2014年8月14日

みなとこうべ海上花火大会のレビュー どこで花火を見るべきか。




2014年8月2日 土曜日、兵庫の神戸市でみなとこうべ海上花火大会が開催された。まだみなとこうべ海上花火大会には行った経験がなかったので、一度は行ってみようかと1週間前ぐらいに思い立ち、見に行くことにした。

今年の花火シーズンはなぜか雨の日が多くて、特に8月に入ってからはこれでもかというほど雨雲がアチラコチラに発生して、2日のみなとこうべ海上花火大会も例外ではなかった。

8月1日のPL花火でも雨が降っていたようだし、8月9日のなにわ淀川花火大会に至っては台風11号のおかげて今年の花火は無しになった。これほど雨で花火の予定が狂うのは私の経験では初めて。





18時頃。この時は傘をささないと濡れるほどシッカリと雨が降っていた。

神戸市役所前。市役所の前に無料の送迎シャトルバスが来るので、それに乗るとしおさい公園まで乗せてくれる。


始めて来る花火大会だから、どこから見ようかと色々と思案し、みなとこうべ海上花火大会のウェブサイトで調べてみたが、海の上で打ち上げる花火なので、どこから見てもそれなりには見えそうな感じ。

フェリー乗り場近くの突堤、ポートアイランド、ハーバーランド、メリケンパークなど、花火が見える場所は多々あるようなので迷った。迷った挙句、選んだのはしおさい公園。ポートアイランドの西側にある細なが~い公園。神戸学院大学の目の前にある公園で、もちろん今までは行ったことはなく、今回の花火をきっかけに始めて行くことになった。

JR三ノ宮駅を出て、傘をさしながら歩くこと約10分。神戸市役所のバス乗り場までやってきた。元町駅や神戸駅はもっと混雑していたようだけれども、三ノ宮駅もまあまあの混雑だった。到着したのは17時40分頃、花火大会へ行くと思われる人も多かったが、前に進めないほど人が多いわけではなく、スンナリと駅を出ることができた。

事前に調べたところ、ポートライナーに乗らなくてもシャトルバスでポートアイランドまで行けるようになっていて、あえてオカネを払ってポートライナーに乗る必要は無かった。神戸市役所の前にシャトルバスが来て、ポートアイランドのしおさい公園にあるバスロータリーまで直通で運んでくれる。



バスで行けばいいじゃないかと考える人は他にもたくさんいて、神戸市役所前は市役所の建物を取り囲むように行列ができていた。「うへぇ、、30分ぐらい待つのか」と思っていたけれども、意外とスイスイと人の流れは前に進んだ。

シャトルバスといっても、1台だけで人を運搬しているわけではなく、おそらく10台ぐらいのシャトルバスを用意して、神戸市役所としおさい公園をグルグルと回って人を運んでいたはず。バスの電光掲示板には「神 姫」と表示されていたから、神戸市役所が神姫バスに依頼してシャトルバスを運行してもらっていたのだと思う。

市役所を出ると、バスは南に向かって走り、橋を渡ってポートアイランドに入る。ここは一般車両も通れるようになっていて、花火を見に来た一般客のクルマもたくさんあるので、橋を渡りきったところで渋滞になった。どれだけ渋滞しているのかを見たかったけれども、バスは満車で、とても前の景色を見れるほどの余裕はなく、ただ黙ってバスが進むのを待つしかなった。

渋滞なしでバスが走れば、おそらく10分程度で到着できる距離だけれども、なんだかんだと遅くなり、到着したのは確か18時25分頃。花火が打ち上がったのが19時35分頃だったので、まだ開始まで1時間ほど時間があった。

しおさい公園の南側。ウッドデッキになっていてオシャレ。

18:43 右側は神戸学院大学。花火打ち上げまでまだ1時間ほどある。


しおさい公園でみなとこうべ海上花火大会を見る際の注意点というほどでもないが、ちょっと知っておくべき点がある。それは、手を洗う場所が1箇所しかないこと。手を洗う場所といってもトイレのことではなく、実際に水で手を洗う場所のこと。

トイレはしおさい公園にもたくさん設置されていて、臨時のトイレが3箇所、公園に付属のトイレが1つあるので、トイレの数自体は少なくない。ただ、水で手を洗う場所が公園に付属のトイレにしかないので、「手が汚れたので、ちょっと洗いたいなぁ、、」と思ったら、公園の北にある付属トイレまで歩かないといけなくなる。

もし、しおさい公園で花火を見るならば、手洗い用の水をペットボトルに入れて持っていくか、ウェットティッシュを持っていくといい。人がワンサカいる場所を歩いて、わざわざ公園のトイレまで行くのはメンドクサイので、手を洗う手段を用意しておくと便利だと思う。

19:05。暗くなってきたが、まだ雨はシッカリ降っている。

花火はまだ。明るさと暗さがちょうどいい感じで混ざり、天候は悪いが景色は良い。

19時5分。到着してから30分ぐらい経ったが、まだ雨は降っていた。土砂降りというほどではないけれども、傘をさしていないと確実に濡れるほどの雨で、「こんなに雨が降っていると花火が湿気ってしまうんじゃないか?」とシロウトは思うのだけれども、今の花火は土砂降りでも打ち上げることができるようなので、そんな心配は無用なのかもしれない。

初めてのみなとこうべ海上花火大会だったけれども、当日の15時までは開催されるかどうかは分からなかった。朝から雨がジクジクと降っていたし、「こりゃあ、花火も濡れちゃうな」と思うほどで、午前中に開催の可否を判断していたらおそらく中止の可能性もあったはず。

実際には開催されたんだから、15時の時点では晴れていたのかと思うかもしれないが、写真でも示した通り、18時頃の神戸市役所前でも雨は降っていた。あの段階ですら、「本当に花火なんてやるのか?」と半信半疑だったが、15時の時点で神戸市がやるとアナウンスしたんだから、おそらくやるのだろうと信じて神戸まで来た。


こういうオシャレな場所にある大学も悪くない。神戸学院大学。





どこで花火を見ればよく見えるか。花火を見に行く人の一番の関心事はこれ。みなとこうべ海上花火大会は海の上で打ち上げるようなので、花火を見れる場所は多い。「場所が多いならば、ゆとりをもって見れるだろう」と甘い想像をしていると、現実との違いに愕然とする。

確かに観覧場所は多いけれども、それ以上に人が多いので、ゆとりなんてどこへやら。神戸市のウェブサイトの案内では、しおさい公園の人出は他の場所よりも少なめだと表示されていたけれども、何のことはないごった返しだった。満員電車ほどの人ではないけれども、十分に混雑していると表現していいほどの混雑度だった。



雨が止むのか止まないのか優柔不断な空模様の中、19時34分、花火が打ち上がる。しおさい公園の南側だったので、打ち上げ場所からはちょっと遠いところだったけれども、まあまあの場所。公園内の木が花火の視界を遮ったけれども、ちょっと木で隠れるぐらいが風情があっていい。

花火というのはどこの花火でも同じだけれども、だいたい1時間ぐらいの時間を使って打ち上げるので、なかなかの長丁場になる。最初の10分から15分ぐらいまでは、みんな「おーっ!」、「うわぁー!」と歓声を上げるけれども、花火が始まって30分ぐらい経過すると、集中が途切れ、友達とペチャクチャ、かき氷をワシャワシャ、たこ焼きをモチャモチャとしだして、花火そっちのけになる。

ところで、遠足や運動会で、学校の先生が「ペチャクチャ話すな」と言っていた記憶があるが、なぜ会話することをペチャクチャと擬音で表現するのか。ガヤガヤとかザワザワならば分かるけれども、なぜペチャクチャなのか。未だに謎である。

ペチャクチャと余計なことはいいとして、最初は花火を見ているが、途中で中ダレしてくるのが花火大会の典型的なパターン。確かに、花火もずっと見ていると飽きてくる。同じような打ち上げ花火が続くし、音もドーン、パァァーンと似ている。ワンパターンな見た目と音で飽きるのは当たり前と言えば当たり前。

それでも、フィナーレに近づいてくると、また花火に気持ちが向き、最後の有終の美を目に焼き付けて、「あぁ、今年の花火はよかったなぁ」と例年通りの感想を漏らす。花火はいつもと同じだからいいのであって、毎年コロコロと花火が変化していたらかえって不人気になるような気がする。

20時35分、最後のすんごい打ち上げ花火で幕を閉じる。19時34分から20時35分だから、ほぼ1時間ジャスト。雨で開催するかどうかヤキモキしていた割には、時間は正確だった。

神戸へ帰るシャトルフェリー。これは2番目にしおさい公園に来たフェリー。


さて、花火大会は花火を見るだけでチャンチャンと終わるイベントじゃない。最大のヤマ場と言っていいのが帰宅経路をどうするかという難題。しおさい公園に来る時は、神戸市役所からのシャトルバスで来たけれども、帰りはどうするか。

「シャトルバスで来たんだから、帰りもシャトルバスで帰れば?」と思うところだけれども、行きのシャトルバスでの車内アナウンスにて、「帰りはフェリーをご利用ください。バスですと2時間ほどかかります。フェリーをご利用ください」と運転手サンが言っていた。

神戸市役所からしおさい公園へは、道が混んでいなければ15分もあれば十分に到着できる。今回、行き道はシャトルバスを使ったけれども、それでも30分程度だった。それが2時間というのだから、相当な混雑に巻き込まれるのかもしれない。

運転手サンに車内アナウンスで脅されたので、帰り道ではシャトルバスには乗らなかったが、しおさい公園にはバス以外にも一般のクルマもたくさん来ていたので、花火が終われば一斉にバスとクルマが動き出し、道路に出れば、ピクリとも動かなくなる。そんな光景が想像できる。


バスが使えないとすれば、あとはフェリーしかない。バスで来たとなれば、帰る手段は、バス、フェリー、あとはポートライナーを使う方法もある。おそらくこの3つが選びうる手段になる。

バスは混雑で使えない。ポートライナーも見物客が帰るためにごった返しているはず。フェリーならばユックリと帰れるだろう。そんな予想をしていた。ところがどっこい、同じことを考える人は当然多い。なぜならば、私と同じようにバスで来た人は、私と同じように考えるはずで、しおさい公園のフェリー乗り場の入り口には花火が終ってすぐに人がダンゴ状態になった。




私も花火が終ってすぐにフェリー乗り場に行ったが、すでに50人ぐらいの人だかりになっていて、みなさん行動が早い早い。すでに1隻目のフェリーは乗り場に着いていて、乗船待ち。とはいえ、1隻のフェリーで全員を運ぶわけにもいかない。最初のフェリーは50人乗りぐらいの大きさで、花火が終ってすぐ、もしくは花火が終わる前からフェリー乗り場に並んでいる人がまず乗り込んだ。

小さいフェリーのため、人が乗り込むと、ユラユラと横に揺れ、あまりドタバタすると転覆するんじゃないかと思えるほど揺れていた。私はナンダカンダで3隻目のフェリーに乗ることができた。2番目のフェリーで乗れるかと思っていたけれども、思いのほか前に並んでいる人が多かったのか、それともフェリーの乗船定員が少なかったのか分からないけれども、3番目になった。

最初のフェリーが出航してから次のフェリーが来るまで20分ぐらい待ったように思う。花火が終って帰る人は多いし、バスで送った人のほとんどはフェリーで帰ると予想できたはずだから、もっとフェリーが待機していてもいいはずだけれども、待機していたのは1隻だけ。

1番目のフェリーが行ってしまい、もうフェリーは来ないんじゃないかと思えるほどの待ち時間があり、20分ほど待ってやっと2番目のフェリーがやってきた。ところが、初めのフェリーと同様に小さいタイプで、50人ぐらい乗ったらもうイッパイになるフェリーだった。

フェリーに乗るために並んでいる人は、正確には分からなかったけれども、500人とか700人ぐらいはいたんじゃないか。しおさい公園北側のバスロータリーぐらいまで行列ができていたようなので、それぐらいの人数がいてもおかしくない。

2番目のフェリーが来た頃には、沖合に3番目のフェリーが待機していて、2番目のフェリーが出航したあと、3番目はすぐに乗り場に来た。

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私が乗ったのはロイヤルプリンセス。上記の神戸ベイクルーズのウェブサイトに写真が載っているので、どんな感じの船かは分かる。ドーム状の客室構造で、2階建て、確か160人ぐらい乗れる大きさで、1番目と2番目のフェリーなど相手にならないほど大きかった。

「これぐらいのフェリーをドンドコと動かせば、あっという間に人を運び終わるのに」と思ったけれども、まぁ色々な事情があってあんな感じになったのかもしれない。

フェリーに乗る機会なんてなかなか無いので、何だか新鮮な感じ。クルマや電車で移動していると、とにかく目的地に早く到着することに気持ちが向きがち。しかし、船ならば、どんなに気持ちを急いても、時速20km/hぐらいでしか進まない。だから、自ずとゆとりを感じる気持ちになれる。


フェリーから降りてすぐの場所にあるノートルダム神戸。結婚式で使われる会場らしい。シャレオツな建物だった。



かもめりあ中突堤中央ターミナルにフェリーが到着。この時点で、時間は21時40分。花火が終ったのが20時35分だから、ポートアイランドから脱出するのに1時間もかかったことになる。来るまで15分程度の距離を移動するのに1時間。なんという非効率さ。しかし、これでもまだマシな方だったのかもしれない。私がフェリーに乗った後も、まだ乗り場には人がズラーっと行列を作っていたから、最後ぐらいの人は帰ってくるまで22時30分ぐらいになったんじゃないだろうか。

その後、フェリーを降りて、三ノ宮駅までズンズンと歩き、電車の乗って帰っていった。