イオンが、通信サービスをセットにしたスマートフォン(高機能携帯電話)を低価格で発売することが30日、分かった。端末代金と基本料、定額のネット接続料を含め、携帯電話大手の半額以下の月額2980円(税抜き)で提供する。4月1日から予約を受け付け、4日から総合スーパー「イオン」の携帯電話売り場で販売する。
端末は米グーグルと韓国LG電子が開発した「ネクサス4」で本体価格は3万4080円(24回払いの月1420円)。これに基本料とネット定額を1560円にした携帯電話用ICカード「SIMカード」を組み合わせる。
携帯電話事業者から回線を借りて割安な料金でサービスを提供する仮想移動通信事業者(MVNO)を活用、ネット接続の通信速度を抑えることで低価格を実現した。メールやインターネットの閲覧の利用が中心の主婦や学生などを中心に売り込む。
当面は8000台限定で販売し、売れ行きをみて今後の展開を検討する。
Nexus4とMVNO回線がセットになって月額2,980円という内容で、イオンから販売されるようだけれども、結論から言えば、実に微妙な内容。
月額2,980円で端末と回線がセットになっていると、さもお得な感じがしないでもないが、内容がNexus4と日本通信のSIMですから、お世辞にも良いセット内容とは思えない。
2014年3月の時点では、MNP一括0円でiPhone5Sを契約して、回線と端末を使えば、月額2,000円程度で端末とフラット回線を使える。さらに、MVNOではなく通信会社からの直接契約だから、通信制限の枠も7GBまで使える。
この状況で、あえてイオンの2,980円セットを選択する理由はあまりない。さらに、端末は古い機種だし、回線は制限の多いMVNO回線だし、中途半端さを感じざるを得ない。
売れ行きを把握するために、8,000台を用意するみたいだけれども、おそらく売れ残るだろう。
月額1,980円で端末と回線が込みならば売れるかもしれないが、安いという理由だけで売れてもいいことはない。値段だけでモノを買うと、大抵の場合、後から後悔する。
「なんでこんなモノを買っちゃったんだ、、」と経験したことは1度だけではない。30%割り引きだとまだ正常に判断して買い物をするけれども、半額以上の割り引き率になると、買うつもりじゃなかったものまでつい買ってしまい、後から後悔する可能性が高まる。
「安物買いの銭失い」と言う言葉は本当に正しい。とはいえ、リーズナブルで質の良い物はあるので、値段が安いからといってただちに買ってはいけないというわけでもない。必要なもの、もしくは欲しいものがあって、それが安く販売されていたならば、それは普通に買っていい。しかし、必要なわけではなく欲しいわけでもないけれども、値段がビックリするほど安かったので買っちゃったというのは良い買い物ではない。
買い物に関する講釈はこれぐらいにして本題に戻ると、Nexus4が発売されたのは2012年の11月(http://ja.wikipedia.org/wiki/Nexus_4)、そしてイオンが上記のセットを販売するのが2014年の4月4日から。ということは、約1年半ほど前の端末が今販売されるということになる。
今更、2年前の機種を使い、さらに制限のあるMVNO回線をセットで契約するとなると、やはり微妙と言わざるを得ない。
新しい試みに対してケチをつけるつもりはないけれども、やはりセットで売るからには、せめてNexus7とMVNOのSIMぐらいのセットじゃないと魅力は出せないんじゃないか。
2014年4月8日時点で、ネットニュースでは販売は好調と報じられているけれども、限定8,000台というのは、全国のイオンで8,000台なのであって、1店舗で8,000台ではない。
2013年12月時点で、イオンのGMS形態の店舗数は430店舗。全てのイオンでイオンニューコム(イオンの携帯電話販売店)があるわけではないけれども、8,000台を430店舗で割ると、1店舗当たり18.6台になる。
この数字を多いと考えるか少ないと考えるかは人によって違うけれども、Nexus4やMVNO回線という商品を知っているのはケータイに詳しい人であって、主婦の人やケータイに詳しくない人は選ばない商品だろうと思う。
ケータイに関する話題が好きで、最新のスマホやMVNO回線の種類に詳しい人ならば興味が湧くかもしれないけれども、万人受けするような商品ではなくあくまでニッチ狙いの商品と考えるべき。
AEONのNexus4プロジェクト大成功。
— Frank Seiji Sanda (@FSSanda) April 7, 2014
全国のイオンでわずか8,000台しか用意せず、過小供給の状態で販売して、成功か失敗かを判断するのは早過ぎるように思う。
イオンのネットワークを使って販売するならば、初回ロットで80,000台を用意して販売しても不思議ではないぐらいなのに、8,000台だけ用意して、売れたから大成功というのはあまりにも成功のしきい値が低いんじゃないだろうか。
Androidスマホというのは8,000台売れる程度で成功なのだろうか。今回販売したNexus4のセットも完売したとのニュースは無いし、まだ残っているんじゃないか。おそらく、販売台数の多さで成功を判断しているのではなく、日本通信は何か別の基準で成功を判断しているのかもしれない。
Nexus4は売れ残っていた在庫を引き取って販売したのかもしれないし、SIMはすでに商品として用意出来ていたものだから、販売台数が少なくても商売としては成り立つのかもしれない。
それにしても、小さい話だよねぇ、、。