旧型のFire TV Stickが発売されたとき、わずか1,980円でプライム会員向けに販売されていたのが記憶に残っていて、「これは安いな」と思いつつ、結局は買わなかった。値段を理由に買うと後で後悔することもあるので、モチャモチャと悩んで、そのまま見送った。
しかし、後から考えて、1,980円だったらお試し感覚で買っても良かったんじゃないかとも思えてきて、ちょっと後悔した。
その後、「もう新型が出るだろう」と思い、セールされても買わずに待っていたが、2年ほど経過してやっと新型のFire TV Stickが登場した。
前回の失敗を繰り返さないように、3月1日に予約して、発売日(4月6日)の午前中に入手し、しばらく使い込んでみたので紹介しよう。
パッケージの中身は、
1.Fire TV Stick本体。
2.リモコン。
3.micro USBケーブル。
4.HDMI延長アダプター。
5.給電用のACアダプター。
6.単4電池 2本。
7.説明書。
以上7点。
箱は随分とコンパクトで、開けると中にミッチリと詰め込まれている。
コンパクトに詰め込み。 |
このリモコンがこれまた便利。 |
短いけど、延長ケーブルも付属。 |
Fire TV Stick本体。 |
ACアダプター。 |
スマホやPCでもプライムビデオを視聴できるが、、、。
プライムビデオを観るだけならば、何もFire TV Stickは要らない。単に観るだけならば。スマホにはプライムビデオアプリがあり、そのアプリを経由して何の問題もなくビデオを視聴できる。また、PCならば、ブラウザー経由でビデオを観れる。
じゃあ、Fire TV Stickは必要ないのかというと、そうでもない。テレビのHDMIコネクターに挿し込んで、テレビでプライムビデオを視聴できるのだけれども、この快適さを知ってしまったら、「あぁ、スマホとは違うな」と実感する。
テレビを観る感覚で、プライムビデオも観れるので、何というか、ラクと表現すべきか。スマホやタブレットでビデオを観ていると、いかにも「ネットビデオを観ている」という感じになる。しかし、テレビ経由だと、地上波テレビを観る感覚で、スッとプライムビデオを観れる。
ちなみに、Fire TV Stickはプライムビデオ専用の装置ではなく、NetflixやHulu、ドコモのdTV、スポーツナビにも対応していて、最近始まったDAZNにも対応済み。さらに、海外のニュースビデオ(FoxやWashington Postなど)も視聴でき、英語の勉強までできる(字幕は無いので本格的)。
本体が立ち上がるのも早く、ACアダプターをコンセントに挿し込んで、10秒程度でビデオを視聴可能になる。
5GHz帯に対応している
Wi-Fiには大きく分けて2つの接続帯域があり、2.4GHzと5GHzがそれ。Wi-Fiというと、2.4GHzで接続するのが今でも大勢であって、5GHz接続は少なめ。
2.4GHzは接続しやすいが、速度がやや遅め。一方、5GHzは2.4GHzに比べて電波が届きにくいが、速度が速め。大雑把だが、両者の違いはこのようになる。
古いWi-Fiルーターを利用していると、2.4GHz接続にしか対応しておらず、5GHzには対応していないものがある。2017年時点で販売されている新しいWi-Fiルーターならば5GHz対応のものが多いだろうが、2007年とか2008年に購入したような古い無線ルーターだと2.4GHzだけ。
もちろん、2.4GHz接続でもFire TV Stickを利用でき、私も主に2.4GHz接続で利用しているのだが、ビデオの再生が止まったりとか、画質が低下したりとか、そういう不具合は無い。
ただ、2.4GHz接続で利用している場合に、BluetoothヘッドホンやイヤホンをFire TV Stickに接続すると、注意書きが画面に表示される。
「Bluetoothステレオヘッドセットを使用すると、2.4GHzのWi-Fiとオーディオの性能が低下する可能性があります。これを防止するためには、Fire TV Stickを5GHzワイヤレスルーターに選択してください」
読んでいると、日本語が少し変に感じるが、実際に画面に表示された内容そのまま。
ちなみに、Fire TV Stickの接続先を2.4GHzから5GHzに変更すると、上記の注意書きは画面に表示されなくなる。
2.4GHz接続でBluetoothヘッドホンを使ったけれども、何か性能が低下したと感じるようなことはなく、支障なくビデオを視聴でき、音声をヘッドホン経由で聞き取れた。まぁ、あえて可能性を書いているだけだから、実際にそうなるとは限らないわけだ。
スピーカーが付いていないPCディスプレイでも視聴可能
テレビに接続して使う場面がメインになるかと思うが、PCディスプレイに接続して使うことも可能。ディスプレイにHDMIコネクターがあれば挿し込んで使える。
ただ、PC用のディスプレイだとスピーカーが付いていないものが多く、付いていたとしても貧弱なスピーカーがオマケ程度に備わっているだけなので満足できる音が出ない。そういう時は、Bluetooth対応のヘッドフォンかイヤホンをFire TV Stickにペアリングすると、ヘッドフォンなりイヤホンから音が出ます。
PC用ディスプレイにヘッドフォンやイヤホンが接続されるのではなく、Fire TV Stickに接続され、そこから音声データがヘッドフォンなりイヤホンに送られてくるので、PCディスプレイでもFire TV Stickを使えるわけ。
言うまでも無いが、テレビと接続する場合(テレビから音が出ないようにしたいとき)であっても、Bluetoothヘッドフォンやイヤホンは使える。
赤外線リモコンではないので、リモコンをテレビに向ける必要なし。
テレビのリモコン操作に慣れきっていると、無意識にリモコンをテレビに向けてしまうが、Fire TV Stickのリモコンはテレビに向ける必要はない。
テレビ用のリモコンは赤外線センサーで制御する仕組みだが、Fire TV Stickのリモコンは電波で接続して制御する仕組みなので、電波が届く範囲ならば操作が可能。
リモコンをポケットに入れたまま操作したり、隣の部屋から操作したり、下の階の部屋や上の階の部屋から操作したりと、リーチが長い。
Fire TVアプリを使うと、さらに快適に操作できる。
付属のリモコンでも満足できる操作は可能だが、Fire TVアプリ(Amazon Fire TV Remote)をインストールすればiPhoneをリモコンとして利用できる。
iPhone 6SでFire TVアプリを操作しているが、付属のリモコンよりもサクサクと操作できるのが良いところ。付属リモコンはカチカチとボタンを押して操作するけれども、アプリのリモコンは指でスラスラと動かせるのでこちらの方が快適。
また、Android版のアプリもあり、こちらもインストールして使用中。AQUOS PHONE ZETA SH-02E(2012年11月に発売されたスマホ。Android OS 4.1.2で動作)でアプリを操作してみたところ、心なしかiOS版のアプリよりも安定しており、リモコンとしてはAndroidスマホの方が上のように感じる。
とはいえ、iOS版、Android版、両方のアプリをしばらく使っていると、「ほぼ同じかな」と感じてきた。
5年ほど前の機種でもアプリを利用できるので、使わなくなったAndroidスマホをFire TV Stickリモコン専用として使うのもいい。古いものをリユースできるのだから悪くない。
文字を入力する、PINコード(セキュリティ用の4桁数字)を入力する、スクロール操作、コンテンツの選択、いずれも付属リモコンよりも早く制御できる。
なお、付属リモコンとFire TVアプリは同時に利用可能。リモコンとアプリが同時にFire TV Stickに接続するので、例えば、リモコンから再生ボタンを押し、アプリ側で早送りするというヘンな使い方もOK。
さらに、アプリでリモコンを増殖させるなんてこともできる。例えば、家族4人で、1人が付属リモコンを使い、残りの3人がスマホアプリを使う。このようにすれば、4人全員がFire TV Stickのリモコンを持っている状態になる。
Fire TVアプリをStick本体にペアリングする際には、画面に表示された数字4桁の認証コード(PIN)をアプリ側で入力する。そのため、Fire TV Stick本体が誰か知らない人に乗っ取られる心配は無い。
また、リモコンアプリを使うときは、Amazonアカウントへのサインインは必要なく、Stickと同じWi-Fi回線に接続すると、スマホとペアリングできる。
リモコンの方が確実に操作できるので、私は付属リモコンの方が好み。アプリは操作せずに時間が経過すると接続が切れ、少しだけ復帰に時間がかかる(数秒程度だが)。付属のリモコンならば常に操作できるという安心感があるので、普段はこちらを利用している。
テレビからのUSB電源でも動く?
テレビによっては、USBケーブルを挿し込む場所が用意されていて、そこから電源を取れるんじゃないかと思うはず。付属のACアダプターでStickに電源を供給するようになっているが、テレビにUSBコネクター(USBケーブルを差し込める部分)があるならば、ACアダプターを使わずにFire TV Stickを利用できる。
動作が早い、画質が良い、本体容量は5.94GB。
本体のストレージ容量は5.94GB(使用可能な領域)。このスペースにアプリをインストールするようになっており、Fire TV Stickの中身は小型のスマホのようなもの。CPUもメモリーも内蔵され、記録用ストレージもあって、無いものと言えばディスプレイぐらい。
アプリのサイズは、千差万別だが、ザッと見た感じで1つあたり平均で60MBぐらいかと思える。空き容量がなくなるほどアプリは豊富ではないし、それほど色々とやることもないので、5.94GBもあれば十分。
第一世代のChromecast(初期版のもの)と比較すると、コンテンツの読み込みの早さは感覚的に3倍ほど違う。Chromecastだとビデオが再生されるまで5秒から7秒ほどかかるが、新型のFire TV Stickだと、再生ボタンを押して2秒ほどで再生が開始されます。
画質はテレビと同じようにキレイ。付属リモコンで操作していると、テレビを観ているのと変わりない感覚で、ネット上のコンテンツを視聴しているということを忘れてしまう。
スマホやタブレットでもプライムビデオを観れるじゃないか、と思う方もいるだろうが、実際にFire TV Stickを使ってみると、体験の中身が違うように感じる。スマホなどで視聴するとネットのビデオを観ている感じになるが、Fire TV Stick経由だとテレビそのものを観ている感覚になる。
サクサク動く 新しいFire TV Stick