2014年3月22日

「麺の硬さ、どうしますか?」と聞くラーメン屋。



 ラーメンが好きならば、単にラーメンを注文するだけでは満足できず、麺の硬さまで指定したい。そういう人は少なくないはず。人によっては、麺の硬さだけでなく、スープの濃さ、野菜の多さ、外してほしいトッピングなど、色々と注文を加えて、自分の好みのラーメンを作ってもらう。そんな人達もいるかもしれない。
 ラーメンを注文するときによく聞かれるのが、「麺の硬さ、どうしますか?」という質問。東京のラーメン屋に入ると、ほぼ確実に聞かれる質問で、この質問には真摯に答えないといけないのが東京のルール。
 単純に、「普通で」、「硬めで」、「柔らかめで」という指定もできるが、通になると、「バリカタ」とか、「ハリガネ」、さらには「粉落とし」などという指定もするらしい。
 そんなに硬い麺が好きならば、もう「粉がついたまま麺を食べればいいんじゃないの?」そんな気持ちにすらなる。生麺をそのままガジガジとカジって、スープを後から飲む。硬麺が好きならば生で食べればいいだろう。そんな反発心を持っていた時期もあった。



全般的な傾向として、ラーメンの麺は硬い方が好まれる。ラーメン屋に行けば分かるが、麺の硬さを聞かれて答える人は、ほぼ硬めの注文をしている。
 私がラーメン屋に入った時は、そういう硬めの傾向に反発するべく、あえて「柔らかめで」と答えていた。他のヤツらが硬め、硬めと連呼するものだから、こっちは硬めと注文しにくい。だから、「麺の硬さ、どうしますか?」と聞かれれば、即座に「柔らかめで」とヒネクレて答える。
 豚骨系のラーメンには硬めの麺が合うことは重々承知だけれども、他の人と同じ注文に甘んじるのが嫌で、わざと柔らかめの注文にしていた。とはいえ、たまに硬めで注文してみて、硬い麺と柔らかい麺でどれほどの違いがあるか考えてみたけれども、実際はほとんど一緒だった。まぁ、そりゃあそうだ。麺の硬さだけ違っていて、その他の要素は全く同じなのだから、味が同じなのは当たり前。
 東京では頻繁に聞かれる麺の硬さだけれども、大阪のラーメン屋では麺の硬さを聞かれたことがない。半ちゃんセットとか、ちゃんぽんとか、注文するけれども、麺の硬さをあえて聞いてくるお店は少ないように思う。
 私があまりラーメン屋に行かないという理由もあるかもしれないけれども、東京のラーメン屋ではほぼ確実に聞かれることが大阪のラーメン屋では聞かれないのが不思議。


 私は麺の硬さをイチイチ聞かれるよりも、お任せで作ってくれる方がいい。ラーメンのスープや麺の太さなどによって、最適な麺の硬さは違うだろうから、ナンデモカンデモ硬い麺が良いとは限らない。だから、お店の人が、「この硬さが一番ウマイ」と考える硬さで作ってくれるのがありがたい。
 その点では、大阪のラーメン屋の方がラクチン。お品書きに書いているメニューを注文するだけだから、変にイレギュラーな質問をされてオドオドする人が出てこず、お客サンも安心できる。


 麺の硬さを聞くのは、ステーキの焼き加減を聞くのと似ている。ステーキ屋に行くと、焼き加減を聞いてくるけれども、ここでも「どうせほとんどの人がミディアムと答えるんだから、もう自動的にミディアムにしちゃえばいいのに」と思うのが私のキモチ。
 ウェルダン、ミディアム、レアの3種類が代表的な焼き方で、さらにミディアムとレアの中間にミディアムレアという焼き方もあって、おそらく多くの人の好みはミディアムからミディアムレアに集中しているのだと思う。
 ステーキは焼きすぎるとパサパサになっておいしくないので、ウェルダンと注文する人は少ないだろう。あえてカッコつけて「ウェルダン( ゚д゚ )」と言う人も600人に1人ぐらいはいるかもしれないけれども、わざわざおいしくないステーキを食べる必要もない。
 だから、ステーキもラーメンも、お店に人が「これがベストだ」と思える状態で作ってくれれば、お客サンにとってもベストだろう。