2015年8月1日

あと2メートルで溢れそうになった川。警報が嬉しかった小学生時代。




台風シーズンというと9月がメインなのだが、今年、2015年はすでに台風が何個か襲来している。7月に来た台風11号だが、大阪では風が少し強く吹いた程度で、雨もパラパラと降っているかどうか程度だったので、「また、大したことない台風か」とタカをくくっていた。

ところが、18日金曜日になって、急に本気を出し始め、すごい量の雨が天から降ってきた。風は大したことないのだが、あの雨の量は確かに近年稀に見る程度の雨だったと思う。近所の川があと2メートルほどで溢れそうになったぐらいだ。深さは10メートル以上はある川なので、それがあと2メートルほどまで増水したなんて、今まで経験したことがない。



夜の23時30分頃が雨のピークだったらしく、ネットで川の水位を知らせるウェブサイトを見ていると、避難準備情報が出ていた。避難準備情報が出るなんて初めてだったし、あんな夜遅くに避難なんてどうやってするのか分からなかったが、川が溢れるか否か、それだけが私の関心事だった。

夜中の午前1時頃になると雨が弱まり始め、ウェブサイトで知らされる川の水位も一気に1.5mほど下がった。不謹慎なことだが、ちょっとだけ川が溢れるところを見てみたかったのが本音。九州や四国の人にとっては、川が溢れるなんてとんでもないのだろうけれども、大阪に住んでいると、川が溢れるなんてことはまず経験しない。

風はそれなりに吹いたものの、雨は大したこと無く、貧弱な台風だと思っていたが、岡山に上陸した辺りから雨が強くなったので、台風は油断ならない。


小学生の頃は台風が来ると嬉しかったものだ。台風が来てなぜ嬉しいのか不思議かもしれないが、それは「台風が来る=学校が休みになる」という単純な理由によるもの。台風が来て嬉しいなんて、沖縄や九州、四国の人には不謹慎だが、大阪のキッズにとっては1年で数回しかないイベントだ。

台風が来ると、はたして学校が休みになるかどうか。それが最大の関心事になる。2015年 現在では、休校になるには暴風警報が必須で、他の警報、大雨警報や洪水警報では休校にならない。なぜ暴風警報だけを特別扱いしているのかは不明だが、私が小学生だった349年前は、警報ならばどれでもOKだった。

台風がやってくる日の朝。いの一番にテレビで天気予報をチェックする。警報が発令されているかどうか。これだけのために朝から目がシャキッとしている。今ではネットでいつでも天気予報を調べられるし、警報や注意報のチェックも容易だ。しかし、当時は、ネットなんて便利なものは無かったし、スマホやタブレットなんてあるわけもない。だから、テレビで警報をチェックするしかない。

しかも、警報が解除される時間によって対応が変わるので、早い段階で解除されると、3時間目とか4時間目から登校し、午後になっても警報が解除されていなければ休校になる。午後まで警報が発令されていれば対応は容易なのだが、中途半端に早く解除された時が厄介。

小学4年か5年ぐらいだったか、午前10時40分頃に警報が解除され、確か4時間目から登校することになり、渋々学校に行ったことがある。ところが、気象情報をテレビでチェックしないといけなかったので、判定が難しく、人によってはテレビを見ていないのか、登校してこない人もいた。

テレビを見ていなかったと言えば登校しない理由になるし、ずっとテレビだけを見て過ごすわけにもいかないだろうから、休もうと思えば休めたはず。私のように、〇〇正直に登校する必要もなかったのかもしれない。

大阪で波浪警報というものが出ていたことがあるが、「海なんて全く見えない場所で波浪警報なんて出しても意味ないんじゃないの?」と小学生ながらに考えていたが、「まぁ、警報には変わりないのでいいか」とスルーしていた。大阪湾の近くとか、海岸の近くとか、そういう場所ならば影響はあるかもしれないが、四方八方を見渡しても海の端っこすら見えない場所であえて波浪警報を出す必要はあったのかどうか。

今では波浪警報なんて関係無いし、大雨や洪水ですら学校には影響しない。今や小学生の関心事は暴風警報だけになったのだ。