2014年10月4日

ネット対戦でゲーセンにお客さんは帰ってこない。



対戦格闘ゲームで初の店舗間対戦を実現した「鉄拳7」──“格ゲー”に新時代が到来か | THE PAGE(ザ・ページ)対戦格闘ゲームで初の店舗間対戦を実現した「鉄拳7」──“格ゲー”に新時代が到来か | THE PAGE(ザ・ページ)

ゲームは1人でコツコツ、モクモク、淡々と取り組んで遊ぶのが楽しいと思っているタチだけれども、スマホが当たり前のように使われるようになって、ゲームもネット接続するのが当たり前な感じになりつつある。

世界が閉じているからゲームは面白いと私は感じるのだけれども、他の人の感性は違っていて、ゲームでも人と繋がりたいと考えている人もいるらしい。人と繋がるならば、何もゲームじゃなくても、直接会うなり、電話をかけるなり、メールを送るなりすればいいのであって、あえてゲームの世界でコミュニケーションするのもヘンな感じがする。

とはいえ、ネット接続した方が楽しいと思えるゲームもあり、それが格ゲー。格ゲーとは、格闘ゲームのことで、ゲーム好きのヒトならば確実に知っている言葉のハズ。代表的な格ゲーは、上記の鉄拳はもちろん、ストリートファイターシリーズ、サムライスピリッツシリーズ、KOFシリーズなど、1990年代の格ゲー ブームで登場したものが多い。あの頃は、ゲーセンに行けば格ゲーというほど格闘ゲームが人気で、どこのゲームセンターに行っても格闘ゲームが置いていた気がする。



ゲームセンターだけでなく、駄菓子屋やお風呂屋のようなゲームセンターではない場所でも格闘ゲームの台が置かれるほどで、ゲームセンターでなくても「格闘ゲーム機を置いておけば儲かるゾ」と思わせるほど人気があった。私も小学生の頃から高校生まで、これでもかと言うほどゲームをプレイして、格ゲーに使ったお金は正確には分からないほど。格ゲーだけでなく、他のジャンルのゲームも散々遊んで、大学生の頃にはゲームに対する熱意が薄れてしまい、オトナになってからはゲームをほとんどやらなくなった。

近頃はケータイやスマホのゲームに熱中するオトナがたくさんいて、課金アイテムを購入し、随分とのめり込む人もいる。中には、数万円、数十万円もソーシャルゲームに注ぎ込む人もいて、オカネを注ぐ対象がパチンコからゲームに変わった。

高校生までに、一生分のゲームを遊んだ感じで、今ではゲームへの気持ちも塵やホコリ程度のものでしかないので、オトナがゲームにオカネを注ぎ込み、熱中しているのが信じられない。オジサンやオバサンが、パズドラで登場する色がついた石のようなものを指でグリグリと動かしているのを見ると、「そんなもん、面白いのか?」と思ってしまう。

ゲームに熱中しているときは確かに楽しいけれども、その熱中の糸がプツンと切れると、一気に興味を失っていく。それが大学生の頃だったのかもしれない。

今では、ゲームをプレイするよりも、ゲームを作るほうが面白いんじゃないかと思っている。スマホ向けのゲームならば、開発の敷居は低いので、そういうところから初めてみるのもいいかもしれない。ゲームで遊ぶよりも、ゲームを作るほうが頭を使うだろうから、楽しいかもしれない。


話の本題は、ゲーセンで格ゲーのネット対戦ができるという点。



タイムラグがある?


確かに、格ゲーの動きは激しいので、他のゲームと違い、ネットワークを介するとタイムラグが発生する。プレステ3でも格ゲーがあり、ネット対戦ができるが、自分の通信環境が良くても、相手の通信環境が悪いと、快適にゲームを遊べない。例えば、自分の通信環境が光ファイバーで、相手の通信環境がADSLだと、通信環境に差があるので、快適にゲームができない可能性がある。

ネット経由で対戦する場合、お互いの通信環境が良好である必要があるので、タイムラグ無しのネット対戦が難しい。この点は、格ゲーのネット対戦でのネックになるのは間違いない。



対戦相手はいるのか?


自宅やゲーセンで対戦するとなると、どうしてもローカルな対戦しかできない。自宅だと友人同士で対戦する程度だし、ゲーセンでも近所に住んでいるヒトたちが集まっているぐらいの規模なので、対戦する人のメンツにあまり変化がない。それはそれで楽しいのだけれども、格ゲーの対戦は相手が変わると、ガラッと面白さが変わる。プレイする人のクセが出て、連続技が上手い人、必殺技ばかり使う人、異様に対戦が強い人、あり得ないほど下手くそな人など、色々な人が相手になるので、格ゲーの対戦は面白い。

ネット経由で対戦すれば、対戦者の幅が広がるので、対戦そのものも面白くなるはず。格ゲーならば言語の壁もあまりないので、国境を超えた対戦も実現できる。

確かに、ネット経由ならば色々な人が対戦相手になる可能性はある。しかし、相手をどうやって探すのか。100円をゲーム機に投入して、相手を待つのもマヌケな感じがする。リアルタイムで対戦待ちの相手をディスプレイに表示して、「よし、アイツと対戦しよう」と決めてから、オカネをゲーム機に投入してプレイする。こんな感じになるのかもしれない。



ゲーセンが風前の灯火。


最大の難関はココだと思う。2014年時点で、ゲームセンターはドンドンと無くなっていて、私が知っているゲームセンターも多くが無くなった。90年代後半は、アチラコチラにゲームセンターがあり、どこのゲーセンでも格闘ゲームが置かれていて、いつも誰かがプレイしていたような時期だった。それこそお風呂屋や駄菓子屋にまで格闘ゲームのゲーム機が置かれるほどで、猫も杓子も格ゲーな感じだった。

しかし、2014年の現在では、ゲームセンターそのものが減っているし、街中にゲームセンターがあったとしても、UFOキャッチャーやプリクラの機械が多く、格ゲーのゲーム機を置いていないところもある。

格ゲー ブームと共にゲーセンブームが起こり、格ゲーが終焉すると共にゲーセンも消えていく。この状況で、ゲーセンでネット対戦できるとアピールしても、お客さんは戻っては来ないと思う。スマホやプレステでも通信対戦は可能だし、遊ぶたびにオカネを入れる必要も無いので、ゲームセンターの旗色は良くない。