しい」という要望があり、それに応える形で今回の新プランができたわけだ。

月に300円をプラスすると、25ヶ月目以降は解約金無しで解約できるのが特徴だが、これは契約者にとって有利なものなのかどうか。

更新月の翌月に解約すると解約金が不要になるのが現行の仕組みだが、新しいプランだと確かに25ヶ月目以降は解約金が不要になるものの、毎月の料金に上乗せして分割で解約金を支払っているのと同じだろう。



300円 × 24ヶ月 = 7,200円になる。この7,200円を分割で毎月支払っていくわけだ。

更新月の翌月に解約するなりMNPするなり手続きを済ませれば、この7,200円は0円になる。

もし、自動更新プランを選択した場合でも、契約期間中の解約金は9,500円なので、新プランを選択した方が2,000円ほど支払額は少ない。

契約を自動で更新しないという利点に対して、7,200円の価値を認めるかどうか。この点は利用者よって異なるだろうが、私ならば自動更新プランを選ぶ。更新月の翌月に解約するか乗り換えるだけだから、大した手間ではない。

利用者にとって利点がありそうに思える新プランだが、その実態は、(決まった時期に手続きすれば発生しないはずの)解約金を(確実に)分割払いさせているだけだ。

自ら進んで解約金を支払いたい人は新プランを選ぶといい。とはいえ、新プランを選んだ本人は「これで解約金が要らなくなる」と勘違いするだろうが。

解約金を不要にするための新プランのように思えるが、実際は解約金を分割で支払わせる仕組みになっている。そのため、解約金が不要どころか、必須になる料金プランだと言っていい。

毎月の割り引き、キャンペーン、料金プランなど、通信会社が操作できるパラメーターはたくさんあるので、通信会社にとって不利な環境になればなるほど、そのツケは利用者に回ってくる。今回の新プランもその一例だろう。