昨今、ネットバンキングでの不正が起こっているためか、業者側も色々と対策を講じている。メールでパスワードを変更する案内をしてアカウント情報を抜き出すとか、キーロガーで入力内容を取得するとか、まぁ色々な方法で悪いことをするヒト達がいて、そういう悪さを防止するために銀行側もアレコレと対策するわけだ。
パスワードと暗証番号がネットバンキングでは長年にわたって使われてきたが、2014年現在では、乱数表での認証、トークン認証というものもあり、メンドクサさが増しているものの、安全度を高める仕掛けが用意されている。
乱数表やトークンは確かに安全度を高めると思うのだけれども、安全であっても不便だと使っている人は不満に感じる。2014年10月時点で、ゆうちょ銀行のネットバンキングを使っていると、しきりにトークンの利用を案内されるのだが、これが何だか面倒なシロモノ。
ゆうちょ銀行ウェブサイトから引用。 |
ゆうちょ銀行のカラーである緑色でデザインされた電卓のような装置を使って、ワンタイムパスワードを生成し、それをインターネット用暗証番号の代わりに使う。これがゆうちょ銀行のトークン機の主な機能。
さて、このトークン機なのだけれども、私は使いたいと思えない。トークン機を使えば、確かに安全度はアップするだろうけれども、あの電卓のような装置を使うとなると、これは不便だ。
まず、持ち歩けないのが最大の欠点。どこかでなくしてしまうと再発行で時間と費用が必要になるし、あえて持ちだして使う気にもならない。
ちなみに、SBIネット銀行ではスマホアプリでトークン認証する仕組みを採用していて、振り込みをする際に、振り込み処理と連動して動くスマホアプリに表示された番号を入力して処理を完了させている。
スマホならば持ち歩くし、常に手元にあるからなくす可能性は低い。電卓タイプのトークン機だと利用するのは自宅限定になってしまうので不便。
なぜスマホアプリを使わないのかと考えていたら、高齢者でも使えるように配慮しているのかもしれない。ゆうちょ銀行のユーザーは中高年の人が多いから、スマホアプリで認証するとなると、使えない人がいてクレームが発生するので、誰でも使える電卓タイプを選択したとも思える。
ネット銀行の場合は、デジタル機器に馴染んでいるユーザーが多いので、スマホアプリでの認証の方が馴染みやすいのかもしれない。
ユーザーの違いが道具の違いに反映されていると考えれば、納得出来ないこともない。しかし、ゆうちょ銀行のトークン機は電卓タイプに限定せず、スマホアプリも用意して、2つから選択できるようにするといいんじゃないか。
アプリを作るにもオカネがかかるけれども、一度作ってしまえば、あとは複製して配布できるので、トークン機を発送したり、再発行する手間を考えれば、アプリの利用を促進する方が望ましい。