2014年5月5日

阿呆方さんを見たかった。お笑いバラエティの倫理観。


 バラエティ番組の『めちゃ×2イケ』で、5月3日の内容を差し替えて放送された。5月1日頃だったか、今、といってももう話題としての旬は過ぎた感じだけれども、小保方報道の内容をパロディー化したコントを放送する予定だったようで、ナンダカンダとネットのニュースに登場していた。

 http://www.j-cast.com/2014/05/03203912.html
 めちゃイケ「阿呆方さん」やはり放送せず 大島優子コーナーも巻き添え食らう

 2014年5月3日放送の「めちゃイケ」では、重盛さと美さん(25)が会見場で「○○はあります!」と言うたびにスリッパのようなもので頭を思いきり叩かれる「阿呆方さん」なるコントが放送される予定だった。そのシーンをフジテレビは当初、動画付きで予告していた。しかし、ネットでは「やりすぎ」などと批判が起き、2日昼に番組公式サイトに掲載していた予告の文面を変更、同夜には記述自体を削除していた。
   代わりに放送されたのは、擬音を使ったゲーム「めちゃギントン」。3日朝時点の公式サイトや新聞のテレビ欄では、このコーナーが新たに告知されていた。




 人の注目を集めている話題を利用してコントを作るのはお笑いバラエティではよくあることで、1から説明しなくても視聴者が理解できるので、流行の話題はコントのネタとして使いやすい。

 お笑いバラエティ番組は顰蹙を買うものであって、不謹慎であり、反発を受けるものでもある。皮肉を言ったり、相手の欠点を論うことで笑いをさそったり、悪ふざけで笑いを引き出したりと、マジメにテレビ番組を見ている人からすると「何だこれはァァァ!(怒)」と思っても不思議じゃない。

 しかし、マジメに評価されてしまっては、お笑い番組は成立しない。そもそも、マジメに見る番組じゃないし、マジメに評価する番組でもない。真面目な顔でデレビの画面を見て、その画面の中では見ても見なくても人生には影響がなさそうな内容が伝えられる。そんなものをアアだコウだソウあるべきだなどと言っても暖簾に腕押しだろう。

 テレビがツマラナイと言う人もいるようだけれども、テレビをつまらなくしているのはツマラナイと言っているあなたかもしれない。ちょっとクレームが来たぐらいで放送内容を変えてしまうテレビ局も軟弱だけれども、テレビをダメにしているのはテレビ番組を作っている人ではなくて、視聴者なのかもしれない。

 さらには、テレビ番組に対するクレームが多いと、BPOまで動き出し、さらにテレビ局が番組を作りにくい雰囲気になっていき、ドンドンと悪循環に入り込む。

 時代が変わったのだからテレビも変わるべきとしたり顔で言う人もいるけれども、つまらない番組を作るようになるのが変化だとすれば、その変化をさせているのはテレビを観ている人なのだと思う。まさに主客一体でツマラナくなっているのがテレビの現状。