2014年4月13日

ドコモの新料金プラン カケホーダイとシェアパック。旧料金プランはどうなる?


 2014年6月1日からdocomoの新料金プランが始まる。カケホーダイとパケットのシェア、この2本柱によって構成される料金プランで、家族で使うとお得なプランになっている。

新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」 | 料金・割引 | NTTドコモ新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」 | 料金・割引 | NTTドコモ

 発表された当初、docomoのウェブサイトで初見では、「何だか難しそうなプランだなぁ、、」と思ったものの、料金プランのページを見ていると音声とデータの2本立てで、通話定額とパケットの分けあい、この2つだけであって、さほど複雑ではないと思えるようになった。

 今回の新料金プランでもっとも気になるのは、今現在の料金プランがどうなるのかという点。Xiの場合は、タイプXiにねん、Xiパケ・ホーダイ フラット、同ライト、Xiデータプラン フラット にねんなど、2014年4月時点で利用されている料金プランがあるが、これがどうなるのかが不明。



 もし、全ての契約者(既存契約者の場合は移行希望した人)が新料金プランしか選択できないようになると、基本プランで月額2,700円が必要になるので、月額780円の現状からは費用がアップする。

 ただ、docomoのウェブサイトを見ても、現在の料金プランを2014年6月1日以降は廃止するとは書かれていないので、おそらく、現行の料金プランは残しつつ、追加的に今回の新料金プランをラインナップに加えていくという流れなのかもしれない。
 
 電話をカケホーダイにしたい人は新料金プランを選択し、そうではない人は現行の旧料金プランを選択する。そういう選択が可能になるのではないかと思う。

 ネット上の情報では、料金プランが全て今回の新料金プランに移行するかのように書かれているものが多いけれども、現行の料金プランが廃止されるとは書かれていないので、おそらく現行の料金プランと新料金プランが併存する状況になると考えるのが自然。

 もし、新料金プランが契約時に必須となれば、さすがに契約者から反発される。基本料金だけで月額2,700円になり、そこにさらにパケット料金も乗るわけだから、月額6,000円ぐらいが標準になる。これを契約者全員に強要するような状況は考えにくい。

 スマホでほとんど電話しない人にはメリットがない新料金プランなので、現行の料金プランは残すはず。LINEや050plus、Skypeなどを使って音声通話はできるので、ケータイ回線で長電話する人は減っている。だから、今回のカケホーダイを選ぶ人はさほど多くはないんじゃないかと思う。

 新料金プランを発表したのはいいとして、現行の料金プランについては2014年6月1日以降も利用可能であることをdocomoは発表すべきなんじゃないか。さもないと、契約者全員が新料金プランを強要されると誤解する人が増えてしまう。

 docomoの料金プランが新料金プランに一本化されると考えている人が多々いるけれども、現行の料金プランを廃止するとは公式ではアナウンスされていない。そのため、現行の料金プランに追加して新料金プランが選択肢に加わると考えておくのが妥当だろう。


 さらに謎な部分があって、基本プランにあるデータプランを選択した場合、1,700円もしくは1,200円の基本料金が必要になる。通話ができないデータプランなのになぜか基本料金が発生するという謎の仕組み。

 現行の料金プランの場合、データプランを選択すると、「データフラットプラン+ISP」の組み合わせで使えるため、基本料金は不要。しかし、新料金プランの場合は、パケット定額料金にISPが付加され、さらに意味不明の基本料金も必要になる。どういう理由でデータプランに基本料金が必要なのか、ここも説明が必要だろう。

 基本プランなしでパケットパックのみを契約できるならば、上記の基本料金を不要にできるけれども、そのような選択が可能なのかどうか。この点も2014年4月13日段階では不明。


 1,2014年6月1日以降、現行の料金プランはどうなるのか。
 2,なぜデータプランに基本料金が必要なのか。

 上記の2点についてウェブサイトなどで説明しないと、新料金プランへの疑問は解消しないので、docomoは早めに説明する必要がある。



(追記 2014年4月17日)

報道発表資料 : 新たな料金プランおよび割引サービスを提供開始 | NTTドコモ報道発表資料 : 新たな料金プランおよび割引サービスを提供開始 | NTTドコモ

 上記のページでは、既存プランの扱いについて、「Xiの既存プランおよび既存プランに関連する割引サービスについては、2014年8月末をもって新規受付を終了します。(FOMAの既存プランについては、引き続き新規のご契約が可能です)」と書かれているので、現行のXi回線用の料金プランは廃止される予定らしい。そのため、上記の1の点については疑問が解消した。

 普通のケータイ(FOMA機種)は現行のプランも選択できるようで、スマホを使わない人は現状どおりの契約が可能。

 6月以降、実際に新料金プランを利用した実例が出てこないと、いまいちイメージしにくい。パケット通信枠のシェアだけでなく、月々サポートのシェアもできるようなので、頭の中で考えているだけではやはりシックリこない。
 
 カケホーダイの部分は基本契約ではなく、オプション契約にできないものなのか。スマホはデータ通信が主体になるので、電話のカケホーダイと言われても、通話する時間はドンドンと減るはず。

 カケホーダイをプラス2,000円ぐらいのオプションで選択制にすれば、電話をあまり使わない人も使いやすい仕組みになりそうだけれども、カケホーダイを強制するところが新料金プランの特徴なので、そうもいかないのかもしれない。



(追記 2014年4月18日)

 新料金プランのページによくあるご質問のページが追加された。

 カケホーダイプランのみでの契約は可能と書かれているので、FOMAケータイでMバリュー以上のプラン(M、L、LL)を利用している人は新料金プランに移行するとお得になる。FOMAケータイのカケホーダイプランは、月額2,200円なので、仕事で電話を頻繁にかける人はとてもお得なプランになる。

 今回の新料金プランで最もお得な道は、カケホーダイプランのみで使う選択だろうと思う。特に普通のケータイで月額2,200円でケータイ向けでも固定向けでも定額通話が可能になったのは価値がある。

 パケットパックやパケットのシェアについては、どうもお得な感じがない。家族で利用して、パケットシェアオプションを使うならば、それなりにお得感があるかもしれない。しかし、1人でdocomoのケータイを使っている場合は、あまりお得ではない。

 今後は、データ通信はMVNOで、通話はキャリアの定額プランで、というように使い分けする方法もありそう。ただ、MVNOの回線はテザリングには未対応なので、スマホのテザリング機能を使いたい人はキャリア経由で契約する必要がある。


 データプランの利用についてもQ&Aが掲載されているが、肝心な部分はAnswerに書かれていない。

Q、データ通信のみ利用する場合でも、「カケホーダイプラン」の契約は必要ですか?

A、データ通信のみ利用する場合は「カケホーダイプラン」ではなく、「データプラン」のなかからご利用されるデバイスにあったプランをお選びください。

 上記のように書かれているけれども、謎の月額1,700円、もしくは月額1,200円の料金については説明されていない。データプランならば、「パケットパック+ISP」の組み合わせで使えると考えるのが自然なのだけれども、なぜか基本プランも必要になるのが分からない。

 カケホーダイならば確かに基本プランは必要になる。しかし、データプランならば、基本プランは不要と考えるはずだけれども、基本プランは必要らしい。この点はまだ謎だねぇ、、。



(追記 2014年4月23日)
 
 コミュニケーションの原点回帰へ――ドコモ加藤社長に聞く「カケホーダイ&パケあえる」の狙い (1/2) - ITmedia Mobile コミュニケーションの原点回帰へ――ドコモ加藤社長に聞く「カケホーダイ&パケあえる」の狙い (1/2) - ITmedia Mobile

 上記のページにて、

―― ドコモとしては、完全定額を前面に打ち出していくと。 
加藤氏 音声だけでも大丈夫ですから。フィーチャーフォンでパケットなしでもOKです。パケットを使う場合は、「パケットパック」に入ってもらってISPと足してもらいますけど。推奨するわけではありませんが、パケットパックだけも選べます。こうした分け方をどうするかは、間際まで悩みました。

 このように書かれている部分があって、「推奨するわけではありませんが、パケットパックだけも選べます。」という内容が気になる。

 素直に解釈すると、カケホーダイ無しでパケットパックを契約できるかのように発言されているが、どう考えるべきか。「パケットパック+ISP」という組み合わせで契約してもOKなのか、それとも、ISP無しで「基本プラン+パケットパック」というパターンを想定して発言したのか。ちょっと気になる部分。

 もし、「パケットパック+ISP」という組み合わせで契約が可能となると、基本プランにラインナップされているデータプランは不要になる。とはいえ、左記の組み合わせが可能となると、データプランの基本プラン(月額1,700円ないし月額1,200円)が意味のないものになってしまう。となると、やはりデータプランであっても基本プランは必須と考えざるを得ない。

 しかし、データプランであっても基本プランが必須となれば、やはり月額1,700円ないし月額1,200円の料金に対する意味を示さないといけないんじゃないか。例えば、データプランの基本プランには、月間500MBの基本通信枠が付帯しますとすれば、基本プランに対する意味を与えることができる。

 さらに、基本プランの500MB枠だけで契約することも可能にし、パケットパックは契約しないので月々サポートは無しにする。こういう選択もあっていいのではないか。さすがに通信枠を月間1GBにするとなると料金に対して多すぎる枠なので、基本プランに含まれるものと考えれば、500MBが妥当な通信枠だと思う。

 「データプランの基本プラン+ISP」の組み合わせで、500MBまで高速通信が可能になるならば、データプランを選ぶ動機になる。この場合は、パケットパックを契約しないので、月々サポートは無しだけれども、カケホーダイの基本プランとデータプランの基本プランのバランスを考えると、データプランに基本となる通信枠を設定するのは妥当だろう。

 さらに、パケットパックを選択すれば、月々サポートが付き、さらに500MB+2GBとか500MB+5GBというように、基本通信枠にパケットパックの通信枠がくっ付くようにする。


 パケットの2GB枠や5GB枠については、携帯会社は消費者の教育に成功したなと感じる内容になっている。3G通信がメインだった頃は、使い放題が当然で、通信枠に上限は無かった。しかし、LTE通信がメインになり、7GBだとか、5GBだとか、2GBというように、行儀よくネット接続するように消費者は慣らされてしまった。そう感じる。