2014年9月22日

Apple Payとおサイフケータイの違い。




2014年9月に発表されたApple Payは日本のおサイフケータイと比較されやすい。どちらも決済の手段であるし、無線で決済情報をやりとりする点も同じ。そのため、比較の対象になりやすい。

日本では、nanaco や WAON、Edy、iDなどの電子マネーの選択肢が多く、それぞれで違うカードやアプリを使う必要がある。お店によって使える電子マネーが違い、この店では使えるけれども、あの店では使えないものもある。

Apple Payは、電子マネーのような見た目だけれども、実質はクレジットカードと同じ。クレジットカードを端末に取り込み、リーダーでiPhoneの中のクレジットカードを読み取り決済する。行っていることはクレジットカードでの決済と同じで、カードのやりとりが不要になる点が違う。



他人にクレジットカードを渡す必要がなくなる。決済が早くなる。サインを省略。明細もデジタル管理するとなれば、それも不要になる。クレジットカード決済を便利にする機能。それがApple Pay。さらに、購買情報を集めないのも良いところで、購買データを分析して、その人に合ったクーポンを出したりもしない。

店員に渡したクレジットカードが店の奥に持っていかれると何だか不安になるので、そのようなことがなくなるとなればありがたい。Touch IDで署名代わりになるならば、レシートにサインする必要はないし、明細も電子化してくれれば、紙を受け取ることもない。

おサイフケータイは電子マネーで、プリペイドであれポストペイドであれ、電子マネーという点は同じ。しかし、Apple Payはクレジットカードでの決済。この点で両者には違いがある。無線で決済情報をやり取りする形は同じだけれども、片方は電子マネー、もう片方はクレジットカードなので、似て非なるものと言うべき。

Apple Payはあくまでクレジットカード決済なので、電子マネーを運用している企業にはあまり影響はなさそう。ただ、クレジットカード決済を多用する人には受け入れられるはず。カードを渡す必要がないので、安全であるし、財布にカードが入っていなくてもいい。他にも、少額決済を希望するお店や会社にも歓迎されると思う。

お祭りの出店、飲食店、自営業者、路上販売、夜鳴きラーメン、フリーマーケットなど、商売の規模が小さくて電子決済を導入できなかったところには便利に感じるだろう。


電子マネーは、規格が乱立されているし、業者ごとに独自の電子マネー カードやアプリを使う必要がある。また、購買情報も集められているので、この点を嫌がる人もいるはず。現金決済は無記名だが、電子マネーだと本人に紐付いた情報も登録されている場合があるので、購買情報と本人を結びつけやすい。そのため、アチラコチラの業者が独自に電子マネーを作ることになる。


クレジットカードの電子化を望んでいた人にはApple Payの発表は朗報になったと思う。