2017年4月5日

「適用」と「適応」を使い分けられない人。




人の話を聞いているときや他の人が書いた文章を読んでいると、表現におかしな部分があると気づく。

数年前からだが、「適用」という言葉と「適応」という言葉を使い分け出来ていないと思われる場面にチラホラと遭遇する。

両者は似ているものの、意味は違う言葉なので、「どっちでもいいじゃないか」というわけにはいかない。





まず、適用という言葉から考えると、辞書での定義では、

法律、規則、原理などをあてはめて用いること。用例として、「災害救助法を―する」

と書かれている。


他の用例を挙げれば、キャンペーンを適用する。新しい料金プランを適用する。旧基準を適用する。新規契約者への特典を適用する。というものがある。

ところが、有名な法人のウェブサイトでも、「新料金プランを適応する」というような誤記を見つけるときがある。「4月以降に申し込まれた場合もキャンペーンは適応されます」という間違いもある。



次に、適応の事例。

辞書では、

1.ある状況に合うこと。また,環境に合うように行動のし方や考え方を変えること。用例として、「状況に―する」。
2.生存のために環境に応じて生物体の生理的形態的な特質が変化すること。

と定義されている。


他の用例としては、環境の変化に適応する。状況の変化に適応する。気圧の変化に適応する。雪山のコンディションに適応する。というものがある。

ここまで読むと、「新料金プランを適応する」という表現や、「4月以降に申し込まれた場合もキャンペーンは適応されます」という表現が間違っていると分かる。


そんな細かいことなんて考えず、伝われば何でもいいじゃないかという価値判断もある。確かに、間違った言葉を使ったとしても、意味は伝わるかもしれない。

けれども、やはり言葉の使い方は正しい方が気持ち良い。