2014年6月10日

資源ごみの不正持ち去りを防ぐ方法は2つある。



 2014年の5月末頃、朝の情報番組のとくダネ!にて、資源ゴミを勝手に持ち去る業者についてのコーナーがあった。その内容は、市町村が集める古新聞をトラックやワンボックスカーで持ち去り、リサイクル業者に販売しているというもので、市町村の担当者が困っていて、色々と対策を講じる場面がテレビで放送されていた。

 テレビでは、古新聞の中にGPS装置を埋め込んで古新聞を持ち去る人たちのクルマを追跡していたが、結局は摘発できずに、そのまま資源は持ち去られたままになっていた。

 ただ、資源ごみはゴミであって、誰の所有物でもないという考えもあって、ゴミとして集積所に置いている古新聞を持ち去ったとしても、持ち主の所有権はすでに放棄されているので、不正という主張はしにくいのではないかと思える。



 仮に、指定の場所に置かれた資源ごみは市町村の所有物になる、という理屈を持ちだしたとしても、やはりゴミはゴミであって、一方的に所有権を主張するのは難しいんじゃないか。

 古新聞以外にも、ペットボトル、空き缶も資源ごみになっていて、空き缶を大量に集めて自転車で運んでいる人もいるので、空き缶の持ち去りもアチラコチラで起きているんじゃないだろうか。


 もし、資源ごみの不正持ち去りを防ぎたいならば、方法は2つある。



1つ目は、「何もしない」という方法。

 資源ごみを回収するには費用と手間がかかるので、あえて市町村は資源ごみを回収しない。じゃあ、資源ごみはどうなるのかというと、集積所においておけば誰かが勝手に回収してくれるので、市町村が動く必要が無い。自動的にゴミの回収とリサイクルが行われるので、あえて費用をかけて回収せず、何もしないというのがまず1つ目の解決策。

 ただ、放置しておいて回収されるのは、古新聞、空き缶がメインだろうから、それ以外の資源ごみは公的に回収する必要があるかもしれない。

2つ目は、「回収した資源ごみの収益金を市民に還元する」という方法。

 古新聞であれ、空き缶であれ、出す方はゴミとして出しているので、捨てたら最後、後は何も関係ないという状態になる。そのため、自分が出した資源ゴミを誰が持って行っても構わないと考えるので、市町村が資源ゴミを集めることに対して協力的な行動はとらない。市民にとっては、ゴミを持って行ってくれるならば誰でもいいのであって、あえて市町村が集めなくても、妙な業者が回収していっても構うことがない。

 もし、市町村が資源ゴミを集めたいならば、市民に対し回収作業を協力させるインセンティブを与えると良い。資源ゴミを回収してリサイクルに回すと、市町村にはいくらかの収益を得られるので、この収益を減税や地域振興券のようなもので市民に還元する。そうすれば、自分の資源ゴミを市町村に持って行ってもらう動機が生まれるので、回収しやすくなる。

 一方、一般業者が資源ゴミを持ち去ってしまうと、自分たちに還元されるはずの収益を得られなくなるので、市民は自分の資源ゴミが持ち去られないように監視し始める。人は自分の利益に関わることには行動を起こすもので、何もリターンがない状況だと誰が資源ゴミを持って行っても構わないけれども、市町村が資源ゴミを回収すると自分たちが得をするとなれば行動を変える。


 簡単な解決策は、何もしない方法だろう。放っておいても回収してくれるのだから、あえて費用や人員を投入してまで回収せずとも、ほぼノーコストで資源ゴミのリサイクルが行われる。

 もし、1つ目の解決法が納得いかない場合は、2つ目の解決法で市民を巻き込んで資源ゴミを回収すれば持ち去りを減らせるのではないかと思う。