2016年8月7日

生前退位のビデオメッセージは皇室制度変更への下準備。



2016年8月8日の午後に、生前退位についてビデオメッセージがテレビ経由で放送される。

崩御するまで公務を続けなければいけないというのは昔から続いてきた形ではあるものの、体への負担は大きいはず。一般の人には定年制があり、仕事から離脱するきっかけがあるけれども、皇族には定年制がなく、命が尽きるまで公務を続けなければいけないのが難点だった。

皇族からも天皇の定年制については過去にも話があったようだが、実際に制度が変更されることなく立ち消えになることも何度かあった。他にも、女性皇族が天皇になる話もいつの間にか消えてしまった。

今回、ビデオメッセージを出すということは、制度変更の下準備と考えていいだろう。



もし、皇室に関する制度を変えないならば、あえてビデオメッセージを出すことはないので、出すとなれば、何らかのアクションを起こすことを事前に約束していると思われる。ビデオメッセージを放送して、内閣が何らの行動も起こさないとは考えにくいので、近日中に何らかの制度変更を実施する可能性は高い。

一方的に制度を変更すると、皇族の意向を考慮せずに行動したと思われてしまうので、今回のメッセージでもって制度の変更に対して正当性を与える必要がある。


昔は帝と院の棲み分けがあったので、私としては生前退位について特に違和感というか反対する気持ちはない。主に公務を担うのは天皇で、限定された場面で公務に参加するのは院というように役割分担すれば、負担が程よく分散されるだろう。