2014年10月19日

ポータブルSIMとWi-Fiルーター、どこが違うの?


報道発表資料 : 新たな小型認証デバイスを開発 | お知らせ | NTTドコモ報道発表資料 : 新たな小型認証デバイスを開発 | お知らせ | NTTドコモ

ポータブルSIMを使うと、端末内のSIMカードを抜き差しすることなく、認証処理ができるようになるのがウリらしい。認証デバイスがいわばキーの役割を果たすらしく、Bluetoothで認証デバイスと端末を接続し、ネットワークに接続した際の認証をカンタンにするとのこと。



2014年の夏頃だったか、随分とまえに発表されたものだけれども、未だにWi-Fiルーターとの違いを意識しづらい。ポータブルSIMが発表されたとき、「モバイルWi-Fiルーターと同じものじゃないの?」と思えたし、今でもその思いは変わっていない。

私は、以前に、docomoのWi-Fiルーターを使っていた時期があり、そのルーターにWi-Fi機能を持つスマホやタブレット、PCを接続していたが、Wi-Fiルーター経由でもSIM認証を使うことができ、ネットワーク暗証番号を入力するだけで認証を通過できるサービスもあった。

SIM認証という点だけならば、ポータブルSIMでもWi-Fiルーターでも同じで、ハッキリした違いは無い。

認証用に特化したデバイスがポータブルSIMなのだろうけれども、頻繁にSIMを抜き差しする場面は無いし、通信回線を複数端末で共有したいときはテザリング機能を使うから、SIM認証の部分を独立させる利点はあまりないんじゃないか。

キーボードを持つ端末ならば、docomo IDを入力して認証を通過すればいいので、ポータブルSIMは無くても差し支えない。

では、ポータブルSIMが無用の長物かというと、そうでもない。SIMカードを挿入できない通信端末の場合は、このポータブルSIMは役に立つ。Apple Watch、Google Glassなど、小型の通信機器でSIMカードを入れるスペースがない端末には、SIM認証の部分を独立させておくことで、SIMカードが入っているときと同じ状態で端末を使えるようになる。

docomoのウェブサイトでは、スマホやタブレット、PCでポータブルSIMを使うような例が示されているので、ポータブルSIMがどれほど便利なのかが伝わりにくい。SIMカードを入れられない腕時計型デバイスやメガネ型デバイス、ヘルスバンドなどを例として示せば、ポータブルSIMの利点に気づく人も増えるんじゃないか。

スマホやタブレット、PCを使う場合はポータブルSIMのメリットを感じにくいが、SIMカードを入れられない小型の通信機器を使う場合にはポータブルSIMが活躍するだろう。