iPhoneなどのスマートフォンや携帯電話の契約を解除して他社に乗り換える際、契約から2年経過後でも契約月以外に解約すると手数料が発生する「2年縛り」が事実上、標準化しています。
Sankei Bizによると、総務省の有識者検討会は、この「2年縛り」を規制し、最初の2年契約が終了すればいつでも無料で解約できるようにする方向で検討を進めており、年末までに詰めの検討を重ねる方針とのことです。
この検討会は7月中旬、SIMロック解除の義務化とクーリングオフ制度導入を決定しており、大手3社の寡占状態が続く日本の携帯電話業界に競争を活性化させ、データ通信料金の引き下げなどを促す方針です。
2年縛り規制を検討と書かれていますが、2年契約そのものを規制するという意味ではなく、自動更新を規制するという意味でしょう。
2014年8月時点では、ケータイを契約する際には2年単位の契約が半ば強制されていて、2年間同じ回線を使うことを前提に割り引き施策が実施されています。さらに、2年間、同じ回線を使い続けると、更新月を迎えるのですが、そのまま放置すると、新たに2年間の契約が始まります。そのため、解約やMNPの手続きを忘れると、約1万円の解除料金が必要になるので、なかなか厄介な仕組みになっています。
そこで、最初の2年契約だけ拘束を認め、それ以降は自由に解約できるように規制を課す予定のようです。2年契約そのものがダメなのではなく、自動で更新する点がダメということ。
確かに、端末の分割金は2年分割が主流ですし、毎月の割り引きも2年間だけですから、2年使えば、その後は解約もMNPも自由にできる方が利用者にとっては都合が良い。
ただ、2年契約を自動更新できないとなれば、それを織り込んで端末価格や通信料金を決めてくるでしょうから、今回の規制によって端末価格と通信料金が引き上げられる可能性もあります。言わば端末価格と通信料金を人質にして、「自動更新できないならば、料金がアップするぞ」と通信会社は交渉できる立場になります。
SIMロック解除にせよ、2年契約への規制にせよ、今更やるべきことなのかと思います。