2013年の10月、暑かった夏が終わってちょっとだけ涼しくなってきた頃に、神戸の北野異人館に行ったのが懐かしい。大阪と神戸は遠く離れているわけではないけれども、行こうと思わないと行けないような微妙な距離感がある。
神戸の異人館というと、何となくオシャレな感じで、セレブな感じがするけれども、実際に行ってみると確かにオシャレでセレブなのだけれども、想像よりはコジンマリとしていた。10月だから、もう秋の入口という雰囲気であるかのように思える時期だけれども、あの時はまだ暑くて、JR三ノ宮駅から歩いて現地まで行くと背中は汗でビッショリになった。
北野異人館街にはいくつかの異人館があるけれども、私が入ったのは仏蘭西館だけで、他の異人館は外から眺めるだけにしておいた。全館共通のチケットもあったけれども、現地に到着したのが昼過ぎで、ズンズンドカドカと異人館巡りをする時間もなかったし、もともと仏蘭西館だけ入る予定だったので、その通りにした。
異人館についての記事は随分と前に書いたので、そちらを参照していただくことにする。
神戸にある北野異人館に異人はいなかった。仏蘭西館の甘い香り。
http://ameblo.jp/m-yurari/entry-11643129869.html
JR三ノ宮駅からJR新神戸駅まで地下鉄が通っているけれども、歩いて行くこともできる。JR三ノ宮駅からJR新神戸駅まで歩くと、だいたい20分ぐらい。大通りの30号線を北に向かってずっと歩けば、新神戸オリエンタルシティが見えてくる。もしかしたら、オリエンタルシティよりも、ANA CROWNE PLAZAという赤い文字の方が先に見えるかもしれない。
夕方の新神戸オリエンタルシティ。日曜日だったけれども、人は少なかった。 |
神戸らしいオシャレな建物。中に入っていけば、新幹線のJR新神戸駅まで行ける。 |
新神戸オリエンタルシティの入り口を西へ向かうと、布引ハーブ園(http://www.kobeherb.com/)へのロープウェー乗り場がある。オシャレなゲートがあるので、おそらく迷うことは無いはず。その通り道を進んでいくと、ロープウェーの山麓駅に到着する。ロープウェーの料金は大人が往復1,400円、子供は700円。さらに、ロープウェーの料金にはハーブ園への入園料も含まれていて、ちょっと得した気分になる。
新神戸オリエンタルシティからロープウェー乗り場へのゲート。 |
案内板。ナイターの営業もある。 |
スキー場のゴンドラにソックリ。 |
山麓駅から山頂まで一気に行けるのだけれども、途中で中間駅というものがあり、そこで降りてもいいのだけれども、最初はそのまま乗り続けて、中間駅を通り過ぎ、山頂の駅まで行く。到着してゴンドラから降りるときもスキー場と雰囲気はソックリ。ガチャンと音をたてて扉が少し開き、その後にガガガッと左右に開く。スキー場にいるかのような感覚になるので何だか不思議な感じ。
ハーブ園のウェブサイトを見ると、キレイな花がたくさん咲いているように紹介されているけれども、おそらくワンサカと花が咲くのは6月から7月だろうと思う。私がハーブ園に行ったのは3月なので、まだ寒く、園内を散策してもハーブらしいハーブはほとんどなかった。
山頂駅を出て、レストランや売店がある場所を抜け、フレグラントガーデンという場所にいくと、何となくハーブ園ぽい雰囲気を感じれる。とはいえ、ハーブ園のウェブサイトに掲載されているフォト(http://www.kobeherb.com/contents/livecamera.html)を見ると、キレイな花が見えるが、3月に行くとあんなにキレイな花は咲いていない。花が全くないとまでは言わないけれども、申し訳程度にチョロっと咲いている程度。
フレグラントガーデン1。サッパリしている。 |
フレグラントガーデン2。 |
フレグラントガーデン3。オシャレな雰囲気がある。ベンチは鉢植えなので座れない。 |
フレグラントガーデン4。唯一と言っていい花。 |
神戸の布引ハーブ園に行くならば、3月じゃなくて、暖かくなった時期、6月頃(6月だと暖かいというより暑いけれども)がいい。ハーブ園の中を歩いていると、ハーブの説明書きが至る所に付けられていて、多くのハーブは初夏が盛りのようだった。
ラベンダー園も園内にあるけれども、3月だからもちろんラベンダーは無し。屋外のエリアはどこもハーブらしいものはほとんど無く、わずかにレモングラスだったか、僅かな種類のハーブがあった程度。やはり寒い時期はハーブを観るには適していなくて、ちょっと暑いぐらいの時期の方が良いみたい。
「じゃあ特に良いところはなかったの?」と聞きたいところだけれども、チャンと見どころも用意されている。ロープウェー頂上の駅から少し歩いて、ハーブ園を下に下って行くと、グラスハウスという建物がある。この建物は、いわゆる温室ハウスで、寒い時期でも花を室内で育てることが可能になっている場所。
グラスハウスの遠景。ガラス張りの建物なのでグラス。もうちょっと歩く必要があるのでグラス。 |
ハーブ園を下に下ると書いたけれども、神戸布引ハーブ園は山肌に沿って造られており、山麓の駅からロープウェーで頂上まで行き、頂上から中間駅まで山を下りるようにハーブ園を回ることができるように設計されている。そのため、ハーブ園を散策するときは常に下り坂を歩くようになっていて、あまり疲れないように配慮されている。
ハウスの中は3月の寒さにかかわらず、6月ぐらいの蒸し暑さで、息苦しいぐらい。外の景色とは違い、ハウスの中は花でイッパイ。外では写真を取る機会が少なくても、ここならばパシャパシャと撮影できるかもしれない。
ここは単なる温室ハウスなだけではなく、スパイス工房という場所があり、この部屋に入ると香辛料の香りが充満していて、嗅覚が香辛料で占拠される。何種類のスパイスがあったかは数えなかったが、おそらく80種類ぐらいの香辛料があったように思う。香辛料を手にとって香りを嗅ぐこともできるし、ミルで香辛料を砕いて舐めることもできる。とはいえ、香辛料だけを単独で舐めても美味しくないだろうから、口にすることはあまりオススメしない。
スパイス工房。棚に並ぶ銀の食器。 |
インド風の食器が並ぶ。 |
スパイス以外にも食器類の展示がされていて、インドで使っていそうな銀食器が棚の中に飾られていた。ちなみに、棚にはカギがかかっているので、手にとって見ることはできない。インド料理の店に行くか、インドに行くかすれば、イヤというほど触れるはずだから、好きな人はそうすればいい。
スパイスの調合ができる部屋。「料理人になろう!」と書いているが、ここで料理はできない。 |
このハーブ園には足湯が出来る場所がある。お風呂だと体全体をお湯につけるのだけれども、足湯は膝から下だけをお湯につけるナウな入浴法。足湯は別名「脚湯」とも言われる。私は足湯には入らなかったけれども、手をお湯に入れてみたところ、いい感じの湯加減だった。温度は39度か40度ぐらいで、銭湯のお湯よりも少しヌルいぐらいだった。料金は無料なので、入りたい人は入りたいだけ足湯に入っても構わない。ただ、混雑しているときは譲りあう必要があるかもしれないので、その点は配慮が必要になる。
足湯に入ったら足を拭くのだけれども、タオルが100円でレンタルされている。ただ、他の人が使ったレンタルタオルが放置されているので、そのタオルを使えば自分でレンタルする必要はないと思う。もし、100円を節約したいならばそうすればいい。実際に足湯がある現場に行けば、白いタオルが3枚ぐらい放置されているので、他人の水虫が気にならない人は使うといい。
足湯がある周辺のガーデンテラスは景色が良くて、大きな瀬戸内海が良く見える。ここも写真を撮影するには良い場所。目を凝らせば、神戸空港が見えるかもしれない。目を凝らせば、関西空港が見えるかもしれない(さすがにこれはムリ)。ガーデンテラスには椅子やテーブルがあるので、しばらく休憩するのもいいし、持参したランチを食べるのもいい。
マップを見ると分かるが、グラスハウスやガーデンテラスに行くと、帰るときはいったん来た道を戻ることになる。戻ると言ってもちょっとだけだけれども、この場所はコブ状になっていて、ハーブ園の散策経路に復帰するにはちょっと戻る必要がある。
グラスハウスよりも先に進むと、ラベンダー園があるけれども、3月の時点ではまだラベンダーの季節ではなく、花は咲いておらず、ラベンダーの香りも漂っていなかった。ラベンダーといえば、北海道の富良野だけれども、北海道と比べたらここのラベンダー園は小さくてコジンマリとしたもの。このラベンダーも6月後半ぐらいになれば、花が咲いて良い香りがするのだろうと思う。
滝のパティオ1。大きい金魚のようなサカナが泳いでいる。 |
滝のパティオ2。夕方の写真。 |
ハーブ園の散策コースは、山頂から中間駅までは歩くようになっていて、山の下までは歩くようにはなっていない。頂上から神戸オリエンタルシティ横のロープウェー乗り場まで歩くこともできるけれども、中間駅から下はハーブ園ではなく普通の道なので、ロープウェーの片道切符だけ買って、帰りはズンズンと歩いて行くという変わった人でない限り中間駅からロープウェーに乗るはず。
ハーブ園に行くロープウェーのチケットは往復で購入される場合が多いので、途中で落としてなくさないように注意が必要。私がハーブ園に行ったとき、確か森のホールでロープウェーの往復チケットが落ちていた。誰かが落としたのだと思うけれども、なくしてしまうと、帰りにまたチケットを購入しなければならないので、帰りのロープウェーに乗るまではチケットをなくさないようにすること。