ドコモ光は、auスマートバリューに対抗するために用意されたサービスなのだが、未だに「コレだ!」という魅力を感じれないでいる。
自宅の固定回線は光ファイバー接続が当たり前になったし、ケータイもパカパカと開け閉めするフツーのケータイではなくスマホが主流になった。
固定回線とスマホをセットで使うと、スマホの料金が割引になる施策を最初に出してきたのはKDDIのauスマートバリューなのだが、後発ながらドコモ光も登場して、どちらのサービスを使うか悩むところ。
どちらも固定の光ファイバー接続サービスだし、スマホやタブレットとのセット割引もある。auでもdocomoでも、取り扱っているスマホにさほど違いはない。となると、スマートバリューを利用するか、それともドコモ光を利用するか、パッと決めるのは難しい。
そこで、どちらを使えばどれだけおトクなのか。それぞれの良いところ、イマイチなところを考えながら紹介してみよう。
まぁ、先に結論を書いちゃうと、スマートバリューを利用できるならばドコモ光よりもそちらの方がおトク。しかし、スマートバリューを使えないエリアに住んでいる人ならば、第二の選択肢としてドコモ光がオススメ。
では、詳しく書いていこうか。
auスマートバリューは分かりやすい。
固定回線とスマホをセットで使うと割引になるという施策を最初に打ち出したのはKDDI。
2012年3月から開始したセット割引で、当初は税込で1,480円割り引きだった。
スマートバリューの割り引きメニューは3種類しかない。
A. 毎月934円を割り引き。
B. 毎月1,410円を割り引き。
C. 毎月2,000円を割り引き。
この3種類だけ。このシンプルさが重要。
料金が安い小容量プランを選ぶと割り引きが少なくなり(AかBに)、高価な大容量プランを選ぶと割り引きもそれに比例して多くなる(BかCに)という仕組み。
毎月3GB以下のプラン(スマートバリューmineも含む)だと割引はAになるし、5GB以上のプラン(LTEフラットもココに入る)を選べば割引はBになる。さらに、30GB以上のプランを選ぶと割引はCになる。
割引メニューが3つだけというのも良いところなのだが、スマートバリューの最大の長所は1人単位で割り引きがあるところ。つまり、家族が3人いれば3人分の割り引きがあり、4人いれば4人分の割り引きがある。
さらに、ケータイの契約期間を問わずに割引が適用されるのも良いところ。ドコモの場合は、ケータイの契約年数に応じて割引に差をつけているものの、auのスマートバリューは契約月の翌月(スマートバリューのセット割引は、スマホを契約した月の翌月から適用される)からフルで割引される。
一方、ドコモ光の場合は、パケットパックなりシェアパック単位、つまり料金プラン単位での割り引きになる。要するに、auスマートバリューは「人」に割り引きが適用され、ドコモ光は「料金プラン」に割り引きが適用されるというわけ。
料金プランごとに割り引きが設定されているため、料金プランの数だけ割り引きメニューも増える。ドコモの料金プランには、11のパケットパックがあるので、割り引きメニューも11ある。
コレだけメニューが多いと、お得なのかどうか判断しにくい。 |
auスマートバリューの割引は3つ。
ドコモ光の割引は11。
auスマートバリューは契約期間に関わらずフル割引。
ドコモ光のセット割引は契約期間で差がある。
分かりやすさではauスマートバリューの方が勝っている。
1人利用ならばauスマートバリューの方が割り引きが多い。
まずは比較が簡単な1人ユーザーの場合を考えてみよう。
5GBプランを選んだ場合、両社とも月額料金は5,000円なのだが、固定回線とのセット割引の額が違う。
auスマートバリュー: 毎月1,410円を割り引き。
ドコモ光のセット割:毎月800円割り引き。
毎月610円の差があり、スマートバリューの方が割り引きが多い。
また、20GBプランならばどうか。
auスマートバリュー: 毎月1,410円を割り引き。
ドコモ光のセット割:毎月900円割り引き。
こちらでは毎月510円の差がある。
さらに大容量の30GBプランを選んだ場合はどうかというと、
auスマートバリュー: 毎月2,000円を割り引き。
ドコモ光のセット割:毎月1,100円割り引き。
割り引きの差が縮まるのかと思いきや、差が900円まで広がった。
割引額の差で分かるように、ドコモは1人ユーザーに割引が少なく、auの場合は1人ユーザーでも割引がタップリある。
ただ、ドコモにはずっとドコモ割というものがあって、ドコモのケータイを長期で使っている場合には割引が上乗せされる。とはいえ、この長期というのが1年や2年という期間ではなく、最低でも4年、さらに8年以上、10年以上、15年以上と、異様にハードルが高い。
家族が4人いれば、誰かがドコモユーザーであればいい(代表回線を切り替えて、ドコモユーザーのポジションを維持)ので、長期利用も可能と言えば可能だが、それでもハードルは高いと感じる。
1人でスマホを使っているならば、素直にauスマートバリューを利用できる固定回線を選ぶ方が良い。
家族で大容量プランを使うならば、ドコモ光がおトクになる。
1人で使うならばスマートバリューを選ぶべきだが、家族で使うとなると話が変わる。
家族利用を重視しているドコモらしく、一族郎党ひっくるめてドコモのケータイを使わせようとしており、家族が多いほどお得度が増すような設計になっている。
例えば、1人あたり月5GBのデータを使い、4人家族だと想定してみよう。
auの場合、5GBプランは月額5,000円で、4人だから月額料金は20,000円。さらに、スマートバリューの割引が1人あたり1,410円あるので、4人合計で5,640円の割引だ。
月に合計20GBまで使えて、料金は14,360円。これが家族で利用した場合の料金(かけ放題などの料金を除く)になる。
一方、ドコモには20GBのシェアパックはないので、50GBのシェアパックで比較してみる。
シェアパック50の月額料金は16,000円で、ドコモ光によるセット割引が2,500円ある。そのため、月額料金は13,500円になる(3人分のシェアオプション料金500円×3人分を含めると、15,000円)。
家族4人で50GBだから、1人あたり12.5GBまでデータ通信を使える。それで料金は月額13,500円なので、月20GBまで使えるauと比べてお得。
さらに、月に100GBまで使えるシェアパック100ならば、月額料金は25,000円で、セット割引が3,200円なので、実質月額料金は21,800円。
家族4人で分けても、1人あたり月額5,500円で、データ枠は1人あたり25GBもある。
家族全員がドバドバと外出先でネットを使うならば、auスマートバリューよりもドコモ光のセット割引を適用してシェアパック50や100を使ったほうがお得になる。
4人家族で50GBとか100GBとなると余る可能性もあるが、家族数が増えるほど1人あたりの料金は安くなるので、三親等までファミリーグループに入れられるとなると、1グループ7人とか10人も可能なんじゃないか。
シェアパック100を10人で使えば、1人あたり2,180円で、1人あたりのデータ枠は10GB。格安SIMならば、月額2,000円で月6GB程度まで使える(2016年11月時点)ので、格安SIMよりもリーズナブルと言える。
ただ、シェアグループを組んで、データ量が多い人がグループ内にいると、その人がデータ枠を多量に消費し、他のグループ内ユーザーが快適にネットに接続できなくなる可能性がある。そうなると後からスッタモンダするので、その点だけは注意が必要。ドコモの三親等は、曾祖父母からひ孫まで、随分と対象者が広いので、ポンポンと親族を1つのシェアグループに入れていくと、データ枠が足りないなんてこともある。
話が少し逸れるが、グループメンバーのデータ量に上限を設定できる仕組みがあればドコモユーザーは喜ぶんじゃないか。
例えば、シェアパック15ならば、オトーチャンは月2GB、オカーチャンは月3GB、オニーチャンは月6GB、オネーチャンは月4GBという形でユーザー別に上限を設定しておけば、1人でドバドバと使うメンバーがいても他のメンバーは影響を受けない。
親回線のMy docomoアカウントからグループ回線への枠の配分を設定できるようにして、配分を自分で調整できればシェアパックはもっと使いやすくなるはず。
auにも家族でデータ枠をシェアするサービスはあるものの、ドコモのように料金プランを1つにまとめてシェアしていくのではなく、1人ずつ料金プランに加入し、そこからシェアするので、1人あたりの料金はドコモに比べて高くなる。
結論:1人で使うならばauスマートバリュー。複数人の家族で使うならドコモ光。
1人でドコモ光とドコモのスマホを使っても、固定回線のセット割引はあるものの、割引が少なく、思っているよりもリーズナブルな料金にはならない。しかし、家族4人、5人と増えるほど、ドコモ光のお得度が上がっていくので、家族全員がドコモのケータイを使っているならば、自宅のネット回線もドコモ光に変えて、セット割引を狙っていくといい。
しかし、一人暮らしの人や、夫婦やカップル2人暮らしならば、auスマートバリューで割引を適用したほうがお得度が高いので、使うならばauのスマホをオススメする。
少人数ならばauスマートバリュー。大人数の家族ならばドコモ光。ここが分岐点だと思う。
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