2014年5月30日

「とりあえず生中 12コ!」 空気を読めないお酒飲み。



ワタミが上場初の赤字、居酒屋はもう限界か
http://president.jp/articles/-/12643

 乾杯のとき、いまどきの若者には「とりあえずビール」は通用しません。博報堂の「若者研究所」では、約100人の大学生に研究員を務めてもらっています。調査の打ち上げで、私が「まずはビール」と全員分の飲み物を注文しようとすると、空気がざわつきます。理由を尋ねると、「どうして他人の飲み物を勝手に決めちゃうんですか」と憮然とした表情でいわれました。

 いち早く乾杯をしようと、率先して動くのは「意識が高い」「イタイ」として、若者には嫌われます。時間がかかっても、それぞれに注文を確認するのが、彼らのやり方。これは若者の酒離れの一因になっているはずです。

 若者は、アルコールのなかでも、特にビールを飲まなくなっています。飲酒には「なれ」の要素がありますが、特にビールはそれが顕著ではないでしょうか。私は初めてビールを飲んだとき、「うまい」よりも「苦い」と感じたことをよく覚えています。宴席などで繰り返し飲むうちに、独特の風味の虜になりました。

 酒類全般についても同じことがいえます。かつては酒の味をおぼえる前に、半ば強制的に飲まされることがありました。いまは飲みたくない人に強要することはありません。ましてや未成年の飲酒は御法度です。大学のサークルでも、1年生が多い「新歓コンパ」は居酒屋ではなく、カフェなどに場所を移し始めています。居酒屋側も、全員に身分証明書を提示させるなど、未成年の飲酒を厳しく取り締まるようになりました。以前にはあった居酒屋との接触機会が失われているのです。


「なんで他人の分まで注文するんですか?」

 分かる、分かる。ビールを飲みたいわけじゃないのに、店に着いて、席に座ると、いきなり全員分の生中を注文する人。大人数でお店に行くと、そういう人がいます。本人は良かれと思って注文しているのですけれども、ビールを飲みたくない人には不評。

 例えば、12人が参加する飲み会で、ドヤドヤとお店に入って席に着くと、「とりあえず生中(生ビールの中サイズ)12個」みたいな感じで全員分の生中を注文する。そんな光景は不思議なものではなかったのですが、2014年の今ではもう当たり前じゃなくなりつつあるのかもしれない。




「若者は、アルコールのなかでも、特にビールを飲まなくなっています。飲酒には「なれ」の要素がありますが、特にビールはそれが顕著ではないでしょうか」

 確かに、私もビールは飲みませんね。そもそも自宅でアルコールを飲む習慣がないので、特別なイベントに参加したときに飲酒は限定されています。

 私の周りでも、お酒を飲まない人が多くて、風呂あがりに缶ビールをプシュッとする人も少ないんじゃないか。風呂あがりは、やっぱりポカリスエットが最適だと私は思っているタチで、そういう場面でもお酒を口にすることは無いですね。


 「大学のサークルでも、1年生が多い「新歓コンパ」は居酒屋ではなく、カフェなどに場所を移し始めています」

 カフェで新歓コンパ、いいですね。何か現代的でオシャレで、洗練されている感じで。私が大学に入学した時も新歓コンパがありましたが、その時はオシャレなカフェではなく、典型的な居酒屋でした。お酒が出てくると、なぜか酒豪自慢しようとする人がいて、ピッチャー(ガラスでできた大きな容器。飲み物が1リットルぐらい入る)で一気飲みしてアピールしていたのを覚えています。

 不思議と、お酒に弱い人ほどお酒に強いかのようにアピールする傾向があって、ピッチャーでお酒をラッパ飲みする人はグデングデンになって帰っていく。そんなのが日常だった。

 20年ぐらい前、1990年代だと、飲酒を強要されるような場面も多々あったようですが、今では飲酒を強要するとエライことになるので、お酒を無理に勧める人もいなくなりました。飲食店でも、「クルマで来たので」と言えば、アルコール無しで飲食できるので、お酒を避ける方便として運転を理由にするのも良い方法かもしれない。

 私も居酒屋ではなくカフェならば喜んで新歓コンパにも行くでしょうね。カフェで打ち上げならば、ランチの時間に新歓コンパを行うことができるし、お昼ならばお酒も入りにくいので、お酒を普段飲まない人には好まれるはず。夜の打ち上げだと、終了時間を決めずにダラダラと飲みが続くこともあり、女性は嫌がる。その点、カフェならば、お酒もたしなむ程度だろうし、ダラダラと長居できるものでもなさそうなので、女性ウケもいい。