2015年8月8日

高温注意情報の京都を歩く。京都らしい場所を探す。



前回(銀色じゃない銀閣寺。京都らしい場所はどこにある?)からの続きです。

銀閣寺を出た後、南へ歩くと、法然院まで行ける。銀閣寺の観光地気分とは違って、ちょっと道を外れると一気に雰囲気が変わる。銀閣寺までの参道には人がイッパイだが、法然院までの道には人はまばら、土曜日とは思えないほどのひと気の無さだった。

通り道の土壁に生えていたキノコ。アリや正体不明の虫もイッパイいた。
銀閣寺や二条城、四条通周辺など、観光で京都に来た人が好みそうな場所は多々あるが、京都らしい場所を見たいならば、あえて人が来そうな場所を避ける方がいい。銀閣寺からちょっと離れるだけで、あれほど雰囲気が変わるのだから、あえて観光コースを外れたり、脇道に入ってみるのがよい。



銀閣寺に来たのは初めてだが、法然院に来たのも初めて。「京都らしい場所をオススメして」と言われれば、法然院と答えたくなるほどの場所。銀閣寺は人が多すぎてどうも風情に欠けるし、賑やかすぎる気がする。まぁ、京都と言えば観光だろうから、人気スポットに行きたくなるのは分かるし、私も今回は銀閣寺を見るために来たわけだから、同じ穴のムジナだ。

法然院の入り口。

人が多いところが嫌だと言いながら、銀閣寺に来るなんて、辛いものが嫌いと言いながらトムヤムラーメンを食べるようなものだ。とはいえ、単純に人が多いからイヤというわけでもない。何だか良く分からない感じになってきたが、ほどほどの混雑ならば別に構わない。しかし、満員電車のような混雑はイヤ。そういう境界線が私の心の奥深くに存在する。

法然院の入り口。
7月11日になると、木の緑が強くなり、夏っぽさが増してくるが、あの日はまさにそんな感じの日だった。これを書いているのは8月2日で、連日にわたって高温注意情報が出るほどの猛暑。当日はまだこれほど暑くなく、軽い感じの夏だった。

入り口を抜けた先。
入り口までの通り道。

写真を見ると分かるが、土曜日でこのひとけの無さ。「ひとけ」と書いて変換すると、「人気」となってしまい、「にんき」と読む人がいるかもしれないので、あえて「ひとけ」と書いておいた。

パラパラと人に会う程度。これぐらいが最も風情があっていい。右を見ても、左を見ても、前も後ろも、場合によっては下や上にも人がいるとなると、風情もへったくれもない。人が増えれば増えるほど、情緒が薄れていく。京都とはそういう場所なのだ。

綺麗な水の中で涼しそうな鯉。
20分から30分ほど法然院の中をウロウロし、休憩もして、これほど京都らしい場所も珍しいと思いつつ、この場所を後にした。

法然院を出て、さらに南へ行くと、安楽寺、霊鑑寺とお寺があるが、安楽寺はそのまま通りすぎて、霊鑑寺の門前まで来たが、門が閉まっていた。店じまいならぬ寺じまいをしたのかと思ったが、この寺は特定の時期しか開いていないお寺らしく、私が行った時は門は固く閉ざされていた。まぁ、むやみに寺を開けていても物騒なだけだし、お金も入ってこないので、決まった時期だけ開けるのが合理的だ。

京都には無数の寺があるが、どこの寺でもオープンになっているわけではなく、霊鑑寺ののように決めた時期にしか開けない寺も多々ある。寺ならば誰でも入れると思いがちだが、ホイホイと入れるところばかりではないので、この点は知っておくべきだろう。

さらに南へ行くかと思ったが、7月中旬ではあるが、もう暑さに耐えられないので、西へ行くことにした。

鹿ヶ谷通を抜け、白川通まで出たところ、バス停があったのでバスに乗っていこうかとも思ったが、駅まではそれほどの距離でもないので、帰りは歩くことにした。丸太町通に出ると金戒光明寺の近くまで来るが、ここは以前行ったことがある。

金戒光明寺の入り口。2014年12月


去年、2014年の秋だったか、それともお正月だったか、ハッキリとは覚えていないが、金戒光明寺に来た記憶はある。写真は2015年12月のものなので、12月だったのだろう。急峻な階段を登ると入り口があるが、脇道から行くとお墓が建っているところへ行けるようになっていて、そこからお寺の中に入った。

金戒光明寺の中。8月に12月の写真を見せるのはどうかとは思うが。

寺の東側はお墓ゾーンになっていて、会津藩の人たちのお墓も多々ある。江戸時代に、金戒光明寺は会津藩の駐屯場所になっていたようで、見知らぬおじいちゃんが会津藩士の墓を見に来ていた。

金戒光明寺はお墓のお寺と言っても過言ではないぐらい墓が多い。入口付近ではそのような雰囲気は感じられないけれども、奥に進んでいけばお墓の多さを目で見ることになる。

金戒光明寺のお墓ゾーン。京都の街が見える。

銀閣寺から法然院、金戒光明寺には入らず、歩いて平安神宮まで行くと、目の前の岡崎公園では工事が行われていて入れなかった。再整備のための工事らしいが、公園の中でちょっと休憩しようかと思って来たが、当てが外れた。

冷泉橋の下を流れる川はいつも緑色だが、なぜなのか。平安神宮の前の通りを西へ行くと、冷泉橋という小さな橋が川に架かっているが、この川がいつも緑色なのだ。川というと、澄んだきれいな川もあれば濁った川もあるのだけれども、緑色の川は珍しい。どんな緑色かというと、メロンクリームソーダを混ぜたときの色に近い。メロンクリームソーダを例えに出すと美味しそうな感じがするが、川の水なのでたぶん美味しくはない。

平安神宮の中。これも2014年の12月。

この日は7月の中頃というのに高温注意情報が出ていた。まだ夏の前半戦なのに高温注意情報が出ているのはウンザリするが、35度まで気温が上昇したらしく、確かに真夏のような暑さだった。これを書いているのが8月8日なので、今の暑さ(連日、最高気温が36℃、35℃が当たり前)に比べれば大したものではなかったのかもしれない。

京都に行くときは、春か秋がオススメ。特に秋がいい。秋ならば、どこに行ってもモミジが見れるし、あの時期のシットリした雰囲気が京都に合う。祇園祭は夏だが、5月には葵祭もあるので、祭りならば祇園祭よりも葵祭を見に行くといい。

長くなったので、銀閣寺のお話とその他の余談はこれで終わりにする。