<PL花火芸術>夜空彩る1万4000発
http://mainichi.jp/select/news/m20140802k0000m040130000c.html
大阪の夏の風物詩「PL花火芸術」が1日、大阪府富田林市新堂のPL教団大本庁であり、約6万3000人(教団発表)の見上げる夜空を、約1万4000発が彩った。
教祖の遺徳をたたえる宗教行事で、1953年から開催されている。午後7時55分ごろ、直径約20センチの打ち上げ花火を合図に開幕した。約4000発を打ち上げて扇形などを描いた「造形」や、ピンクや水色のリング状の花火が順番に点滅する「天空の煌(きらめ)き」の新作も登場した。
夏になると各地で花火大会があるけれども、大阪でも花火大会はいくつかある。大阪三大花火大会と言われるのが、「天神祭奉納花火」、「PL花火芸術」、「なにわ淀川花火大会」の3つ。この3つで正しいのか、そもそも大阪三大花火大会というカテゴリーが存在するのか、甚だ不明だけれども、まぁ大阪にはいくつかの花火大会の類があるということ。
毎年8月1日は大阪の人にとっては、「PL花火の日」として知られていて、花火といえばPLと言い切っていいぐらい。ただ、PL花火は他の花火大会とは違っていて、宗教行事として実施され、花火大会ではなく花火芸術と表現するのが正しい。
とはいえ、PLに関係しない人にとっては花火大会の一種と考えられていて、当日はタダ見客がワンサカと富田林にやって来る。Google Mapで「光丘カントリー倶楽部」を検索すれば、PL花火の会場がどこにあるか分かる。カントリー倶楽部という名称なので、ゴルフを嗜む人ならば、「あぁ、ゴルフ場で花火を打ち上げるのか」とすぐに気づくはず。
光丘カントリー倶楽部やPL病院など、あの周辺はPL教団の所有する場所で、教団というと某教団のイメージから怪しい感じがするかもしれないが、現地に行くと、宗教臭さはほとんどなく、ヘンなプラントが林立しているということもない。
もう何度もPLの花火は観たことがあるが、今年、2014年のPL花火は行かなかった。行かなかったというのは、嫌だから行かなかったのではなく、たまには行かないのもいいだろうと思っただけ。おそらく、15回ぐらいはPLの花火を見ていて、1年に1回の花火だから、15年分の花火を観てきたということになる。
PLの花火の特徴は、ラストのスターマインで一気かつ集中的にドッカーンと花火を打ち上げる点にある。もちろん、始まりから終わりまでの花火も十分に見ごたえがあるけれども、やはりフィナーレがPL花火のウリ。最後の花火を見るために、途中で帰る人が少なく、フィナーレに見どころを持ってくると、観客が帰りにくくなるので、これは上手い工夫なのかもしれない。
上記のニュースでは、「約1万4000発」と書かれているが、PL花火の打上数は非公開で、「どれだけ打ち上げるのか」と噂が絶えない。10年ぐらい前までは、12万発という数が流布されていて、「他府県の花火大会でもせいぜい2万発ぐらいなのに、PLは12万発なのか」と思い、日本一の花火はPL花火だと思っていた時期もあった。
しかし、実際にPLの花火を観ていて、12万発という数は何だかオカシイとは感じていた。まぁ、多ければ多い方がイイのが花火の打上数なので、12万発という数を信じ込んだほうが気分が良かった。とはいえ、花火を観ていると、いくらなんでも「12万発という数字は多すぎないか?」と思うもので、2008年ぐらいだったか、花火の数のカウント方法を変えて、確か2万1000発ぐらいに変わった。
12万発と数えるには、おそらく大きな花火がパーッと開いて、いくつもの火花が放射状に発散するときに、その火花1つを1発とカウントしていたんじゃないか。だから、大きな花火がドーンと上がると、1発分で10発ぐらいのカウント数になっていたのではないかと思う。12万発から2万発まで数が変わったということは、10倍ぐらいでカウント数が多かったわけだから、他の花火大会では1発と数えるものを、PL花火では10発と数えていたと想像していい。
大きな尺玉だと、その中にさらにいくつもの火薬玉が入っているので、1発ではなく複数発と数えるのも可能といえば可能ではある。どういう数え方で12万発になったのかは実際には分からないけれども、2万発程度ならば花火としては十分な規模だと思う。
しかし、今年のPL花火は1万4,000発だったらしく、「おや? 何だか数が少ないねぇ」と思ったが、実際に観た人はどう感じたのか。世の中には手の早い人がいて、8月1日の23時頃にはYouTubeにPL花火の動画がもうアップされていて、それを見たところ、いつも通りのPL花火という感じだった。
ただ、煙が上空に滞留して、花火を隠してしまっているのが気になった。確か、2003年か2002年のPL花火でも風が少なく、上空に煙がモワモワと立ち込めて、煙が花火を隠してしまった時があった。おそらく、2014年の花火もそのときと同じような状況だったのかもしれない。
開始時刻は19:55からだったようだけれども、前は19:40ぐらいだったはず。19:40頃から20:35頃まで打ち上げる花火で、20時まえから21時前までというのが大体の時間帯になっている。
この手の花火はどこから観るかが関心事で、「あっちがいい」、「こっちがいい」、「いやそこじゃない」といろいろな噂が流れている。打ち上げる花火が大きいので、大雑把に言ってしまえば、「どこからでも観れる」と言ってもいいかもしれない。とはいえ、北海道から見えるわけじゃないし、沖縄から見えるものでもないので、ある程度の限度はある。
遠くは奈良の山からでも観れるようだし、近くならば八尾市からも観れるし、その他の市町村からでも見ようと思えば観れる。ただし、見えるには見えるが、音はほとんど伝わらないので、単に見るだけならば遠くから眺めるのもいい。見えさえすれば視覚では補足できるけれども、音はさすがにさほど遠くまでは伝わらない。現地から3kmも離れれば、音は小さくなってしまい、花火の迫力をあまり感じられなくなると思う。
花火の会場周辺には有料席が用意されていて、チャンと花火を見たいならばオカネを払って、そういう場所に行くのがいい。PL花火にもローンパークという観覧場所があって、私は行ったことが無いけれども、光丘カントリー倶楽部の南側から観れる絶好の場所なので、花火をシッカリ見たい人はチケットを買って行けばいい。
じゃあ、無料で花火を観るにはどうするか。花火はフリーライダーが多発するイベントで「いかにタダで良い場所から花火を観るか」と気合いを入れている人達もいる。もちろん、無料で花火を観れる場所はたくさんあり、私も色々な場所からPL花火を観たことがあるので知っている場所もいくつかある。
私が何度も行った場所は、光丘カントリー倶楽部の西側にある工業団地。ここは工場が集まった場所なので工業団地と言われる。この場所は背の高い建物があるけれども、花火会場からは1kmも離れておらず、花火は見えるし音もバッチリ。ただし、高く上がらない花火はあまり見えないので、その点だけは欠点ではある。
しかし、それ以外の点では申し分なく、最も良いのが人が少ないこと。多くの人はこの工業団地を抜けて国道35号線に行くのだけれども、そこは人の数が多い。35号線は会場の真横で、花火を観るには最高だけれども、いかんせん人が多いのが嫌なポイント。
花火がよく見える場所は人が多く、花火がちょっと見えにくいと人が少なくて快適。どっちを選択するかが考えどころ。「花火が見えて快適な場所がいい」となると、さすがに無料で探すのは苦労するはず。
一度、関西ウォーカーで紹介されていた南旭ケ丘町という場所でPL花火を観たことがあるが、雑誌では穴場スポットと紹介されていたものの、実際に行くと人だかりで、花火が見える場所には地元のヒトたちがビッシリと場所をキープしていた。もちろん、地元の人でなくても南旭ケ丘町から花火を観ることはできる。
花火を観れる場所は南旭ケ丘町の西側、目の前に沼地のような場所が広がっているところ。ここは花火を観るために設けられた場所じゃないので、人が入れるスペースには限りがあって、せいぜい100人ちょっとぐらい。実際はもっとたくさんのヒトが来ていたが、花火を観るには場所が狭いと思えた。
ここまで来ると花火からは随分と近いのだけれども、それでも全ての花火を観れるというわけではなく、ナイアガラだけは見えなかった。工業団地で見る場合とは違って、打ち上げの高さが低い花火も見えるので、花火を満喫するにはいい場所かもしれない。ただし、先ほども書いたように、地元住民のための場所のようなところなので、部外者が行ってもさほど良い場所で花火は見れないということは知っておく必要がある。