ドコモから新機種が発表され、格安なスマホとして紹介されているのがMONO MO-01J。
端末を紹介しているウェブサイトを見てみたところ、Android 6.0で、画面サイズは4.7インチ、RAMは2GBで、ストレージは16GB。スマホとしてはごく普通の内容で、余計なものが無いシンプルなものに仕上げた感じではある。
https://www.nttdocomo.co.jp/product/smart_phone/mo01j/ |
このスマホ、端末の安さがアピールされ、650円で買えると紹介されているのだが、実際は安くない。
「650円で買えるスマホなんだから、安いじゃないか」と思うだろうが、それにはチャンとカラクリがある。
初期費用にだけ意識が向くと、本当の費用が見えなくなる人もいる。知ってしまえば簡単なのだが、ケータイ関連の費用は点ではなく線で考えるのがポイントだ。
ドコモには端末購入サポートという販売施策があり、650円で購入できるのもこの端末購入サポートのおかげ。
端末購入サポートを適用すれば、5万円のスマホであれ8万円のスマホであれ、0円に変身させることが可能になる。
この端末購入サポートというカラクリを理解せずに、「格安だ」、「安いゼ」、「あり得なくネ?」などと反応するのは早計だ。まずは、冷静に端末購入サポートを理解しよう。
ドコモのウェブサイトでキレイにまとまっているので、チャンと読むように。
端末購入サポート
MONO MO-01Jは、購入時の費用は650円かもしれないが、毎月の料金は最低でも2,200円は必要になる。最も安い料金プランだと、データプランで月額1,700円、さらにシェアオプション(こちらは月額500円)というものを付けて、合計で2,200円になる。SPモードを付けると、さらに300円プラスされるので、月額2,500円に。
ちなみに、ルータープランは月額1,200円と安いが、端末購入サポートの対象となっている端末を購入すると選べないプランなので注意(選択しようと思えばできるが、解除料が発生する)。
月額2,200円にするには、すでにドコモのスマホを契約している必要があり、2台目以降の端末として購入した場合に限られる(2台目プラス、もしくはシェアパックの枠内に入る)。そのため、まだドコモのスマホを持っていない人がこのMONO MO-01Jを契約すると、月額2,200円ではなく、ザックリと月6,000円ぐらいは必要になる。
最低でも毎月2,200円は必要で、それが12ヶ月続く(端末購入サポートを適用するための条件)わけだ。そうなると、12ヶ月で26,400円になる。
もし、12ヶ月以内に解約したり、指定の料金プラン以外のものに変更すると、サポート解除料として15,800円を支払うことに。
端末購入サポートでは、途中解除の場合、サポート額の半額を負担するようになっているので、実際の端末価格は31,600円以上になる。
さらに、12ヶ月おとなしく使うとしても、毎月の割引である月々サポートが無い。
表向きは、MONO MO-01Jの価格は650円なのかもしれないが、実際の価格は30,000円程度と見積もっておいて間違いない。
購入時の価格650円だけを見て、「格安」と表現しているならば、調査不足だ。
一括払いで650円だが、端末購入サポートを適用しているならば、他の端末でも実現できる価格だ。80,000円のスマホが端末購入サポートを適用して、乗り換えで一括0円なんてことは普通にある。
購入時の負担を少なくして、リーズナブルな印象を作り出すのは簡単で、それにパッと食いつくと、安易に「格安」だと評価してしまう。
スマホ関連の費用は、1年なり2年という期間で評価する必要があり、一時点で発生する費用で評価すると、実態を見誤る。