2014年12月14日
第4章だけ読んでもいい。 - 学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話
学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話
落ちこぼれが努力してのしあがり、有名大学に現役で合格するストーリーを本に書いたもの。生徒と教える人の間で生じた出来事をまとめたのが本書の主な内容。
漫画やドラマで知られている『ドラゴン桜』と似ている。ドラゴン桜では落ちこぼれの生徒が破天荒な教師に学習方法を教えられ、学んでいくうちに大学に合格するストーリーだった。
先に書いておくと、この本を読めば合格できるというシロモノではなく、あくまで1つの物語として読むといい。
授業中のノートの取り方について書かれた部分(p143)があるが、コーネル式というノートの作成方法があるようで、私は初めて知った。ページを3分割して、本文(NOTES)、補足説明(CUES)、要約(SUMMARY)で構成するのがコーネル式らしい。
学生の頃のノートと言えば、黒板やホワイトボードに書かれた内容を書き写すパターンが多くて、実に苦痛な作業だったのを覚えている。今考えると、何も丸ごと書き写す必要は無くて、自分が必要なことだけを書けばいい。
今ならば、スマホのカメラで黒板を撮影したり、授業の動画を撮影して、ノートを作る手間を省くのがオススメだけれども、こういう新しい手法を用いると、どうしてもネガティブに反応するヒトたちもいる。修業のように板書内容をノートに書き写すのがいいと考える人もいて、「書くことで覚えられる」と言う人までいるので厄介だ。
さらには、ノートチェックというものまであって、定期的にノートの内容を教師がチェックして採点するため、仕方なく書き写し型のノートを作成せざるを得ない状況もありえる。私が学生だった頃は、ノート提出というイベントがあり、ノートの内容を教師がチェックしていた。
ノートは自分のために作っているものだから、他人に見せるものじゃないので、どのように書いてもいいのだけれども、強制的に書き写すような雰囲気を作り出すのはもうヤメにしないといけないんじゃないか。
長文読解の学習法の部分はまさにその通り。パラグラフリーディングの基本通りの読み方を説明しており、知らない人は参考になる。
本書は全部で7章で構成されるが、オススメは4章の内容。上記のノートに関することやパラグラフリーディングに関する内容も4章に書かれているので、本を手にとったら、まず4章から読むのもいい。
どん底から這い上がって上に行くエピソードは人間が好むパターンで、この本もそのパターンに基いて書かれている。意図したものか、そうではないのかは分からないが、受けが良い本に仕上がっていることは確か。
書籍だけでなく、他にも漫画、映画、ドラマも同じ。主人公が何らかの理由で不遇な扱いを受け、艱難辛苦の境遇に置かれ、そこから立ち上がり、最後にはハッピーエンドを迎える。身近にもこのパターンはたくさんある。
まず下に行って、苦しい思いをして、上に徐々に上がっていく。こういうストーリーに共感するように人間は作られている。まさに黄金パターンの構成であって、この本も例外ではない。
まずタイトルの設定が上手い。『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』というタイトルにはキャッチワードが5つ入っている。
1.学年ビリ
2.ギャル
3.1年で
4.偏差値を40上げて
5.慶應大学に現役合格
これでもかと売れるポイントを詰め込んでいる本で、タイトルだけを読んで買ってしまう人も多いはず。
さらに、表紙には茶髪の女子高生が写っており、さもダメそうな女子高生をイメージさせて、「こんな人でも慶應大学に現役で合格したんだ」というギャップを感じさせ、本を購入させる。この時点で本としては成功だし、売れる。
文章は読みやすいように短く切られていて、テンポ良く読める。ザザーッと読むと、「こういう人でもできるんだなぁ、、」という感想で終ってしまい、得るものが無い読書になってしまうかもしれない。
先程も書いたように、この本のハイライトは第4章なので、ここを重点的に読めば、学習の参考になる点はある。
学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話