2015年1月30日

ドコモ光 固定回線とスマホのセット割。お得なの?



2015年1月29日に決まった、docomoのケータイと光固定回線とのセットサービス。その内容が発表され、セット割引やキャンペーンも告知されたので、調べてみることにした。

まず、何と言っても、スマホと光回線とのセット割引に最も関心が集まっているはず。先行するau スマートバリューに対抗できるのかどうか。docmoユーザーもスマートバリューのようにお得にスマホを使えるのか。ここが最大の関心どころになる。


セットにすればお得なの?


この点が最も人の関心を集めるところ。

料金プランの例は、docomoのウェブサイトを参照していただきたい。

料金プラン | ドコモ光 | NTTドコモ料金プラン | ドコモ光 | NTTドコモ


結論から言うと、あまりお得じゃない。
au スマートバリューの方がお得感があるし、何より仕組みが分かりやすい。



auスマートバリュー | 料金・割引:スマートフォン・携帯電話 | auauスマートバリュー | 料金・割引:スマートフォン・携帯電話 | au


例えば、最も利用者が多いと思われるデータSパックを選択肢、ドコモ光と組み合わせるとどうなるか。

光データSパックというプランを選ぶことになり、データSパックが月額3,500円、ドコモ光が月額5,200円、そして割引が月額500円なので、月額8,200円となる。さらに、ここにカケホーダイの料金が上乗せされるので、月額2,700円が加算される。合計で、月額10,900円になる。

さらに付け加えると、割引の月額500円は1年間のみなので、2年契約の残り1年間は固定回線セットによる割引は無し。

上記の例は1人暮らしで、ドコモ光とスマホのデータSパックを使った場合の計算だが、これをリーズナブルと感じるかどうかは人によって違う。


では、別の例として、家族4人、光シェアパック10を選択した場合はどうなるか。

この場合は、「シェアパック10 + ドコモ光」この組み合わせで、月額14,700円で、割引が月額1,200円なので、実際の月額は13,500円。これを4人で頭割りすると、月額3,375円。ここにカケホーダイの月額2,700円が加算され、1人あたり月額6,075円になる。

家族でまとまってdocomoを使っているならば、確かにそれなりにお得な感じはするが、手の込んだ料金プランの割にはお得感を感じにくい。


一人暮らしならば、固定回線を契約せず、WiMAXやぷららモバイルLTEの定額無制限プランを利用した方が賢明だ。



光スマホ割でカケホーダイが半額に


上記の計算では、カケホーダイの料金はそのままだったが、キャンペーンでカケホーダイの料金も割引の対象になる。契約から1年間、月額1,350円の割引なので、カケホーダイ(月額2,700円)が半額になるということ。

ちなみに、これも1年間のみの割引。

おトク情報 | ドコモ光 | NTTドコモおトク情報 | ドコモ光 | NTTドコモ


以前のブログで、キャンペーンを実施するならば、カケホーダイ料金を無料にするのは無理だろうが、半額ならば可能だろうと書いたが、今回はその通りになっている。

Status 703.: auの新料金プラン 『カケホとデジラ』 キャンペーンが意外とオトク。Status 703.: auの新料金プラン 『カケホとデジラ』 キャンペーンが意外とオトク。

ドコモのキャンペーンページでも、光スマホ割の文字を小さくして「半額でカケホーダイ」とデカデカと表示すればもっとインパクトを与えることができそう。

先ほどの4人家族の例だと、1人あたり月額6,075円だったが、さらに月額1,350円が割引になるので、月額4,725円になる。ただし、1年間だけ。

ケータイの契約期間を2年で設定するのが常態化しているので、割引も分かりやすく2年間にすればいいのだけれども、収益改善のために1年間だけにしたのかもしれない。


固定回線の仕入れ値が分からないので、ドコモ光の収益力が見えにくいが、スマホと固定回線のセット割引と言うには、微妙な感覚を払拭できない内容だ。


ドコモの回線は、去年の夏から判断に変わりなく、カケホーダイのみ契約して使うのが最もお得だと私は思う。



ケイ・オプティコムのeo光への対抗策


キャンペーンの中に、『西日本限定ドコモ光新規工事料値下げ』という施策があり、西日本限定で工事費が4,000円になる。

これは西日本で光接続サービスを提供しているケイ・オプティコムのeo光からの乗り換えを狙っている。西日本ではフレッツ光よりもeo光の方が普及しており、NTTが苦戦している市場なので、西日本限定で施策を設定するのは自然なこと。

確かに工事費の安さはインセンティブにはなるが、ネット回線を開通させるための工事費は無料が当たり前になっており、4,000円ぐらいはdocomoが吸収して、工事費無料と打ち出したほうが効果がある。

eo光とauスマホをセットで使っている西日本のユーザーは、この程度ではスイッチングしない。スマートバリューの仕組みは分かりやすいし、割引の内容もシンプルなので、受け入れられやすい。ドコモ光は、パケットパックだのシェアパックだの種類が多いし、パックごとに割引内容が違うし、割引期間は1年までとなると、ドコモ光にどうしても変えたいという動機が乏しい。



工事費用はどうするの?


ネット契約では、ADSLでも光ファイバーでも工事費無料が当たり前な環境なので、「工事費は無料なんでしょ?」と思っている人も多いはず。

光回線の工事は、私の経験では、2人の作業スタッフが自宅に来て、外の電線から宅内にケーブルを引き込み、さらに部屋の壁を伝ってモデムまで接続する作業だった。時間は1時間程度で、2人のスタッフを使っているから、費用は1万円から2万円程度発生するのが妥当なので、誰かがこの費用を負担しないといけない。

とはいえ、工事費を契約時に利用者へ負担させると、これだけで購入を躊躇う理由になる。フレッツからの転用ならば費用が発生しないようだが、新規の場合や西日本の人は費用が発生する。

初期費用を減らして、サービスを使ってもらってから回収するのが通信サービスの十八番なので、もし契約の途中で解約されたら、解約金で工事費を利用者に負担させればいい。戸建てタイプで解約金は13,000円のようなので、これを30,000円にアップして、工事費を無料にすればいいのでは。



大きな影響はない


docomoが固定回線とセットでスマホを販売すると2014年の2月頃に話題になったが、想像していたよりは大人しい内容で、KDDIもケイ・オプティコムも安心したのではないか。

ドコモ光が実際にサービスインしても、eo光やauスマホを解約してドコモにスイッチする人はさほど多くはないと私は思う。

家族全員でドコモを使っており、自宅の回線はフレッツ。そういう人ならばドコモ光に切り替えるだろうけれども、一人暮らしの人、西日本の人、すでにスマートバリューを使っている人は動かないだろう。



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