2014年3月19日

Windows8.1を使ってみた感想。


Windows 8.1の通常版を開封して、中身を紹介した動画です。



 ずいぶんと長い間、Windows XPを使ってきたけれども、やっと新しいWindows8.1に変更することになった。




 Windows XPを使い始めたのは、大学1年だっただろうか。その頃は、自分のパソコンは所有していなくて、ネット接続したければ大学の基礎情報センター(名前を思い出せないが、こんな感じの名前だった気がする)に行って、自分のネット接続アカウントを使ってパソコンを使う日々だった。
 その頃は、まだパソコンは高価なもので、そんなに経済的なユトリが無かった私には購入できるものではなく、もし購入できたとしても、ネット接続のための契約もこれまた料金が高かった。
 ちょうどソフトバンクがADSL事業に参入して、駅前で赤いジャンパーを着た人達がモデムを無料で配る集客をしていた時期だったけれども、パソコンも無いのにプロバイダー契約をしても仕方ないので、私には無縁のADSLだった。


 それから時が経ち、2014年になって、新しいWindowsを使うことになった。Windows XPはかれこれ10年以上使ってきたので、あの見た目に慣れてしまったけれども、「もうそろそろ変えたい」と感じていたので、ちょうど良い機会だった。
 Windows 8.1の前には、Windows VistaやWindows 7が登場していたけれども、ナンダカンダと言い訳を見つけて、切り替えずにここまで来た。Vistaのころはそうでもなかったけれども、さすがにWindows 7が登場した頃は、「切り替えようか、、」と思ったほどだったけれども、「まぁ、まだ使えるから大丈夫」と自分に言い聞かせてきた。


価格はリーズナブルになった


 Windows 8.1のソフトはAmazonで購入したが、以前のWindowsに比べてずいぶんとリーズナブルになっていて、購入しやすくなっている。以前のタイプは3万円から5万円ぐらいの価格だったけれども、Windows 8.1の通常版は11,400円ぐらいだった。
 Windows OSの価格は高くて、そんなに気軽に買えるものではなく、この点でなかなか新しいOSに切り替えようという気持ちになりにくかった。
 Windows 8.1のディスクは紫色の箱に入っていて、横にスススっと引き出すと中身を取り出せる仕掛けになっている。窓の部分が切り抜かれていて、ちょっと凝った感じだった。
 中身は、32bit版と64bit版のディスクが1枚づつ入っていて、あとは簡単な説明書、それとプロダクトキーのカードが入っている。事前に32bitか64bitかを選ぶ必要はなくて、購入してから自分でどちらを使うかを決めることができる。
 ちなみに、DSP版のWindows 8.1だと、購入前にどちらかを決めておかないといけないので、間違って購入すると厄介。その点、通常版はどちらにも対応していてありがたい。


起動時間はとても早くなった


 実際に使ってみると、まず起動時間が早い。Windows XPは起動時間が長くて、電源ボタンを押してからその場を離れ、10分ぐらい経ってから戻ってくるとコンピューターの立ち上がりが完了している。そんな状態だったので、それに比べるとWindows 8.1 の起動時間の早さは申し分ない。
 電源を押したらすぐにPCを使いたいはずだから、起動時間は短ければ短いほど良い。私が使っているPCの場合は、電源ボタンを押してWindows 8.1が起動するまでの時間は約30秒。Windows XPで何分もかかっていたことを考えれば、申し分ない速度だ。



Internet Explorerの動作が早い


 他には、Internet Explorerがキビキビ動くところが良い。Windowsで最も私が利用するアプリケーションがInternet Explorerなので、動作が早いのは歓迎できる。ただ、2014年3月時点では、Internet Explorer 11に対応していないウェブアプリがあり、そういう場合はFirefoxやGoogle Chromeに切り替えて対応するといい。「最初からFirefoxを使えばいいんじゃないの?」と思うところだけれども、そんなことを言っちゃったら元も子もない。せっかくWindowsを使っているのだから、やっぱりInternet Explorerを使いたいじゃないか。


 起動が早い。デザインがオシャレ。Internet Explorerの動きが早い。この3点だけでも満足できる仕上がりだと思う。



コンピューター臭さが薄れた


 Windowsといえば、機械臭いデザインで、初めてPCに触れる人を恐怖させる。そういうシロモノだった。コンピューターが苦手という人がイメージするPCは、おそらくWindows PCのはず。
 新しいWindows 8.1はデザインがオシャレなのが特徴。タイルというかパネルというか、スッキリした雰囲気。以前はメトロUIと呼ばれていたけれども、色々あってモダンUIと呼ぶことになったシロモノだけれども、このデザインは私好み。あのポップな感じがコンピューター嫌いな人をちょっとでも少なくしていく。そんな気がする。
 Windows XPの頃は、コンピューター臭いというか、メカメカしいというか、いかにも「コンピューターを使っています」という感じで、好きになれなかった。しかし、好き嫌いにかかわらず、学校や職場ではWindows  XPばかりだったので、嫌でも使わざるを得なかった。
 中学生の頃はWindows、高校生の頃もWindows、大学生の頃もWindows。学校にMacが置かれているなんてことはなく、常にコンピューターと言えばWindows一色だった。




上記がWindows 8.1の良いところ。

ここから先は、Windows 8.1を使っていて、気になったところをお伝えします。

シャットダウン方法が3つもある


 Windowsを終了させることをシャットダウンと言う。この点については多くの人が知っているだろうから、あえて堂々と書く必要もないかもしれない。
 Windows 8.1を使い始めて、最初の課題は、どうやってシャットダウンするかだろう。Windows XPならば、左下のスタートボタンからシャットダウンを選んで電源をオフにするのが慣れた手順だったけれども、Windows 8.1ではそもそもスタートボタンがないので、シャットダウンをどうやるかで迷うはず。

 Windows 8.1になって、シャットダウンの方法は私が知るかぎりで3つある。

 1つ目の方法は、ホーム画面の右上に表示されるユーザーアイコン(ユーザー名も表示されているはず)をクリックし、ポップアウトしたメニューからサインアウトを選び、画面が切り替わったら、画面に表示される電源アイコンを押し、シャットダウンする方法。
 この方法が始めに知ったシャットダウンの方法。ナンダカンダと操作しているうちに、「あぁ、こうやれば電源をオフにできるのか」と理解したのが1つ目の方法。

 次に、2つ目の方法は、ホーム画面右側にフワッと出てくるチャームメニューの設定からシャットダウンする方法。
 ホーム画面で、マウスポインターを右上か右下に持って行くと、画面の右サイドにフワッとメニューアイコンが現れる。これがチャームメニューというもので、メニューは5つある。その5つのうち「設定」というメニューをクリックすると、下部に電源アイコンが表示されるので、そこからシャットダウンできる。

 最後の3つ目の方法は、ホーム画面左下のWindowsボタンを右クリックして、ポップアップするメニューからシャットダウンを選ぶ方法。
 おそらく、この方法が最もカンタンなシャットダウン方法ではないか。左下といえば、往年のスタートボタンがあった位置だし、右クリックからシャットダウンを選択するだけなので手数も少ない。

 さて、3つもシャットダウン方法があれば便利だろうとも思えるけれども、私は混乱の元になると思う。
 シャットダウン機能は、Windowsを使っていれば必ず使う機能なので、すぐに分かる方法で利用できないといけない。しかし、初めてWindows 8.1を使うと、おそらく「どうやってシャットダウンするんだ?」と迷ってしまう人が多いはず。これではマズい。
 もちろん、「迷うのは最初だけだから、一度覚えれば大丈夫だろう」と思えるけれども、基本機能には誰でもすぐに分かるような動線を用意しておくべきだろう。

 例えば、ホーム画面の右下に電源アイコンを置いておき、ここからサインアウトとシャットダウンをできるようにして、他の場所からはそれらの操作はできないように廃止しておく。こうすればシャットダウンへの動線が分かりやすくなるんじゃないか。
 ホーム画面の右下はガラガラに空いているので、電源アイコンぐらいは隅っこにチョコンと置けるはず。

(追記 2014年4月4日)
 ソフトウェアのアップデートにより、ホーム画面右上にあるユーザーアイコンの隣に電源アイコンが表示されるようになり、ここからシャットダウンできるようになった。
 私の提案では、ホーム画面の右下に電源アイコンを置くというものだったけれども、ユーザーアイコンの隣でも分かりやすいので、これでいいと思う。
 ちゃんと改良されているのが好印象だ。





Internet Explorerが2つある


「Internet Explorerが2つある」と書くと、何のことだか分からない人もいるかもしれない。Internet ExplorerはWindowsのブラウザーアプリケーションで、1つしかないはず。そう思うはずだから、2つあると言われてもワケが分からないもの無理はない。
 しかし、Windows 8.1には本当に2つのInternet Explorerが存在している。

 1つ目のInternet Explorerは、モダンUI版のInternet Explorer。2つ目のInternet Explorerは、デスクトップUIのInternet Explorer。これが2つのInternet Explorerの正体。

 パネルデザインのモダンUIページにあるInternet Explorerアイコン(大きいeマークのアイコン)をクリックすると、モダンUI版のInternet Explorerが起動する。起動すると、全画面にウェブサイトが表示されて、Internet Explorerを利用できるモードになる。
 一方、デスクトップUI版のInternet Explorerは、ホーム画面に表示されるデスクトップというアイコンをクリックするか、もしくは左下のWindowsアイコンをクリックすると、モダンUIとデスクトップUIを切り替えることができる。パネルデザインではないデスクトップUIに切り替え、左下にあるInternet Explorerのアイコンをクリックすると、デスクトップUI版のInternet Explorerが起動する。
 このデスクトップUI版のInternet Explorerは、Windows XPでも使っていたタイプと同じで、「あぁ、いつものInternet Explorerだ」と感じるはず。

 上記のように、「Internet Explorerが2つある」わけだけれども、じゃあ何が問題なのか。
 普通にInternet Explorerを使っていると気づかない人もいるかもしれないが、モダンUI版Internet ExplorerとデスクトップUI版Internet Explorerは、それぞれ別々に動く仕様になっている。
 Internet Explorerには、タブブラウザー機能があり、お気に入り機能でウェブサイトをブックマークできる機能があるのだけれども、2つのInternet Exproler間では、開いているタブやお気に入り登録情報が同期されないし共有もされない。つまり、同じInternet Explorerなのに、別のブラウザーであるかのような動きをするわけだ。

 1つのPC上で動く同じアプリケーションなのに、2つ存在していて、それぞれが別々に動くとなれば、混乱する人もいるはず。
 だって、同じInternet Explorerなんだから、開いているタブは常に両者とも同じになるべきだし、お気に入り登録されているウェブサイトも同じ情報を共有しているべきはず。さらに言えば、Cookieも全く同じものを持っているべき。
 にもかかわらず、2つのInternet Explorerは別物として扱われている。

 おそらく、モダンUIとデスクトップUIをカンタンに切り替えることができるために、さも2つのInternet Explorerが存在するかのような状態になってしまっているのだと思う。
 モダンUIとデスクトップUIの切り替えをコントロールパネル経由にして、ワンクリックで切り替えられないようにすれば、混乱は回避できるかもしれない。
 しかし、2つのInternet Explorerでタブやお気に入り情報が共有・同期されていないと、UIの切り替え方法を変えても混乱する人が出てくるだろう。

 モダンUIであれ、デスクトップUIであれ、Internet Exprolerのタブやお気に入り情報は常に同じ状態になるように設計を変更して、利用者に混乱が起こらないようにする必要がある。

(2014年3月26日、追記)
 2つのInternet Explorer、モダンUI版Internet ExplorerとデスクトップUI版Internet Explorerが併存していたが、追記の時点で確認したところ、デスクトップUI版Internet Explorerに一本化されていた。
 モダンUIのホームにあるIEのアイコンからInternet Explorerを起動すると、モダンUI版ではなくデスクトップUI版が起動するようになった。もちろん、デスクトップUI版を起動すればデスクトップUI版のInternet Explorerが起動する。
 この変更により、2つのInternet Explorerで利用者が混乱することはなくなった。

 いつ上記のような変更がなされたかは不明だけれども、Windows 8.1はシャットダウン時に更新を行うようになっていて、その時にシステムが変更されたのかもしれない。




全角半角の入力モードが見えない


 これはモダンUI版のInternet Explorerで起こる問題。ブラウザーを使っていて、何らかの文字を入力する場面になると、全角ひらがなや半角英数字で入力するわけだけれども、その時、画面の右下に入力モードが表示されるのがWindowsの特徴だった。
 しかし、モダンUI版のInternet Explorerを使っていると、全画面にウェブサイトが表示されるので、右下に入力モードが表示されない。そのため、今、全角で入力しているのか、それとも半角で入力しているのか、ひらがなか、それともカタカナか、アルファベットなのかが分からなくなる。
 デスクトップUI版のInternet Explorerならば、いつも通りに右下に入力モードの状態が表示されるので、全角なのか半角なのか迷うことはないはず。しかし、モダンUI版の場合は、右下にあるべきものが無いので、不便に感じる。
 入力モードが表示されなくても、入力を切り替えて、何かを実際に入力してみれば分かるのだろうけれども、目隠しされてスイカ割りをするような気分になるので、あまり快適な感じはしない。

(2014年3月26日、追記)
 モダンUI版のInternet ExplorerがデスクトップUI版に集約されたため、入力モードが見えないという問題は解消できている。
 さらに、入力欄にカーソルを合わせているときに、入力モードを変更すると、入力モードの内容がポップアップされるようになり、右下の入力モード表示で確認しなくても判断できるようになった。




 写真のように、入力時にモードを変更すると、吹き出しが表示され、全角、半角、カタカナ、ひらがな、英数字などが分かるようになっている。






チャームメニューが不要


 ホーム画面の右サイドに表示されるチャームメニューはなくても一向に困らない。検索、共有、スタートボタン、デバイス、設定。この5つがチャームメニューの中身だが、あったらいいと思うのは検索だけ。あとの4つは他の機能で代替できるので必要はない。
 共有機能は、ウェブサイトを見ていれば使うだろうけれども、そういう時はInternet Explorerを使っているだろうから、共有機能はInternet Explorerの機能に吸収させてしまえばいい。ホームに共有メニューは要らないはず。
 スタートボタンは、ホーム画面の左下にも同じものがあるので、チャームメニューでさらに追加的に表示する必要はない。さらに言えば、スタートボタンと書いているけれども、これはスタートボタンではない。この点は後述する。
 設定とデバイスの2つは、コントロールパネルに集約できるはずだから、あえてチャームメニューに含める必要はない。ショートカットメニューとして使いたいならば、右下のタスクトレイにでも含めてしまえばいいはず。
 唯一必要かと思えるのは検索だけ。ローカルディスク内のファイルを検索するときには使えるはずだから、この検索だけは残してもいいかもしれない。
 残すメニューが検索1つとなれば、右サイドにドーンと展開する必要はないので、画面の右上か右下に検索メニューを隠しておいて、ポインターを隅に近づけた時だけ表示するようにすればスッキリする。

(追記 2014年4月5日)
 4月8日のアップデートにより、ホーム画面右上のユーザーアイコンの隣に電源アイコンが表示され(この点については上記にて言及済み)、さらにその隣に検索アイコンも表示されるようになる。
 チャームメニューが不要であることは変わりないが、検索メニューをホーム画面に独立させたのは良い判断。検索アイコンがホーム画面に表示されたら、もうチャームメニューは不要になるはず。
 4月8日のアップデートではチャームメニューについては手を加えていないけれども、将来的には廃止しても差し支えないだろうと思う。



スタートボタンがスタートボタンじゃない


 ホーム画面の左下、チャームメニューの中、この二箇所に「スタートボタン」と称するものがあるけれども、これはWindows XPの頃にあったスタートボタンとは違うもの。
 スタートボタンというと、各種メニューへの入り口という位置づけで、何か操作をしたいときはスタートボタンからというのが昔のWindowsの法則のようなものだった。
 Windows 8.1も、ウィンドウズアイコンを使ってスタートボタンを実装したかのように見えるけれども、あれはスタートボタンではない。「あっ! スタートボタンだ」と思ってクリックすると、ガッカリするだろう。
 あのウィンドウズアイコンは、スタートボタンではなく、モダンUIとデスクトップUIを切り替えるためのボタンとして位置づけられている。だから、スタートボタンというよりも、画面切り替えボタンと表現したほうが適切だ。

 チャームメニューに入っているウィンドウズボタンには、ハッキリと「スタート」と書かれていて、これがまた誤解を招く仕掛けになっている。何もスタートしないのに、なぜスタートなのか。

(追記 2014年4月4日)
 ホーム画面左下にWindowsアイコンのボタンがあり、スタートボタンっぽい感じのように思えるけれども、これはスタートボタンとは似て非なるものだった。
 しかし、ソフトウェアアップデートにより、スタートボタンがキチンと復活するようです。Windows XP の頃のように、クリックすると各種のメニューやアプリが表示されるあのスタートボタン。あれが戻って来る。
 今までは、モダンUIとデスクトップUIを切り替えるだけのボタンだったけれども、Windowsらしく元に戻すようだ。とはいえ、Windowsアイコンを右クリックすればちょっとしたメニューは表示できたのだけれども、やはり昔のようなスタートボタンの挙動の方が分かりやすい。




外見はキレイ。だけれども、中はゴチャゴチャ


 キレイなタンスに見えるのに、扉を開けると中はごった返している。オシャレな冷蔵庫なのに、中を見るとカオス。Windows 8.1もこれらと同じ。
 ホーム画面を見ると、とてもスッキリしていて使いやすそうな感じがするけれども、使っていると、色々と混乱や誤解を生む設計になっていて、ツッコミどころが多い。
 とはいえ、起動の早さ、デザインの良さ、Internet Explorerの動作の早さ、これらだけでも十分に進歩している。この点だけでもWindows XPからWindows 8.1へ乗り換える動機としては足りる。
 しかし、細かい利用者動線の設計が宜しくない部分が散見され、これらの部分で満足感が低下する。

 重大な欠点は無いものの、細かい改善すべき点が多いので、その点をアップデートで解消すればさらに良いOSに変われるはず。