2014年10月26日、日曜日、今年も大阪マラソンが開催された。今回で4回目の大会で、橋下徹氏が大阪府知事だった頃、2011年に始まったのが最初。東京マラソンは2007年から始まり、その影響を受けて大阪でもマラソンをやろうと決めて始まったのだと思う。
マラソンは最大でも10kmしか走った経験がないが、42.195kmを走ろうかと思うことは、あったりなかったりだけれども、まだ走ったことはない。だって、延々と走るだけのイベントだし、参加費も必要で、「お金を払って延々と走って疲れる」なんて何だかヘンな感じがする。とはいえ、人がマラソンで走っているのを見ると、「自分も走ってみるかな?」と思わされてしまうのが不思議。
大阪城公園から出発して、南に向かい、鶴橋あたりで西に方向を変え、難波へ向かう。そこから、北へ、西へ、南へと順番に走り、その後はドンドンと南へ向かい、住之江まで到達する。そこからは、西の大阪湾の方へ走り、南港大橋を渡って、ゴールのインテックス大阪へ到着する。
言葉で書くとこんなに短くなっちゃうけれども、実際に走るとなると、なかなか大変だろうと思う。フルマラソンを走ったことは無いけれども、20kmを過ぎた当たりでシンドくなり、30kmを過ぎると、何だか意識が朦朧としてくる。そんな感じじゃないかと想像する。
大阪マラソン当日の御堂筋。 |
コースが大阪市内で縦横無尽に設定されているので、走らずに観る方はアチラコチラへと移動することになる。御堂筋などメインコースでずっとランナーを観続けるならば、移動もほとんど無いだろうけれども、あっちで観て、こっちで観てという感じでウロウロしたい私のようなタイプだと、地下鉄やバスを使って移動する必要がある。
大阪には便利なチケットがあって、エンジョイエコカードというフリーパスがある。エンジョイエコカードとは、大阪市が運営する地下鉄とバス、あとニュートラムという近代的な乗り物が乗り放題になるカードで、これを使うと、土曜と日曜、祝日は600円で終日乗り放題になる。
大阪市営地下鉄に乗ると分かるが、地下鉄は運賃が私鉄よりも高めで、3駅程度を移動するだけで240円ほど必要になる。JRや私鉄だともっと長距離を移動してもリーズナブルで、大阪近辺だと、京阪電鉄の運賃の安さは驚くべきもの。大阪の京橋から京都の三条まで移動しても、確か390円だった記憶がある。片道で45分ぐらいかかる距離だけれども、それほどの長距離でも390円で済むのだから、地下鉄との運賃差は相当なもの。
これがエンジョイエコカード。材質はテレホンカードと同じ。クニャクニャしている。 |
地下鉄だけでなく、バスとニュートラムも乗れるので、上手に組み合わせれば相当にお得。大阪市営バスは距離に関係なく、1回乗ると大人は210円。ちょっと地下鉄に乗って、バスに1回乗れば、これだけで600円を超えるだろうから、エンジョイエコカードはどう転んでもお得だ。
大阪マラソン当日は、バスで京橋まで行き、そこから地下鉄で心斎橋へ、そこからマラソンを見ながら難波まで移動し、そこからは四つ橋線に乗って、住之江公園駅から南港ポートタウン線で中ふ頭駅まで移動。
難波駅近くの御堂筋。 |
住之江公園から中ふ頭駅まではニュートラムという乗り物だが、これは珍しい無人運転の乗り物で、移動中は乗客だけが乗っており、運転席には誰もいない。何だか危なっかしい感じがするけれども、実際に乗ってみると普通の電車と変わらない。車内はちょっと狭くて、東京モノレールや大阪モノレールの車両と似ている。私の経験上、「モノレール=狭い」というのがイメージとして固まっていて、ニュートラムもそれと同じ。
第4回 大阪マラソン2014の旗。 |
無人運転だけれども、その代わりなのかどうかは不明だけれども、駅のホームには駅員がたくさんいて、中ふ頭駅の小さいホームには4人の駅員がいた。ゴールのインテックス大阪の最寄り駅だから、13時頃になると人がたくさん来るので、駅員も多かったのかもしれないが、私が到着したのは11時20分頃だったので、まだ人は少なかった。
南海なんば駅。よく晴れていたので、マラソンには良い日だった。 |
インテックス大阪に到着したのが11時24分、もうこの時間だとトップのランナーはすでにゴールしている。9時にスタートだから、2時間ちょっとでゴールする計算だと、11時過ぎにはトップのランナーがゴールのインテックス大阪に走り込んでくる。
トップランナーをゴール地点で見ようと思い難波から地下鉄を乗り継いできたが、到着したのが11時20分なので、すでに遅しだった。19位とか、26位とか、上位のランナーがインテックス大阪の大型モニターに映しだされ、フルマラソンを3時間以内にゴールするマラソンを得意とする人たちが続々とゴールしていた。
インテックス大阪の大型モニター。パイプ椅子に座ってモニターを見ることも可能。13時からここで表彰式がある。 |
ランナーが一生懸命走っているのに、自分は地下鉄でピューッとゴールまで行けるものだから、何だかちょっとした罪悪感があった。出発地点が大阪城の森ノ宮駅近くなので、ここから地下鉄中央線に乗ってコスモスクエア駅まで行くと、もうインテックス大阪まで到着する。わずか40分程度でスタートからゴールまで行けるのだから、走っている人に申し訳ない感じがしないわけがない。
大阪市営地下鉄は大阪の主要地点を網羅していて、東から西、北から南へ、ここに行きたいという場所を結んでいる。心斎橋や難波はもちろん、梅田や京橋も地下鉄で行ける。他にも、動物園やハルカスで知られる天王寺や阿倍野にも地下鉄の駅があり、大阪市内を移動するならば地下鉄が最も便利じゃないかと感じる。
WTC前のコース。ゴールまであと220m。大阪市内よりも広々としていて、ゆっくりとマラソンを見れる。 |
クルマで移動することもできるが、大阪の市内は週末だけでなく平日でも混雑していて、クルマだと移動時間のブレが大きくなる。大阪マラソン当日も、地下鉄だけでなくバスも使えるけれども、国道1号線の混雑で予定の2倍ほどの時間がかかる。
地下鉄は主要地点をザックリと繋ぎ、バスは地下鉄網から漏れた場所を拾う感じで経路が設定されている。円。バスは距離に関係なく、大人は210円。子供は110円。だから、なるべく遠くまで乗ったほうが得ではあるけれども、1系統あたりの運転距離はさほどではないので、長い時間バスに乗っていることはあまりない。
バスに乗った後に地下鉄。地下鉄を降りて、歩いた後にまたバス。こんな感じで地下鉄とバスを好きに乗っていけるのがエンジョイエコカードのいいところ。10月26日当日は、まずバスに乗って、その後に地下鉄に乗り、そのあと地下鉄を乗り換え、ニュートラムに乗り、その後また地下鉄に乗り、次はバスに乗り、また地下鉄に乗った。
通常運賃ならば、おそらく2,500円ぐらい必要になりそうだけれども、エンジョイエコカードならば600円。これはもう火を見るより明らかにお得。バスに乗れば乗るほど、地下鉄に乗れば乗るほど、お得感が得られるので、何らか無理に乗った感じもあるけれども、乗れるものは乗っておけ。そんな大阪人の感覚だった。
コスモスクエア駅の裏にある海浜公園。なかなかの穴場で、人が少ないのでお気に入りの場所。 |
インテックス大阪は展示場として使われる場所で、広い展示部屋が10個ほどあるが、大阪マラソン当日は展示というと、ケイ・オプティコムのeoブース、あとは屋台が30店ほど集まった『うまいもん市』が展開されていたぐらい。他のスペースはガラーンとしていて、何だか殺風景な感じだった。
eoのブースではeo光テレビの生放送中で、たむらけんじが司会としてマイクを持って話していた。ガラーンとした展示室のなかにケイ・オプティコムのブースが設置されていて、そのなかの舞台に上がって話していたけれども、現場で見ている人はスタッフの人ばかりで、一般の観客はほぼゼロ。テレビを見ていた人には分からないだろうけれども、カメラに映っていない部分はなかなかお寒い感じだったように思う。
司会はたむらけんじと女性司会が2人、合計3人だったけれども、盛り上げている感じなのはこの3人だけで、周りの人はシーンとしていて、あのような雰囲気で仕事をするのは精神的にキツイんじゃないか。
見ている方も精神的にキツくなってきたので、5分ほどでたむらけんじのトークを見るのをヤメにして、インテックス大阪の中を散策。ここに到着したのが11:20頃だったので、まだ一般客よりもスタッフの数が多かった。
シーサイドコスモ。地面はウッドデッキ |
インテックス大阪でウロウロするのも飽きてきたので、外に出て、大阪マラソンのゴール地点でゴールする人を見ていた。ここはFinish地点なので沿道に人が多く、ゆっくりとできるような感じじゃないけれども、ゴールする場所を見たい人は多いはずなので、必然と人だかりができる。
そんな人だかりの中を抜けて、WTC、ATCの近くを通り、コスモスクエア駅まで移動。WTCだの、ATCだのと書いていると、WCなのか、ATMなのか、自動列車制御装置なのか分からなくなり混乱する。でも実際にそういう名称なのだから、仕方ないと言えば仕方ない。
コスモスクエア駅は地下鉄中央線の駅なのだけれども、その駅の裏にはシーサイドコスモという海浜公園があり、ウッドデッキから海を眺めることができる。コンクリートの固い地面ではなく木でできた地面なので、歩くと木の独特な音がする。
海浜公園からの大阪湾の眺め。 |
ここは釣りが禁止されているが、堂々と釣りをしている人が多々いて、ちょうどいい感じの手すりがあるので、そこに釣り竿を固定すれば釣りには便利な場所になる。当日も、見渡す限り、10人ぐらいの人が釣りを楽しんでいて、釣れそうもないのに釣り糸を海に垂らしていた。
海といっても、沖縄のような透き通る碧さではなく、ドンヨリと濁った緑色と表現する方が適切なほどの海。とても魚なんて釣れる感じじゃないし、釣れたとしても食べるなんて言語道断な感じで、こんなところでわざわざ釣りをする変わった人もいるのだと思わされる。
左右に広がっている公園で、端から端まで歩けば、なかなかの運動になる。 |
シーサイドコスモで休憩したあと、地下鉄中央線に乗って大阪港駅へ向かう。コスモスクエア駅から大阪港駅は1駅なので、すぐに到着する。大阪港駅に来た目的は、海遊館の周りまで行くこと。「周り? 海遊館に入るんじゃないの?」と思うかもしれないが、それはいくらなんでも単純。海遊館に行くからといって、海遊館の中に入るとは限らない。
海遊館の近くには天保山マーケットプレイスというショッピングモールがあり、そこでSubwayのサンドを食べるのが最大の目的。「はぁ?」と思うのも無理はないけれども、とあるキャンペーンでSubwayのカードが当選したので、何としてでもSubwayのサンドを食べないといけないという事情がある。
もう15年ぐらい前に食べたのを最後に、Subwayのサンドを食べていないので、何だかワクワクした。事前にSubwayのショップを検索して、地下鉄とバスを駆使して、どこの店舗に行くか検討した結果、天保山マーケットプレイスのお店に行くことにした。
海遊館の近くにある観覧車。 |
大阪港駅を出て、3分ほど歩くと、観覧車が見えてくる。大阪には観覧車が他にもあり、梅田のHEP FIVEの赤い観覧車、あとは心斎橋にあるドン・キホーテの観覧車、あとはこの天保山マーケットプレイスにある観覧車。主なものはこの3つ。
日曜日とあって、海遊館の周辺は人が多かった。子供が小さいスポーツタイプの自転車に乗ってコースを走るイベントを実施していたり、あとは何か芸のようなものをしている人もいたり、海遊館の前の広場は活気が満ちていた。
さて、目的のSubwayに行くとして、お店は天保山マーケットプレイスの中、確か2階だったか、目立つところにあった。時間は13時を過ぎた頃で、もうお昼の時間も終った頃かと思っていたけれども、フードコートにはお客さんがイッパイ。中で食べるつもりはなかったけれども、座る椅子も無いほどお客さんがイッパイで、外のベンチに座って食べることにした。
食べると書いているものの、何を注文したのかをまだ書いていないので、何だか得体のしれないものを食べようとしているんじゃないかと誤解されかねない。Subwayで注文したのは、ローストチキン ハニーマスタードソースというサンド。Sub Club Cardは1,000円分がチャージされていたので、キリの良い数字にするために、ドリンク付きのAセット 500円を注文。
15年ぐらい前に食べた時は、細かい注文をする必要はなかったが、今はパンの種類、トッピング、ソース、野菜の量など、色々と注文できる。パンはセサミをチョイス、トッピングは無し、ソースは標準設定のハニーマスタードソース、野菜は多めで注文。何だかどこかのラーメン屋で注文している感覚になるけれども、今はこういうカスタマイズが流行なのかもしれない。
海遊館の裏。 |
ベンチに座って袋を開けてみると、随分とサンドが小さい。15年ぐらい前は、もっとパンがデカかったような気がする。パンの固さも、セサミパンをトーストしてもらったので、随分と柔らかいパンだった。昔は、冷たいパンで、もっと大きく、もっと固いパンだったはずだけれども、改良されたのかもしれない。
食べると、パンが程よく柔らかく、味も良い。ローストチキンはチョロっとしか入っていないのが残念だったが、野菜は多めと言ったのでボリュームは十分。昔のサンドは、もっとパンが硬くワイルドな食感だったが、あれはあれで良かった。最近の食べ物は何でも柔らかいものが良いようなので、Subwayのパンも柔らかくなってもやむを得ないのかもしれない。
海遊館の裏にはフェリーターミナルがある。 |
写真を見れば分かるが、これ以上ないぐらいの快晴だったので、そとのベンチでサンドにかぶりついていると暑くてダレてしまいそうになる。10月なので、寒いこともあれば、暑いこともあるので、服装をどうするか判断に迷う。当日はボタンシャツにベストタイプのダウンジャケットを着ていったが、予想以上に暑かった。
海遊館に来たものの海遊館には入らず、海遊館の周りを散策する。海に面しているので、海でも見ていこうかと思い、海遊館の裏に行ってみる。
海遊館の裏側。 |
海遊館の裏はフェリー乗り場になっていて、対岸に向かうフェリーがここから出航する。海を渡ると、ユニバーサルスタジオの近くまですぐに行けるため、遠回りしなければいけないクルマや電車よりも便利。
海を見た後、天保山マーケットプレイスを出たところにあるバスのりばから鶴町四丁目行きの大阪市バスに乗る。ここでもエンジョイエコカードが活躍する。地下鉄、バスに乗り放題なので、ちょっとだけ移動したいときにも遠慮なくバスに乗れる。なぜ天保山から鶴町四丁目行きのバスに乗ったかというと、予定にはなかったが、IKEA鶴浜に寄ろうと思ったから。何かを買いたいわけではないし、見たいわけでもないが、天保山からIKEA鶴浜まで近いので、とりあえず行ってみるかという程度の気持ちだった。
地図を見れば、海遊館からIKEA鶴浜まではさほど遠くなく、なみはや大橋を渡れば、もうすぐそこ。とはいえ、IKEA鶴浜で停まるバスはないので、ちょっと先の鶴町南公園というところで降りる。ここから、来た道を少し歩いて戻れば、IKEA鶴浜に着く。海遊館からIKEA鶴浜まで歩いて行くこともできるけれども、さすがにここに来るまでそれなりの距離を移動してきたので、歩いて1時間ほどかかりそうな道のりをテクテクと行く気にはなれなかった。
フェリーが停まっている。広々とした海遊館の裏。 |
もうIKEA鶴浜には5回ぐらい来たことがあるので、中がどうなっているかはもう熟知している。2階がギャラリーで、1階が買い物をするマーケットプレイス。まずは2階で色々と見させて、その後に買い物をさせる仕掛けになっていて、自ずと滞在時間が長くなるように設計されている。
アレを買おうと決めてお店に行く目的買いには厄介な構造だけれども、ユックリとウィンドウショッピングを楽しみたい人には心地よい設計かもしれない。IKEAの通路は、わざとクネクネと移動させ、なるべく長く客が滞留するような構造で、サッサと先へ進みたい場合は、3つほどある近道を使うといい。
ウロウロしていると、買うつもりもないのに欲しくなったりするものだけれども、この日は買い物に来たわけではなかったので、ひと通りウロついた後、店を出た。
IKEAから次はどこへ行くか。都合のいい事に、IKEAにはシャトルバスがあり、これに乗ると、梅田か難波まで運んでいってくれる。梅田に行っても、難波に行っても、地下鉄に乗れるので、どちらに乗っても良かったが、今回は難波行きに乗った。いつも梅田からIKEAに行くので、梅田行きのバスには乗ったことがあるが、今回は初めて難波行きのバスに乗る。
IKEA鶴浜から難波までは25分、梅田までだと45分ほどかかるので、難波までならば半分程度の時間で到着できる。難波のIKEA行きシャトルバスの乗り場は、難波OCATにある。JRなんば駅に隣接している施設らしいが、今まで来たことが無い場所。難波に来るときは、JR以外の地下鉄や私鉄を使うことが多いので、JRのなんば駅があるなんて知らなかったぐらい。
大阪マラソンの話から始まったのに、エンジョイエコカードの話から海浜公園、さらには海遊館にIKEAと、話が広がりすぎてしまったが、これだけアチコチに行っても600円なのだから、エンジョイエコカードはエコという名に恥じない便利な道具であると分かった。